選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2017ノミネート作品

『アオアシ』小林有吾・上野直彦


アオアシ(7) (ビッグコミックス)

選考員コメント・1次選考

「地方の町で暮らす、サッカー好きの男子中学生があるとき、Jリーグのユースチーム監督に出会い、
その才能を見いだされて......という設定は、サッカー漫画の"あるある"。でも、そこからの展開が
すごかった。セレクションで一緒になったメンバーとのぶつかり合い、いがみ合い、分かり合ったり、分かり合えなかったり。サッカーだけあって、登場人物はものすごくたくさんいるのに、見事にキャラがかぶらず、どいつもこいつもチャーミング。敵役として描かれる人も、いちいち憎らしく、でも、単なる悪役におわらない余韻もある。サッカー漫画ってルールよくわかんないし、興味ないんだよねと言ってる友だちにもむしろ進めたい一冊です。」

「連載開始当初からキャラクターとストーリーをじっくり育て、最新の7巻で大きく展開。このマンガ自体に良質のサッカーの試合のような気持ちよさがある。ページやコマといった、ひとつひとつの局面にも魅力的な要素が満載。そうした細かいパスワークでつないで崩す。7巻ではストーリー上、大きなサイドチェンジを行った。実際のチーム運営でも重要とされる、コンセプトも「戦術眼」という視点が明確になってきた。各話、各場面のパスワークを楽しみながら、全体のダイナミックな展開にも歓声を上げたくなる。久しぶりに腰を据えて読みたいスポーツもの、満開前夜である。」

「サッカー漫画には珍しく、下部組織に関する漫画。実際にやっている人が読んでも楽しめます。徐々に成長していく姿をみていると、一緒に成長しているように感じ応援したくなります。おそらくサッカーを小さい時にやっていた人はわかる練習方法や、言われた事がでてきてあの当時を思い出すかもしれません。
新しいリアルサッカー漫画としておすすめです。」

「最近のサッカー漫画は面白いものが多いですが、
主人公個人に特にクローズアップした一冊。
真っ直ぐで実直、不器用な主人公の心の葛藤が見どころです。
戦術だったり基礎だったりを全く知らない主人公
周りは子供のころからユースなどで「サッカー」を徹底的に鍛え上げられた
選手ばかり、果たしてこの逆境を乗り越えられるのか!?
悩みながら成長して行く姿がとても良いです。」

「展開がアツい漫画は?と訊かれたら、今はこの漫画を紹介する。若い才能が開花していくストーリーは爽快。」

「サッカー漫画は多いですが、王道的な面白さのサッカー漫画です。主人公のサッカーに対する考え方が周りのチームメイトやコーチからの刺激により変わっていく様がやはり王道的ですが鉄板な面白さです。」

選考員コメント・2次選考

「才能と努力、絶望とほんの僅かな希望、気になる女の子の存在...。私がスポーツ少年マンガに求めるもの全てを備えた作品です!」

「一次にも投票させて頂いたのでここはしっかり推したいですね。 海辺の田舎の楽しいサッカーチームから、真のサッカープレイヤーとして成長して行くある意味王道のスポーツマンガです。 ですが魅力的で存在感あるキャラクターの確立・主人公に降りかかる読者の予想以上の困難。 主人公達は、どう葛藤し、どう成長して行くのかずっとワクワクドキドキする展開に目が離せません! 主人公の名前が「葦人」ですが、植物の「葦」のように真っ直ぐ大きく成長して行くという意味が込められていると勝手に思っていたりします。 どん底に落とされたり、ほんのり!?ラブコメもあったりと読み応え十分の一冊です!」

「一気に読みました、めっちゃ面白い。途中途中で泣いたりしながら読んだ。こういう作品を読むと、やっぱり漫画は面白いなあと純粋に思います。私はたいしてサッカーのことはわからないけれど、これだけは言える。これはいいサッカー漫画だ!!!」

「ぶっちぎりでした。キャラクター、絵の力、お話の面白さ。全てにおいて文句なく一位だ!と思いました。絵で、キャラクターの視線や表情で語らせて、アシト以外のキャラをモノローグで雄弁にさせない描き方も巧いと感じました。あと、ヒロインがしっかりかわいいのも魅力!」

「圧倒的な熱量とパズルのように組み合わさっていく試合の展開に心が躍ります!」

「必殺シュートがある派手なサッカー漫画ではありませんがチーム作りやポジションごとの大切な考え方、また若いながらもプロの世界でやっていく少年の成長が描かれ、ユースという今までのサッカー漫画では比較的描かれることの少なかった世界に引き込んでくれています。加えて個人的に作品には常々大切な事だと思っていますが、絵が綺麗で読みやすいという事が好印象です。続きが楽しみであっという間に読み終わる作品でした。良作だと思います。」

「サッカーに興味がない人でも、ぐいぐい引き込まれる丁寧さと面白さがあると思います!」

「毎回マンガ大賞のノミネート発表後、未読だった作品を読むのが楽しみなのですが、今回はそれがこの「アオアシ」で、さらに多めの既刊を一気に読む、あの最高に贅沢な一晩をもたらしてくれました。むろん翌日、周囲の友人に勧めまくったのは言うまでもありません。」

「ますます面白くなっている漫画。アシトの成長と恋?になるかわからない女の子との微妙な関係。ユースのセレクション後に紆余曲折ありすぎてそれに1つ1つ対応し、成長している主人公。簡単に書いてますが本当に色々あるんです。成長するために、これからもっと大変な事があるのはわかっているので、変わらず応援していきたいです。サッカーをすごく丁寧に描いてくれていて読み応え十分。もっと売れていい作品。」

「細かいことはわかんないけど、面白い!サッカーに余り詳しくないので、普段は自分から手に取らないところを、ノミネートをキッカケに読みました。すごい熱量を持っていて、グイグイ引っ張られる感覚。共感させる力というのをすごく感じて、読めてよかったなと思ったと同時に、スポーツ漫画を敬遠しがちな人にこそ勧めたいと思います。」

「飽きさせない展開、決して順風満帆でない物語がたまらなく面白い、そして熱いです!登場人物それぞれの個性もあって、群像劇としても見ごたえが出てきました。そしてヒロインが可愛い。正統派に可愛い。(重要)王道という言葉はこういうマンガにこそ使いたいです。」

「プロのスポーツ選手とは何かどんな人かプロになりうるのかその一瞬一瞬にかける熱い想いが過去にギッシリ詰まっています」

「スポーツ漫画は限られた世界ゆえにどうしても切り口が似て来たりするものですが、まだまだサッカー漫画に残る新しい世界を見せてくれた作品。Jリーグユースチーム、素質は一流でも戦術を知らない主人公。上京の場面で泣いてしまうほど成長物語としての魅力がありながらも、ボールタッチとは、ラインで動くとは、など実は初心者にサッカー観戦のポイントを教えてくれる、秀作です!」

「読んでいてとても気持ちがいい漫画だなという印象。天才肌ではないがまだ見ぬ才能を秘めた少年が葛藤とともに進んで行く姿が非常に応援したくなる。王道な展開だからこそやっぱり面白いなと感じさせてくれました。サッカーに誠実な姿もまたいい感じですね。このまま世界の舞台に羽ばたいていくのかなと、期待させてくれる、そんな少年の姿が楽しみですね。」

「「人に薦めたい」というコンセプトに戻った時、この作品がたぶん初めて読んだら一番先が読みたくなるかなと感じた。サッカーを知っていたら、好きだったら、もっと面白く読めるのだろうというところは(個人的に)残念だけれど、何も知らない身からしても十分、作品からの熱を感じることができた。ちょっと古風なところもあるけれど、でもこの情熱と王道の面白さはきっと揺らがない。先が楽しみな作品です。」

「クセ球揃いの候補作の中で、唯一オーソドックスな熱血少年マンガ。しかしそれゆえに「ホッ」としてしまったのは私だけか。サッカーに全く興味がないため、詳しい人から見てどうなのかわかりませんが、少なくとも近代サッカーが「根性」でなく「頭脳」で成り立っていることが素人によくわかった。展開は王道すぎるきらいはあるが、それでも何度も感動してしまうのは、隅々まで力の入った作画と、キャラ造形の巧さゆえ。やっぱりこういうのが好き。7巻からまた盛り上がってきたのでしばらく目が離せません。」

「マンガ自体に良質のサッカーの試合のような気持ちよさがある。ページやコマといった、各局面でも細かいパスワークでつないで崩す気持ち良さがある。ストーリー上、大きなサイドチェンジを行った7巻まででキャラクターも育ってきた。実際のチーム運営でも重要とされるコンセプトも「戦術眼」という視点が明確になった。各話、各場面のパスワークを楽しみながら、全体のダイナミックな展開に思わず歓声を上げたくなる。誤解を恐れずに言えば、現代のスポーツマンガにおける『SLAM DUNK』に化ける可能性すらあると思う。」

「サッカー少年の成長物語です。スポーツマンガは技術の差を、努力と根性で埋めるイメージが強かったのですが、このマンガでは考えることや、コミュニケーションにもスポットが当たっています。未熟な主人公は、技術はもちろん、考えや、コミュニケーションのレベルの違いに、直面します。考えや、コミュニケーションのレベルの差って、技術の差を見せつけられるよりもずっと厳しい気がしませんか?愚直に努力すれば追いつけるというものではなく、考えて正しく努力しなくてはならないのですから。そんな厳しい状況にも負けずに、たくましく成長してゆく主人公の姿に胸が熱くなります。心技体そろった新しい熱血サッカーマンガです。」

「久しぶりに、次の回が待ちきれないサッカー漫画に会いました。主人公のひたむきさ、不器用さもさることながら、主人公を取り巻く仲間たちの熱さもチャーミング。敵なのか味方なのか、イマイチつかめない監督たちや、わかりやすく「敵」なキャラクターのいやったらしさもいい。話が進んで、どんどんキャラクターが増えていくのに、ひとりひとりの濃度が薄まらない。フィールドの中も外も両方おもしろく、今後の展開が楽しみな作品です。」

「主人公が己の才に自覚がないまま、ひたすら愚直に努力を続け、それが一歩づつ実を結んでいく描写は読んでいて非常に爽快。絶対に折れないその姿勢からは力を与えてもらえる。」

「ノミネートで知って読んだのですが、こんなにおもしろい作品をノーチェックだったことを後悔しました。2016年末時点で7巻まで出てるなんて...。サッカー漫画はたくさんありますが、部活ものが多いなかでこちらはJユースもの。そのせいなのか、一巻から既にキャラクターたちの気迫が段違いで、徐々に盛り上がっていくのではなく、最初からフルパワーでぐいぐい引っ張られてしまいました。今期一番勢いを感じた作品です。」

「才能は幼少時から管理育成される時代に入ったサッカー界で、Jリーグのクラブユースの生存競争を描く。サッカー選手に必要不可欠な情熱とインテリジェンスを基礎から教えてくれるアツい作品です。」

「ノミネート作品ということで、サッカー漫画があまり得意でないが、とりあえず読み始めた。しかし、巻を追うごとに面白くなって、まさに『今読んでおく作品』だと感じた。天才が一人目立って勝ち続けるわけではなく、基礎や戦術を学んで強くなっていくのいいなと感じた。」

「ノミネートをきっかけに知った作品をつい入れたくなっちゃうのですが、それがこちらの作品。普段スポーツ漫画はほとんど読まないのですが、読めてよかった。主人公の真っ直ぐさに時々イライラするけど、それ以上にハッとさせられ心が洗われました」

「よく練られているなあと唸らされます。ストーリー展開もキャラの配置も、初めはベタだな~と思わせておいて、巧妙な戦略が潜ませてある。なおかつベタの部分(特訓してすぐ成果が出るとか)もちゃんと残してあって快感のツボをつく。主人公とヒロイン2人の距離感もバランスよく、押し引きが楽しい。うまいですね。」

「プロサッカーリーグの構造は知らなかったけど、それでもグイグイ引き込まれる。「プロの世界は厳しい」なんて安易な言葉、二度と言えなくなりました。」

「サッカー漫画って正直あまり読んだことが無かったのですが、作品の熱さに思わず一気読みしてしまいました。」

「もともとスポーツマンガは読まない上にサッカーのことが全く分からないのですが、それでも1秒も飽きることなく読める、しかも泣いちゃったりもする。とてもリーダブルで、エンタメ感のある作品でした。あと、スポーツ=男の世界、というありがちな世界観ではなく、女の子たちがちゃんと存在しているのがすごくよかったです。」