選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2019一次選考作品

『不朽のフェーネチカ』竹良実

  • 不朽のフェーネチカ (アフタヌーンコミックス)

  • 「ひょっとしたら電子書籍でのみの出版かも。85ページの超、濃密読み切り作品。 聖人に列されること間違いなしのポーランドの老修道女、マザー・ドロテア。ただ、彼女は、単なる聖職者ではなく、その来歴と所業には、想像を絶する秘密があった...!修道院、東欧という我々の単純な類推を許さない世界を舞台に、「チョコレートの箱にチョコレートが入っているほど、人間は単純なモノじゃないだろ?」という冒頭のジャーナリストの軽口が、真実を言い表しながら同時に軽口に過ぎない、ということを、超越した構成力でまとめ上げた作品。85ページで何度驚かされたか。前作「辺獄のシュヴェスタ」に引き続き、意志の力は悲劇を悲劇のままにしておかない、という強い主張が説得力をもって伝わってくる傑作。」

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