選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2021一次選考作品

『スインギンドラゴンタイガーブギ』灰田高鴻

  • 「ページを開いたそこにあったのはものすごい熱量だった。己の大切なものを、大切にしようとする想い。表現への渇望。人が持つ熱い部分が存分に出ているストーリーとなっている。その一方で人が持つ闇も含んだ時代背景が、この作品の味の一つになっていると感じる。国と国の対立や、人種。人々が集まると避けることのできない部分なのかもしれない。しかし音楽において、そのようなものは意味を失っていく。いい演奏、いい音はそういったものを飛び越えていくんだな、と思わせてくれる。登場人物の思いが交錯し、これからどのような物語を紡いでいくのか、また主人公の当初の目的はどのような形で達成されるのか。行く先を楽しみに見ていきたい。ユーモアに富んだ和訳も作品の彩りになっており、ついつい読みながら表情が緩んでしまうところも素敵。」

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