選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2023一次選考作品

『税金で買った本』ずいの、系山冏

  • 「ちょっとやんちゃなアルバイト男子高校生からみた、図書館の舞台裏マンガです。図書館にちょっと関わった者からしても、とてもリアル。そして現場の不満や葛藤も丁寧に描かれています。専門家なのに非正規雇用なのは『みんな図書館の仕事だ好きだからです』とか、ドキッとします。これって、やりがい搾(ry 本好きで図書館好きな人は多いはず。ぜひその舞台裏を覗いてみてください!」

    「巻を重ねるごとにレベルが上がっているヤンキーくんの図書館お仕事漫画。自分は非正規図書館勤務経験者ですが、あるあるのリアルな日常や非正規職員の待遇など、現在の図書館について真摯に向き合っていて、図書館愛をひしひしと感じます。ヤンキーである石平少年の純粋な知的好奇心で物語が動いていくのもポイント。好奇心旺盛でワクワクと楽しそうに調べ事をする石平少年がお茶目で、読後はハッピーな気持ちになれます。個人的に白井さんがとても好き。」

    「書店と図書館。客や利用者にとっては『読みたい本に巡り会える』という意味では大差ない。違いと言えば『(所有するために)買う』と『(純粋に読むためだけに)借りる』ことくらい......と思ったら運営側は大違い。民間の営利企業の現場である書店で働くのも大変だけど、『税金』で買った本を貸し出す図書館の職員はさらなる制約にさらされる。公金で買った市民の財産を管理・運用する細かな労苦といったら僕のような民間人(特にフリーランサー)には想像もつかない。このマンガにはそうした図書館員の日常が描かれている。未知なる図書館の仕組みや制度を覗き見するような楽しみもあるが、何よりこのマンガに登場する人物の根底にある本への愛情や知識欲に触れると心が満ちる。それは僕ら自身がいい本に触れたときの喜びに似ている。既刊5巻以下続刊。」

    「市立図書館の蘊蓄と内情を扱う『お仕事漫画』だが、素材の訴求力にキャラクターの味が加わって魅力が増した。改めて推したいタイトルの一つ。」

    「ある出来事をきっかけに図書館で働くことになったヤンキー君の目線を通して、どんな人がどんな思いで来館しているのかや、図書館にはどんな仕事が有るのかを学べる作品です。ただ単にこんな仕事があります、と説明するのではなく来館者たちの人生ドラマも上手く絡めてあり、読み応えあります。話には聞いていましたが、図書館で働くって大変なんですね...。」

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