選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2012ノミネート作品

『四月は君の嘘』新川直司

  • 四月は君の嘘(2) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 「ピアノが弾けなくなった少年と、バイオリンを楽しんで弾く少女と。こぼれる涙の意味はそれぞれ違うのに、そのどちらにも目を奪われてしまうのは、その涙に嘘がないから。あまりに懸命で、全身全霊で向き合うからこそ、流れる涙。息をのんで、ページを括った。まだ始まったばかりの物語。これからが楽しみです。」

    「まだ1巻なので早い、時期尚早、来年でもいいじゃないかと声が上がりそうですが、どうしてもノミネートだけはさせたい、(もちろん来年もノミネートさせますが)ということで選びました。昨年発売したコミックの中では、個人的に一番と思っているコミックです。心に響くセリフ、透き通るような描写、考え抜かれた間、ひとつひとつが非常に巧くその場面場面に当てはまり、モノクロのマンガの世界がカラフルに色付いていく素敵なマンガです。今年さらに多くの人に手にとってもらうことを願っておすすめさせて頂きます。」

    「丁寧な絵柄にもかかわらず、前作の「さよならフットボール」に続き、躍動感のある表現が上手い作者。「夢を諦めた元天才」というよくある設定を今後どう調理するかに期待。」

    「心の風景が絶妙に描かれていて、懐かしい気持ちにさせられる爽やかな作品。 人との出会いや別れの素晴らしさや悲しみ。 忘れかけていた大切な何かを気付かせてくれる。」

    「2011年の青春モノで一番かも。登場人物すべてがみずみずしく爽やか!あぁもう一度学生に戻りたい!本誌の展開もますます気になるところ。今年ブレイクしてほしい漫画です。」

    「本年度のノミネート作品のなかでは「鮮烈さ」いう点でずば抜けてると思いました。この作品を知らない人に対して「面白いから読んでみて!」と言いたくなる、伝えたくなると作品です。」

    「色がみえる。音が聞こえる。すごい漫画に出会えました。2巻の前半で二人が演奏する場面は息をもつかせない描写で夢中になって読みました。1冊読むのがあっという間。これからどんな展開になるのかどきどきします。何かおもしろい漫画ある?って今聞かれたら迷わずおすすめしてしまう一番の作品。」

    「当店のマンガ大賞選考委員会は7人。7人それぞれが5点満点で採点し、また、それとは別にイチオシの推薦票と投じた結果、得点数で1位、推薦数で2位になり、今年のマンガ大賞1位候補となった。ちなみに店長である私は7人の中で最も低い点数であったのだが、それは言うまい。」

    「ぶっちぎりのマイベスト!絵柄や物語の展開はよくあるといえばよくあるものだが、そんなことをすべて飲み込むくらいのド迫力とひたむきさに圧倒されました。その要因は『類稀なるコマ割り』と『演出力』だと思います。大ゴマの挿入のされ方。背中ですべてを語る説得力。見えない『音』を視覚から聴かせる演出。第1話目を読んだ瞬間の身震いするような感動は近年稀に見る秀作だと思いました。早く続きが読みたい!POP作りたい!もっと売ってこの感動を広めたい!そんな我々書店員の仕事で一番大切な感覚すべてに訴えかけてくる作品です。」

    「その真摯さが、まぶしかった。あまりにもきらきらしていて、息をのんだ。何かを好きって、つらいけど、もがくけど、でも、好きなんだ。そう、画面から伝わってくるほどに。全力で泣けるっていいなあ。こんな季節を、わたしは、果たして過ごしてきたのだろうか。これから、過ごすことができるだろうか。今年はすごくすごく迷って、でも「誰かに薦めたい」という基準を思い出して、これを選びました。このまっすぐさが、眩しさが、あなたを支えると思う。このマンガには、それだけの力があると思う。だから、薦めます。この作品の今と、これからに、立ち会ってみてください。」

    「真っ白なはずの画面に、いきなり色が見えた。ページをめくった瞬間に現れた、美しい、ピンクの桜の花。まるで眠っているかのように、鈍くモノトーンだった主人公の日常が、『彼女』に出会ったとき、唐突に、鮮やかに色づいた。世界が変わる。そして、本人が気づくより先に、読者は気づかされるのだ。今、彼は恋に落ちた。しかも、初恋だ、と。物語は、元天才ピアニストの少年と、ヴァイオリニストの少女の出会いから始まる。その、要所要所で、物語の進行に合わせ、画面が雄弁に語る。音がないのに音が聞こえる。超絶技巧の少女の弦の音色。少年の、追い詰められてばらばらになっていってしまうピアノの絶望。気持ちよい風を感じる。ひたすら自転車をこぐ。飛び込んだ水が冷たい。友人たちの笑い声。その、すべてが画面から感じ取れる。恐ろしい才能だと思います。なにより...二人が挑んだコンクールでの演奏が凄まじく、素晴らしい。この音が聞きたい。頭の中で響くこの音が、本当に聞いてみたいと、心から思いました。そして、・・・実は、物語はまだ、始まったばかりなのです。2 巻にして、この吸引力。この作品の行く末を、共に歩むように見て行きたい。そして、その思いを多くの人と共有したいと、今、マンガ大賞 1 位に推します。どうぞ、皆様。この優しく強く、まだ小さな調べを、今、一緒に応援し、見守って育ててあげてください。」

    「読後感の爽やかさに関しては、今回のノミネート作品の中でもピカいち。音が聞こえてくるはずのない「漫画」という読み物の中で、音楽が見えてくるような、そんな気がする漫画です(って、森川ジョージ先生が2巻の帯文で書かれているコメントみたいになってしまいました)」

    「とてつもなくキラキラしていて今の自分にはまぶしすぎる。あぁぁあの頃に戻りたい・・・今後の展開がとても気になる。期待度でいえば間違いなく№1!」

    「まだ、賞を取るのは早いかもしれない。でも、連載読んだときからこの作品を愛してしまったので。なんど、心打たれ、涙し、素敵だと思えたことか。全ての人に読んで欲しい作品。」

    「ここ何年か流行りの音楽モノで王道だが、なぜか気にいったので一票。」

    「漫画として、面白いです。」

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