選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2021一次選考作品

『僕はまだ野球を知らない』西餠

  • 「真面目で、素直で、でもどこかずれている登場人物が作る空気がとにかく愛おしい。野球を知らなくても楽しく読めます。それぞれのための努力が大きな流れを作るのを、少し力を抜きながらワクワクして見守るのが楽しいです。5巻で一旦いいところで締めて、続きは個人でweb連載されているそうで、いつか続きが刊行されるのを切望しています。面白いのに知っている人が少なすぎてもどかしい!」

    「セイバーメトリクスを高校野球に持ち込みたくて仕方ない残念完璧男性監督が、地面に金属を埋めて野手の位置をはかる、というまったくクールじゃない奇行からスタートし、監督を軸に、普通に見える奇人がわらわらと集まり、超弩級のボケを静かに見せて考えもしなかった笑いをもぎ取られる快感たるや!!特に、家庭の事情で野球部を辞めようとしている部員に駆け寄ったチームメイトが、『オマエ野球辞めるんだって?じゃあ道具要らないだろうからちょうだい!』と持ちかけるシーンとか、最高すぎる!!この作品のもう一つのポイントは、雑誌での連載は2020年をもって終了してしまったものの、なんと著者の西餅さんがみずからのnoteで連載を始めたところ。好きな作品が終わって欲しくない!!という読者の叫びに、この形で答えているマンガも歴史上ほとんど見たことがなく、その上でも注目したいんだけど、ポイントはニュースバリューとかじゃなくて、この行動をも含めて、『やっちゃいけない』って無意識に決めてることが我々なんと多いことか。ないんだよ、やっちゃいけない事なんて!!!というメッセージがビッキビキに伝わってくる!!真の現代の自由人のバイブル!」

    「今までの野球漫画の概念を覆してくる理論派野球漫画です。西餅先生の前の作品のハルロックの独特のノリのまんま、前編爆笑しっぱなしです。元々スポーツ系の漫画をあまり嗜まない私でしたが、理論や最新のシステムを取り入れて弱小野球チームが次第にまとまっていき、野球をすることを楽しむ過程がきちんと描かれているので、野球漫画としてもチームビルディング漫画としても楽しめると思います。野球を知ってる人にも知らない人にも読んでもらい、感想を聞きまくりたいです。」

▲ ページの先頭へもどる