選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2014一次選考作品

『魔女と猫の話』四宮 しの

  • 魔女と猫の話 (ねこぱんちコミックス)

  • 「魔女見習いの少女達がそれぞれのパートナーである猫と心を通わせて成長していく様が純粋に心を打ちます。読み終わったあとはとても温かい気持ちになること間違いなし、良い漫画に出会えたなぁと感じます。」

    「これはもう、表紙からして可愛い!お話も可愛い!最後までときめきっぱなしでした。猫たちはちいさな魔女の成長を見守り、励まし、ひとりと一匹の絆がたしかに結ばれてゆく。そして彼女たちが成長していく過程がすごく良かったです。少女たちも猫たちも個性的で、次はどんなお話だろう?どんな猫が呼びだされるのだろう?と、読んでいるこちらもドキドキしてしまいました。一話一話をかみしめて大事に読みたくなる一冊。心に一生残る漫画って、こういうあたたかい作品だと思います。」

    「その世界では、魔法学校に通う少女は13歳になると魔法陣を使って猫を呼びだし、永遠のパートナーにする。でも13歳なんてまだまだ子供。自分に不安もあれば世界に憧れもあって、猫を呼びだしても良いのかと悩み、呼びだした猫が自分の好みではないと迷う。街で慕われている魔法使いのおばあさんとパートナーの黒猫との関係に憧れ、自分もそうなりたいと思った少女が呼びだしたのは、格好良くないいつもダルそうにしている猫。自分に自信を持てずうつむき気味に歩いている少女が呼びだした猫は、そんな少女をいたわらず逆に罵倒して鍛え直そうとする猫。嬉しくない。楽しくない。けれども、そんな猫たちとのつき合いの中で少女たちは知り、読者は知る。自分に欠けているものを猫たちは見せてくれているのだということに。思春期ならではの揺れ動く心をさらけ出し、そして成長していくための道筋を、猫たちが作っているのだということを。猫との絆を描く漫画であると同時に、少女たちの今とこれからを描いた漫画。猫を呼び出せない現実の世界で生きる少女たちは、そこから知ろう、自分にはどんな猫が現れてくれるのかと、そんな猫が自分の欠けている何を埋めなくてはいけないのだと、教えてくれているのかを。」

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