選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2020一次選考作品

『レイリ』室井大資、岩明均

  • 「堂々としたラストで2019年完結した作品。原作・岩明均の空気感を迫力の画力と丁寧さで形にした力作です。もっと評価されてほしい!誠実なキャラクター達の意志の強さと痛々しいぐらい真っ直ぐな眼力に泣きました。素晴らしい最後だった。奇をてらった作品ではなく、堅実な時代モノですが、ぜひ一気に読んでほしい作品です。」

    「岩明均さんらしい生き死にに肉薄した物語、ずっとドキドキしながら読み進めました。世は戦国時代、度重なる戦の残酷な余波により天涯孤独になった少女レイリ、その命を救ってくれた君主のために死ぬことだけが夢だと言う。そんなレイリが、人間として女性として戦人として、命を燃やし、命を使い尽くした、という言葉が浮かびます。主人公だけでなく、登場人物全員それぞれの「命の使いみち」について描かれていきます。死に様は惨たらしくはありますが、それぞれの「生のうえに成り立つ死」であり、結局はどう生きるか、誰のために生きるか、ということを考えさせられました。今季完結作品ということでもあり、このタイミングで是非たくさんの人に推したい作品であります。」

    「武田信玄の頃には戦国最強とうたわれたが、そのあとを勝頼が継ぐとあれよあれよという間に滅んでしまう。その原因は、長篠の戦いなのか、それとも北条家との同盟解消にあるのか、はたまた別のことなのか...。そんな武田家が滅んでいくさまを、武田信玄の孫信勝の影武者になったレイリという架空の人物から見た物語。岩明均先生の原作が分厚くて、室井大資先生の描く表情にも深みがあって、ついつい架空の物語だということを忘れてしまう。」

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