選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2012一次選考作品

『水域』漆原友紀


「漆原さんの書く日本の田舎の情景がたまらなく好きです。田舎の情景というと穏やかな人々と、自然とのふれあいといった明るくのどかなイメージをもたれると思うのですが、実際住んでみるとちょっと違うのです。どこか閉じたところがあり、まわりを取り巻く自然環境にも、そこに住まう人にも、都市よりも濃い闇が感じられ、独特の湿っぽさがあります。漆原さんはその辺を描くのがとっても上手いと思います。田舎に住んでいたことがあるなしにかかわらず、日本人の心の奥底の共通するなにかに働きかけてくるようなマンガだと思います。なので、文章表現が稚拙な私にはどこが面白いかをあらわすのは難しく、なんかしっくりくるって感じのマンガなのです。白いご飯に味噌汁を食べた時の、あー。これこれ。日本人はこれだよなーいいよなーって感じのしっくり具合なのです。日本の心を感じたい方にお勧めのマンガです。」

「「少年・少女」「夏休み」「成長物語」というキーワードが好き。「水域」は、「夏休み」という限られた時間の中で成長していく少女の姿がとてもきれいに描かれている作品。漆原さんが描く「自然」の世界は美しく、どんどんひきこまれてまるで自分がその中にいるような錯覚に陥る。もっともっとたくさんの人に読んでほしい。」