選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2019一次選考作品

『ゆりあ先生の赤い糸』入江 喜和

  • ゆりあ先生の赤い糸(2) (BE LOVE KC)

  • 「主人公ゆりあさんは、相思相愛のダンナさんと大の仲良し。多少つまらなくても平和で幸せな結婚生活を送ってたはずなのに、ダンナさんが突然倒れたことで、事態が急転。倒れたときに一緒にいたのはやたらイケメンの恋人だわ、「パパ」と呼ぶ子どもたちまで現れるわで、しっちゃかめっちゃか。バカにするのもたいがいにしろな状況なのになぜか、ゆりあさんは男気を発揮し、猫も杓子も面倒みちゃう。可愛げのなさにかけては右に出る者がいなさそうな彼女のその健気さがグッとくる。なんだかんだいって強いし、きっと幸せになれる(なってほしい)。不器用さで悩んでる友達に贈りたい一冊です。」

    「大人のための少女漫画、というテーマにふさわしい。冒頭の少女時代のバレエのエピソードから、今後の生きづらさを約束されたかのような主人公に心をわしづかまれる。平穏だった日常を襲う衝撃の展開を、まるで嵐のなかで踏ん張るように耐えるゆりあの「やせ我慢」は気風の美学でもあり、父から受けた呪いでもあり、今後どう昇華されるのか気になる。ほかで読めない唯一無二の入江作品、今作も全力で多くの人に勧めたい。」

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