選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2022一次選考作品

『マロニエ王国の七人の騎士』岩本ナオ

  • 「とにかく絵が細かくて綺麗なので、ファンタジーがより素敵に入ってくるその中にキュンとさせてくれるところが多々あり、ニマニマせざるを得ない。」

    「『町でうわさの天狗の子』が一見奇妙だが骨太のファンタジー、つまりこの世界の秘密をめぐる物語であったように『マロニエ王国の七人の騎士』もまたやはり、一見奇妙だが骨太なファンタジー、この世界の秘密をめぐる物語だ。八つの国からなる大陸の中心にある国、マロニエ王国。その女将軍であるバリバラには七人の息子がいる。OK. OK. ここまではいいでしょう。ファンタジーの始まりとしては上等だ。だが、その7人の息子の名前が『眠くない』『博愛』『暑がりや』『寒がりや』『獣使い』『剣自慢』『ハラペコ』となってくるとだいぶん話は変わってくる。ふたつ名とかじゃなく、本当にこういう名前なんだぜ? この子たち。で、この基本まぬけに聞こえるんだけど、でも描かれるキャラクターとしては愛すべき好青年であるところの変な名前の青年たちが、世界の7つの国へと使命をおびて赴かされる。この世界がこの世界である秘密をめぐる旅。魔法の探索物語。魔法。根源の、おおもとの、ふるいふるい言葉と行いとをたどる旅。おお、ファンタジーであることよ。岩本ナオが描く実直で線で描かれるまぬけで愛すべき好青年たちによる、だが、神話的なイメージを背負った、その世界の根源にせまる筆致。このギャップがこのマンガの魅力であると思う。」

    「マロニエ王国の7人の個性的な騎士がいろんな問題や困難を乗り越えていく様がとても美しく、まるで絵画を見ているような綺麗な絵と優しい物語で進んでいきます。読んだ後にいつも裏表紙の金額を見て、この値段でこの満足度は高いといつも思うそんな漫画です。」

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