選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2020一次選考作品

『血の轍』押見修造

  • 「精神的に不安定な母とその息子の関係を中心に展開していくマンガ。母親の歪んだ愛情といえばいいのか。息子が自分に依存するようにあらゆる手をつくしてきます。息子がラブレターをもらえば一緒に破るように強要するし、河原で彼女と会っていると探して追いかけてくるし、とにかく不気味。子離れできてないとか、毒親ですませるのがもったいない後味の悪さがここにはあります。」

    「何度か書かせていただいていたが、7巻を迎え、いよいよ狂気っぷりがすごいので再度推し。美麗な絵で描かれているのが「毒親(毒母)と息子」のある意味で世界の崩壊と、新たなる世界の構築・・。1巻ではまだまだ主人公である静一を応援しながら読めていたものの、徐々に静一も読者である私の手には負えない(理解できない)存在に変化していっている。こんなに美しいイラストで、こんなにも陰鬱で不気味。秘密の共有をした母と息子がこの先どうなるのか、気になってしょうがない。」

    「登場人物の表情や心の動きがリアルな人間よりも、更にリアルに痛々しく表現されていて、読んでてずっと胸が苦しい作品。人間は恐ろしい。」

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