選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2025一次選考作品

『海が走るエンドロール』たらちねジョン

  • 「自身の体の老い、同志へ劣等感などに苛まれつつもそれを凌駕する『映画を撮る』欲求、包み込むような親愛の情が、波に翻弄されながらも舟を漕ぎ続ける姿を支えていく。この作品ならではの一貫したこのテーマ、もっと沢山の人に触れて貰いたい。今頃あの人映画撮ってんだろうなぁと思い浮かべて微笑むのは、その、なんなんでしょうかね。ありがとうございます(?)。」

    「65歳を過ぎ、夫と死別した主人公が、失くした物を取り戻すように、映画制作を目指して美大に入り直す。二十歳前後の大学生に囲まれて、自分に残された時間を意識しつつ、映画作りに一心に取り組む主人公の心情がリアルだ。焦りと諦めとそれでも希望と...。創ることに取り憑かれたら、年齢は関係ない。また、映画業界の関係者(監督・映画祭プロデュ―サーなど)のエピソードにも愛情を感じる。全ての創るものを応援せずにはいられない。」

    「夫を亡くした65歳のうみ子さんが第二の人生として映画作りの道を歩むようになるけれど...というお話ですが(ざっくり言うなら)、残された時間とどう向き合うか?好きなものとどう向き合うか?若い才能とどう向き合うか?等々、うみ子さんの年齢より下の人たちにもグサッと刺さるテーマがいくつも描かれています。自分がうみ子さんぐらいの年になった時に、彼女のような選択や生き方が出来るかなぁ...とも考えさせられます。」

▲ ページの先頭へもどる