選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2022一次選考作品

『僕とロボコ』宮崎周平

  • 「『誰も傷つけない、優しい笑い』と口で言うのは簡単ですが、それで角を丸めることなく、過激なまでに面白いギャグマンガにした手腕に感嘆します。ロボットが子どもの日常生活に参入する作品は『丸出だめ夫』に始まり、『ドラえもん』で完成したと思いますが、久々に『ドラえもん』を超える作品を見ました。絵は決して巧みとは言えないのに(失礼)、作者がギリギリまでネームを磨き上げていることがわかる。毎回、最終回かと思うようなテンションと熱量に圧倒されます。何より、現代のリアル子ども世界で、親友やら友情やらが半ば『幻想』と化していることを、しっかり踏まえているのがすばらしい。ロボコやボンド、ガチゴリラやモツオは、そんなニヒリズムと果敢に戦っているのだと思う。これを〝友情幻想の総本山〟『少年ジャンプ』のど真ん中で連載していることに、また感動を覚えます。......などと、ちょっと理屈っぽく褒めてしまいましたが、ただ言いたいのは、2021年に一番楽しめたマンガだということです。」

    「ひとクセふたクセしかないキャラクターしか出てこない『半分は優しさ、もう半分はセンスの塊』なギャグマンガ。凡人よ、ずっとそのままの君でいてくれ。」

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