「漫画研究部の体験入部で手に取った一冊が、"異世界"への入り口だった。導入だけ聞くとありがちな異世界ファンタジーに思えるが、本作の面白さは、異世界に行ったきりではなく、主人公たちにしっかり『リアルの高校生活』があるところにある。現実と異世界を頻繁に行き来するうえ、異世界にいられる時間は原則として部活動の時間だけ、という制限が効いていて、異世界での冒険譚としてもワクワクできる一方、学園側では部活ならではの人間関係などが描かれ、二つの舞台が互いに響き合うのが気持ちいい。冒険と青春、どちらの軸でも物語を転がせる"二面構造"だからこそ、一粒で二度おいしい読み味がある。今後、異世界側の謎が深まるのか、現実側の部活ドラマが加速するのか、どちらのストーリーにも期待したい。」