選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2017一次選考作品

『みちのくにみちつくる』しまたけひと


みちのくに みちつくる 後編

「5年前に、日本列島にそして日本人の心に深い傷を刻んだ東日本大震災。圧倒的な自然の猛威に私たちは立ち竦むしかなく、いまも立ち竦んだままのように思える。創作者として、このフィクションを遥かに超えた現実(リアル)にどう立ち向かうか、多くの描き手は自ずと問うたはずだ。本作は「みちのく潮風トレイル」という震災後に新たに作られた約700kmに及ぶ復興路を、作者が自らの足で歩いた体験を元に、今の東北で懸命に生きる人たちの物語を描いている。作中に描かれた往時の人々の嗚咽や絶望の叫びは、やはりその現地に寄り添った体験からしか伝えられなかっただろう。
本作がいまひとつ世に知られていないのが残念でならない。私はこの本を読み返す度に涙を流さずにいられないのだ。」