選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2017一次選考作品

『薔薇監獄の獣たち』蒼木スピカ


薔薇監獄の獣たち(2)(プリンセス・コミックス)

「ひょんなことからナゾの監獄島にとらわれた主人公・ニナ。実はその監獄島は、美しい人狼(ルーガ)達が暮らす学園でもあった!ある人狼(イケメン)はニナを守ろうとし、またとある人狼(イケメン)はニナを群れに誘い、またある人狼(イケメン)はニナを舐めたり噛んだり――と、これだけ見ると乙女ゲームかな?みたいに思われるかもなのですが、超絶美麗で可憐な表紙の印象とも違い、このマンガ、とても骨太で読み応えのある物語を見せてくれます。力や暗躍がモノをいう監獄にはびこる理不尽に、ニナちゃんがタンカを切る。NOを叩き付ける。弱い者は助け、威張り散らす不届き者には挑んでいく。外の世界でもその強すぎる正義感で自分の居場所を狭めて行ったニナちゃんが、誰も味方のいない監獄島でもそれでも自分の正義のために行動していく、その姿にとても気高いものを感じます。また、監獄島に住まう人狼たちも、ニナちゃんの登場によって少しずつ世界が変わっていき、理不尽でゆがんだ監獄学園がどうなっていくのか?そんなところもスリリングでとても目を惹かれるのです。そんな感じで結構ハードでシリアスな世界観なのですが、美しいだけでなく、画的にもキャラクター的にも個性が際立ちまくった人狼たちのたまにコメディタッチなやりとりによって良い感じに中和されていてとても読みやすいのです。あとニナちゃんの顔芸。少女誌ではありますが、画的にも物語的にもしっかりとかきこまれた読み応えのある逸品です。強くて可愛い女の子の好きな男性諸氏に熱烈オススメです。」