選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2012一次選考作品

『ミュジコフィリア』さそうあきら

  • 「この作者がついに「現代音楽」をテーマにして、面白くないわけがない。野心的な音楽マンガで、人間ドラマにも味がある。さすがさそうあきら。」

    「京都の芸術大学を舞台に、若き音楽の天才たち(でもたいがいはゆるい。でも見せどころは緊張感ピリリ)の世界を独特の筆致でつづる。ピアニストを描いた「神童」、オーケストラの「マエストロ」に続き、今度は現代音楽。あるいは身体で受け止め感じる「音」そのものの力がテーマ。完全に無音のはずの画面から、実際にスゴい力のある音を浴びた時に特有の背中がぶるっと震えるようなあの感覚を感じることができるのが読みどころ。狙って探求しているわけでもないのだろうけれど、さそう先生は「音」をマンガでどう表現するかという果てしない実験の旅をずっと続けておられるように思い、その成果の着実な深まりをいち読者として味わうのも無上の楽しみです。」

    「いつもながら音という直接絵にできない要素の演出と、人の持つ才能の描き方にため息が出ます。 大学生ならではの仲間がいる心強さを登場人物と一緒に感じながら、ゆっくり流れる鴨川沿いを歩くように、その行く末を見守っていきたい作品です。」

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