選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2015一次選考作品

『レビウス』中田春彌


「独特なコマ割りや描写が、クール(?)です。物語に一区切りで、今後への期待もありつつ、ここまでの加速感も心地よかった」

「キャラの造形は、エンキ・ビラルのよう。アメコミ風というよりは、一見バンド・デ・シネと見まごうハイカラマンガ。左綴じだし!而してその実態は、蒸気機関サイボーグによるガチンコ殴り合いバトルなのであった!!ゴリゴリのスチームパンクな設定と、リアル路線の絵柄がやや人を選ぶ分か、ストーリーは明快。戦争で右腕と家族を失った少年が、腕を機械化して、蒸気機関サイボーグによる殺し合い「機関拳闘」の世界でのし上がっていくというもの。その過程で、非人道的な手段で機械化兵を増やして世界各地に戦争を仕掛けている極悪国家「アメジスト」との対決があったり、「アメジスト」によって殺戮マシーンに改造されてしまった悲劇のヒロイン「A.J.」との死闘があったりと、クールな絵柄とは対照的に、手に汗握るアツい物語が展開する。IKKIでの連載は終了、今年からウルトラジャンプに移籍して連載再開とのことだが、IKKI連載分のいわば第一部のラストで、機関拳闘トップランカーがついにその姿を現した。今までのバトルは、基本は「拳闘」だけあって殴り合いがメインの肉弾戦。たまに敵がガトリン具眼を引っ張ってくるくらいだったのだが、このトップランカー、「冥王」の異名を持つクリストファー=テッド=エルフィンストン、背中から機械仕掛けの骸骨のような異形の兵器を出現させて、「11秒間で2000Km離れた8か所を同時攻撃して敵の軍隊を全滅させる」というZ戦士も裸足で逃げ出すような化け物っぷりを披露する。
これがトップランカーである「グレード1」のうちの一人にすぎないというのだから、これから先も目が離せない!他にはどんな化け物が出てくるのか、どこまで行くんだ機関拳闘、という期待が否が応にも高まるのである。と、キャッチーな部分だけ挙げてみたが、和製BDとも言えるような、写実的で映画のような画面作りは一見の価値あり。」