「いつも通りの面白四コマをひたすら読んでいただけなのに、気がつくと一人の女性の人生を垣間見ていた。まさかいしいひさいちに泣かされる日が来ようとは!」
「あっさり・淡々と描かれたストーリーと人物なのに、読後にはなんとも言えない熱量のようなものが胸に残ります。ポルトガルのファドを聴きたくなる、映画のような物語。」
「巨匠いしいひさいちが齢70代にして、これほど瑞々しいシスターフッドの物語を描くとは、いったい誰が想像しただろうか。そして主人公2人に突き付けられるどうしようもない『リアル』に涙せずにはいられない。さらに驚くのは長年4コマという定型フォーマットにこだわってきた氏が、意識的にその枷から逸脱してみせた大胆な画面表現だ。普段のギャグ漫画のサイズではなく、ストーリー漫画の頭身で描かれるロカの歌唱シーンはドラマチックで美しく、見開きの俯瞰で描かれた港湾の事故のシーンは衝撃的ですらあった。『孤高の天才』という印象の強いいしい氏だが、その地位に安住せず、いまだ漫画表現への挑戦者であることに心から敬服する。」