選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2016一次選考作品

『女子攻兵』松本 次郎


女子攻兵(7) (BUNCH COMICS)

「この賞にはまったく不似合いで、最終候補に残る可能性も低いと思いますが、7巻で完結してしまったのでやっぱり出します。自分にウソはつけない!
 次元世紀2011年。異次元に移住した人々が、地球からの独立を求めて異次元独立開放戦線(EZO)を結成、地球統治連合軍と泥沼戦争に突入。地球側は次元兵器「女子攻兵」を開発、戦線に大量投入するが、この「JK型」巨大ロボット兵器は、長く搭乗するとパイロットに深刻な精神汚染を引き起こし、暴走する致命的欠陥があった。タキガワ中尉はそんな暴走女子攻兵を狩る部隊を率いていたが、タキガワ自身にも「ツキコ」と名乗る存在から、ありえない絵文字だらけのケータイメールが届き始める......。
 とまあ、まさにアレな出オチ設定ですが、さすがは松本次郎、巻を重ねるごとにハードな「現実崩壊SF」となって、最後までまったく緊張が途切れない。女子攻兵のパイロットはタキガワを含めてみな中年のオッサンなのに、精神汚染が始まると内面までJKそのものになり、〈このままみんなで女子攻兵でいられたらステキですよね センパイ♡〉なんてセリフを吐き始める。凄惨な戦場が一瞬にして女子トークの花園になる、この辺のシュールさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
 もしあなたが『未来世紀ブラジル』とか『ブレードランナー』とか押井守が好きなら、迷わず手に取るべきです。」