「あらすじをここで書くのも野暮なので、帯の惹句を引用する。『手を伸ばせば届くのに――』『この恋は後ろめたくて苦しい』『同性の友達以上、恋人未満』......。30代女子2人の恋心を繊細に、細密に、ゆっくり、じっくりと描いてきた物語は、昨年末発売の6巻で一気に前進。人が人を大切に思うときの純粋で崇高な気持ちを、臆せず、日和らず、正面から描き切ろうという作者の『志の高さ』がよく伝わる展開となっている。2人の行動は社会的にはいまだ簡単に受け入れられるものではないとはいえ、関係そのものは多様性という言葉で説明することもできるくらいには世の中も進化してきており、理解者も多い、という作劇上の設定は鋭く、読者の多くが『自分ごと』とまではいかないものの、それに近いリアリティーをもって読み進めることができるストーリーになっていると思う。キャラクター造形は複層的、多層的で、強い思いをぶつける側とそれを受け入れる側の立場がいつの間にか入れ替わっていたり、ドラマ的な盛り上がりがあって飽きさせない。恋愛ものがお好きな方にも、それほどでもない方にも、美麗な絵柄も相まって、未読の方はぜひに、と自信を持ってお薦めできる当代一流の恋愛マンガです。今後はなかなかビターな展開も予想されるけれど、それでも夏に出るという7巻を、いまからドキドキしつつ楽しみに待ちたい。」