選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2017一次選考作品

『吉野朔実は本が大好き』吉野朔実


吉野朔実は本が大好き (吉野朔実劇場 ALL IN ONE)

「訃報を聞いたときのショックがいまだに尾を引いています。新作が出るのをいつもひそかに待ちわびていた作家さんでした。まだまだこれからもずっと、その楽しみが続くつもりでいました。まさかこんなふうにある日突然、その幸せが断ち切られてしまうなんて思ってもみなかった。悲しい。ただただ悲しいです。さみしいです。この本には、吉野さんの本に対する愛情がいっぱい詰まっています。日々の暮らしを愛し、飼い犬を愛し、何より本を愛してた吉野さん。いつ読んでも色褪せない、素晴らしい漫画をいっぱい描いてくださって、本当にありがとうございました。」

「『昭和元禄落語心中』『げんしけん』『花沢町公民館便り』『ドロップフレーム』など、昨年は完結した作品のインパクトが例年よりもあった気がします。「ああ、終わっちゃったんだなあ」って何度かじーんとしてしまいました。しかも、吉野先生の場合は、物語が完結したというよりも著者が亡くなってしまったので、もう新作が読めなくなってしまいました。ほんとに残念ですが、『げんしけん』のような復活はないのです。この本は吉野先生が「本の雑誌」に連載していた読書マンガを1冊にまとめた作品集です。『バーナード嬢曰く。』のアニメ化で読書マンガの認知度が上がり、個人的には「神林は俺の娘!」ってくらいあのマンガも好きですが、吉野先生の読書に対する姿勢にも学ぶところがたくさんあります。また、自分自身もこんなふうにいきいきと読書を楽しんでいきたいなと思わせてくれるマンガでもあります。」