「団地育ちなので、『星のふる里』一篇だけでも古い記憶が様々蘇って来て、今あの場所はどうなってるだろうとか、あの時のアレはなんだったのだろう?とか、普段あまり考えなくなっていたアレコレを考えたりしました。ただ、一見するとノスタルジックなだけのお話の中に、あの町を舞台にした短編や、アレを発見した科学者の立場や半生を描いた短編など、真正面から持ち出されると否応なく暗い影がよぎりそうになる題材をさらっと混ぜ込ませて、普段は『もう過ぎたこと』と、まるで無かったことのようになっている事柄にもふんわりと触れてくる冷静さが、懐古とは違う読後感を連れてきます。漫画表現の多彩さにもさすがと言わざるを得ない1冊です。」