選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2023一次選考作品

『め組の大吾 救国のオレンジ』曽田正人、冨山玖呂

  • 「前作『め組の大吾』での一説を引用する。『才能の輝くとき、本来は誰からも祝福してもらえる瞬間のはずなのに、おまえの輝く時は必ず人々の悲劇だ。おまえの才能の発露に祝福はない。それでもおまえは、レスキューをやるべきだ。』この作品の本質はここに圧縮されていると思っている。四半世紀前の熱狂が現代によみがえって、しかし、以前とは違った形の熱狂を見せてくれることを願ってやまない。」

    「若い消防士の奮闘を描いた、1990年代の名作『め組の大吾』が20年以上の時を経て帰ってきた。しかも『週刊少年サンデー』から『月刊少年マガジン』へ移籍して(※といっても冨山玖呂と共作の『capeta』(2003-2013)、『Change!』(2017-2019)などは月刊少年マガジンで連載していたので、作家の「移籍」ではない)。続編とはいえ、時間が主要なキャラはすべて世代交代。前作では主人公の朝比奈大吾が消防士になるところからの時系列を追っての成長譚として描かれていた。本作も若い消防士3名の成長譚ではあるが、最初からレスキュー隊を描いた『救国のオレンジ』ではいきなりトップギア。主要キャラクターの名称や関係性、伏線などに緻密な設定がされていると思われ、物語の山場は少し先にありそう。いまのうちに追いつくべし。既刊6巻以下続刊。」

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