選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2022一次選考作品

『ワールド イズ ダンシング』三原和人

  • 「前作で天才少年を描いた三原和人が、その演出で若き日の世阿弥を描くわけですから面白くならないわけがない。常人とは違う世界を見聞きし、その異界を追い求める少年の衝動が、社会の求める『芸』のあり方と衝突し、そしてそれを昇華させる。このダイナミズムにゾクゾクします。」

    「世阿弥が幼名の『鬼夜叉』と呼ばれていた頃から物語は始まる。父親の観阿弥も健在。まだ足利義満に寵愛される前。ヒトはなぜ踊るのか?という大きな疑問を抱えつつ、好奇心の塊のようにいろんなことに首を突っ込んでいく...。幽玄をどんなふうに表現するのか?複式夢幻能をどうやって完成させたのか?犬王(道阿弥)とはどう出会うのか?いや、既に出会っているのか?あとあと、息子である元雅が死んだときにどんな表情を見せるのか?しあわせな数学マンガ、『はじめアルゴリズム』を描いた三原和人先生がどうやって表現するのか興味津々。瀬戸内寂聴の『秘花』、白洲正子の『世阿弥』、杉本苑子の『華の碑文』などとは違ったマンガならではの世阿弥が読めるに違いない。」

▲ ページの先頭へもどる