選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2016一次選考作品

『トクサツガガガ』丹羽庭


トクサツガガガ 5 (ビッグコミックス)

「この作品の主人公・仲村さんは、小さいころから特撮ヒーローにどっぷり浸かってヒーローがどんな闘いを乗り越えてきたか、どんなメッセージを残してくれたか、心の芯のところに深く刻み込んできた【特オタ】です。彼女は、日々、身の回りで起こる大小さまざまな問題に対して、ヒーロー―― 時には、それのみならず、特撮作品の作り手、売り手も――達の考え、機転から得たものを駆使して向き合い、取り組んでいきます。こどもの頃、誰もが観て、聴いてきたはずの特撮ヒーローの教えを、何故彼女はここまで、自分の生活に活かしていけるのか。それは、きっと彼女がとても真摯に作品の魅力を見つめていたからでしょう。脚本が誰だとか、造形がどうだとか、オモチャの販売戦略がどうだとか、そういうオタク然とした部分も、トーゼン仲村さんはカバーしています。憂いています。が、それ以上に、特撮作品の中核であるところの「ヒーローは、この先大人になる子供たちにとっての憧れである」という所を誤解なく理解しています。大事なものであると誤解なく理解したからこそ、大人になった今もヒーローたちの言動に倣った行動が出来るのだと思います。最近ではいわゆるオタクの裾野も広がって、アニメや漫画、特撮作品もかなり雑に消費されてしまうことも多いように感じます。(「タイムリープもの」「異能力バトルもの」とか大雑把なラベリングをして観た気になっちゃう人も多いっぽいですし。何とは言わないけど......)そんな中、オタクが作品と向き合うとはどういうことか、というのを極めて端的に、極めて本質的に示してくれるのが、この作品です。基本的にコメディ調ですが、オタクとしてのありようを真っ直ぐ貫く仲村さんが非常にカッコ良く、熱血を通り越して、時に涙すら誘います。コレで泣ける人は、きっと仲村さんに近いタイプのオタクです!オタクであることに誇りを持っている人ほど読んでいただきたい作品!!」

「こんなに特撮ファンの心を代弁してくれる漫画は初めてでした。「ホントそうっっ!!!」と言って隣にいる友人の肩をひたすらパンチです。」