選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2023一次選考作品

『鍋に弾丸を受けながら』森山慎、青木潤太朗

  • 「テレビで高級〇〇料理を食べる番組って結構あるけども、正直ココロのどこかで惰性で見てません?私はそうです。だって自分が食べるわけじゃないもん。芸能人が美味しそうに食べる高い美味い飯って遠い世界の話よね。でも、この漫画に出てくる飯は距離的には遠いけど、無性に食べたくそそられる。どんなにヤバい環境でもテレビの中の高い飯より地続きで共感できる美味そうな飯がここにあります。これ見てエルビスサンドを友達と作って食べた思い出。」

    「グルメというよりコアな海外旅行マンガになっていて、旅先で出会ったひととの会話から計画も予想もしなかった出来事が始まっていくノリにワクワク感がとまりません。バックパッカー旅行が好きな(好きだった)ひとにはたまらないでしょう。原作者の人柄というか個性というか、旅先でのひととの関わり方というのか、そこがこのマンガの魅力の核だと感じます。カワイイけど眼つきがやばそうに見える美少女たちの作画も内容にマッチしすぎていました。」

    「ファクトと創作とストーリーのためのキャラクターという記号を絶妙な火加減で煮込むことで、本当に存在するのかわからないがしかしもう実在していなくてもかまわないと思えるほど魅力的な『味』が読者の前に現われるすごい作品。『味集中システム』で自席の周囲が全く見えないラーメン店『一蘭』のように、さまざまなことがうまく伏せられることで、われわれは目の前のドンブリに集中できているのではないだろうか...」

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