「他人から決めつけられたら腹が立つのに、自分自身がそれを他人に押し付けていないか。人を見かけだけで評価していないか。読みながら何度も自分を省みる。ルッキズム、コンプレックス、正しさの押し付け。投げつけた方は放った直後に忘れてしまっているような言葉や態度が、刺さった棘になってジクジク痛み続けるような呪いになることがあることを常に念頭に置いておきたいと思う。ジョナや正市をはじめとした登場人物が感じているであろう息苦しさ、閉塞感、疲れて諦めてしまうような感覚に、いつか春がきますように、と思いながら読んでいます。」
「リアルが見えなくなりがちな時代に、この作品を読んでいると、息苦しさやせつなさに加えて安心感を覚える。きっとそんな人も多い作品。」
「2巻のコピー『「美しい顔」に生まれた人間の地獄...。』。正市が抱えていた地獄が明かされた2巻、衝撃でした。わたしはアイドルファンなので実に気軽に『顔がいい』と言いがちです。でも、職業としてそれを武器にしているわけではない人にその言葉を向けることで、褒めているつもりが傷つけてしまうことがあると想像したことがありませんでした。大人としてだいぶ遅かったとは思いますが、この作品を読んでルッキズムについての考え方が変わりました。他人を無意識に傷つけてしまった経験、逆に傷ついてしまった経験、どちらにも共感する部分があり、あらためて自分の行いを見つめ直すきっかけになりました。松虫あられさんが、こどもや生きづらい事情を抱えている人たちを守りたいんだなということが伝わってくる、やさしい作品です。」
「現代社会のルッキズムに傷つく人へ届いてほしい、再生の物語。東京で見た目へのコンプレックスに苦しみ、心が折れかけた25歳の女性・アリスが逃げるように辿り着いたのは、祖母のいる青森。田舎のあたたかい空気に癒やされる一方で、家族間の軋轢や、特別支援学級の教師として働く日常をリアルに描き出していきます。『田舎で癒やされて終わり』のその先。人間関係のギスギスした痛みや、自分自身の価値観と正面から向き合っていく主人公の姿には、他者や自分を愛するための希望が詰まっています。見た目のコンプレックスの苦しみと、美しさで持ち上げられる弊害。ルッキズムの両面を真摯に描く、今こそ読まれるべき一冊です!」