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マンガ大賞2016一次選考作品

『デストロ246』高橋慶太郎


デストロ246 6 (サンデーGXコミックス)

「巻が重なり、少女たちによる殺し合いの日々はさらに激しさを増して、前作の「ヨルムンガンド」シリーズとはまた違った、普通ではない人々が生きる世界の苛烈さといったものを強く浮かび上がらせる。殺し屋として育てられた少女2人を南米で買い取ったと同時に、前の飼い主を殺害させ、そして日本に連れてきて、自分の妻を殺した勢力を徹底的に追い詰めようとする実業家が、反撃を食らって命を失ってもなお、南米から来た2人の少女の殺し屋たちは留まらず、命令を絶対のものとして主人の仇となる勢力を脅かし続ける。一方で横浜を拠点に暴力組織を仕切っている少女は、刃物を巧みに使う少女や圧倒的なパワーで男の背骨すらへし折る少女を従え、自らも毒を操りシマを荒しに来る連中を始末し続ける。現実にそんなことがあり得るのか。美少女たちがケーキでも切るように人肉を刻みペッツでも頬張るように銃弾を放って人肉を穿つ。あり得ない。けれどもあって不思議がないくらい、少女たちの存在感は強く意思も固くてひょっとしたらあり得るのかもしれないと思わせる。南米から来た少女たちに仕込まれた何かが解かれた果てにどんな状況が訪れるのか。殺し屋として仕込まれ政府の下で働く殺し屋の少女が記憶の呪縛を打ち破って自由を得る時は来るのか。CIAから送り込まれた圧倒的な戦闘力を持った殺し屋に、横浜の暴力組織のトップを仕込んだほどの最高ランクの女殺し屋といった大戦力も加わって、くんずほぐれつの状況となった東京に、あるいは横浜にいったいどんなど派手な殺戮が繰り広げられるのか。そして最後に立っているのは誰なのか。読み始めたらそんな興味に心を奪われ、ラストシーンが描かれる時を待つしかなくなるはずだ。」