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マンガ大賞

『3月のライオン』羽海野チカ


3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)

「ドラマ云々ではなく、心理描写に惹かれてしまう。やはりうまい!作者自身が戦っているからこそ描けるも の。」

「去年の「3月のライオン」は、読者の胃をもキリキリ痛ませるぐらいの宗谷名人と島田八段獅子王戦の最終 局の激闘を描き切った後に、ハートフルな上にもハートフルな島田八段の帰郷エピソードをもって来るなど、 緩急自在。それぞれのキャラクターの描写も進み、充実の一年だったのではないかと。」

「かわいい女の子やカッコいい青年を描かせたらあんなにウマイのに、この上さらに、オッサンやジイサンま でこんなにうまいとは!作者のチャレンジ精神と向上心とその力量に脱帽します。棋士たちの熱いドラマに 加え、ひなの受難に零の決意。目が離せない展開です。」

「どこまで切なくさせてくれるんだ!腹立たしいほどに引き込まれる!」

「人の痛みや癒しに心がぎゅうってなる。目が離せなくなる物語。」

「登場人物全員が魅力的かつ切ない。ポエムを読んでる時のようにジーンとくる漫画です。 」

「改めて推す必要はないかもしれない。だけどまだ届いてない人がいるならば、知らない人がいるならば。ど うか手に取ってほしい。強く、優しく、けれど時に脆く。しかし確かにここには「人」が、生きている。頁 をめくるたび、彼ら/彼女らの物語に触れられる嬉しさを、なんと言えば良いだろう!...巻を経るにつれ、 将棋分より人間関係に重きが置かれてきたような気もしますが、そこはそれ。たぶんまだまだ続く物語、だ から今こそ、読んでほしい!」

「いつ来るか・・いつ来るのかと思いながら読み勧めていましたがついに2010年発売単行本で回ってきま した。ハチクロの時も感じていた羽海野チカの ̈ 毒 ̈ が...。キャラクターの可愛らしさやギャグの面白さ、 時々おとづれる甘酸っぱい恋愛模様。こういったものにコーティングされているけども、私はいつも羽海野 チカさんの作品から「何か一つのことを成し遂げるために、それよりもたくさんのものを犠牲にしなければ いけないということの覚悟と葛藤」を感じるのです。それはプロになりたいという気持ちでも恋愛でもおな じなのではないのかと。読んでいて、泣きそうな位つらくなることもある。だが、そこがいい!!彼女たち との交流を深めていくうち、零は失っていたものを少しずつ取り戻していく...。と wiki には書いてあるけ ども、これからまた色々なものを失っていくんじゃなかろうか。林田先生と同じ立場なら「お前は、自分に は将棋しかないと思っているかもしれないが、もっと可能性が広がっていると先生は思う。友達だって出来 たじゃないか。先輩の棋士を見てみろ。今のお前が今以上に楽になることは決してないぞ。まだ若いから引 き返すならいまだ。それでもこの道にすすむのかい?」と聞かずにはいられない。これから単行本がでるた
びに「読むんじゃなかった...。」と思いながら買っていくんだろうな。 鳥取県 米子高校 美術部&マンガ研究部顧問/佐川 由加理プロ棋士高校生が、丁寧な生活と棋士の戦いを通じて周囲との関係を築いていこうとする誠実な物語。大変 な取材量がつめこまれていて、何を語りたいか、という本気が熱い台詞にありありと感じられるのに、人に 語りかけてくるような親しみがどこまでもある暖かいマンガ。リアルタイムに結末がどうなるか知らないま ま読めていて、本当に幸せです。」

「3巻!とにかく、(精神的に)疾風怒濤の展開です。しかも、わ~、片膝ついてのプロポーズ(?)、久々に 観 た 気 が し ま す。い ま ど き、少 女 ま ん が で も 拝 め ま せ ん。久 々 に 口 か ら 砂 を 吐 き ま し た。 ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。(最大級の褒め言葉です)身を削るような辛い勝負の 合間、合間、ところどころに差し挟まれるフード描写もあいかわらずの冴えを魅せていて、辛い、甘い、辛 いを交互に食べるがごとき快感で、これはもう読むことが、永遠に止まりません。絵がいいんですよね、こ れがまた。」

「かわいい女の子やカッコいい青年を描かせたらあんなにウマイのに、この上さらに、オッサンやジイサンま でこんなにうまいとは!作中の棋士たちとも重なり合う作者のチャレンジ精神と向上心とその力量に、脱帽 です。棋士たちの熱いドラマに加え、ひなの受難に零の決意。今後の展開も目が離せません。」

「自分の道を究めながら、心を溶かしていく様子に感動します。」

「一生の付き合いになる作品であると思う。」

「ノミネート作品の中ではボリューム感が上位だったのと、作画・作劇のクオリティの高さを評価しました。」

「このテーマで、それ自身に興味がない人をも読ませるストーリーはすごい。」

「17 歳でプロ棋士となった少年の物語。といっても将棋の話が分からなくても大丈夫。どちらかというと「、才 能」と「家族」の相反する悲しみと再生の物語、といったほうが良いかもしれません。少年がこれからどの ように周囲の大人と係わり合いを持ち、助け、助けられて成長していくのか。そして周りの人々も何を取り 戻していくのか。本当に将来(?)を早くみたいと思わせる作品です。」

「ベストセラー作家だけに今更感もあるが、円熟に達した作劇はやはり評価されるべき。古風な題材に新たな アプローチを試みた点も好印象。」

「フィルムの1コマ1コマはイラストのように見えても、繋げれば大きなストーリーになる。同様にこの作品 も、1話1話はエピソードの断片でも、それを繋ぎ合わせることで一つの世界が見えてくる。これは「主人 公とそれを取り巻く人々の話」ではない。主人公の人生を軸にして、それぞれの人生を垣間見ているのだ。」

「世界中のマンガ好きに自信を持ってオススメしたい !! 物語の根っこにある深く暗い部分と所々に入れ込まず にはいられないギャグとハーモニー加減が絶妙です。」

「他人に寄り添われて人になる。これまで我が我がだった零くんがひなちゃんの心を救おうとするこれからが 凄く楽しみ。投げやりだった棋譜がどう変わっていくのかとか。あんまり指してないけど(笑)」

「一昨年の、まだ先の見えない状況でも、過去に数多ある天才棋士の物語とは一線を画し、キュートなキャラ の奧に、棋士の孤独をのぞかせた作品として、この「3月のライオン」に強く惹かれた。そして今、その孤 独さがなおいっそう浮かび上がった状況が示されながらも、そこから抜け出す道を、片寄せ合って生きる三 姉妹、あるいは強引なライバルを絡ませ、示す展開に、この孤独が蔓延する世界で、生きていく希望を与え られる。三姉妹とて完璧に幸福ではなく、ライバルも体に不安をかかえ生きている。そんな欠けたところを 持った人々が、つながりあい、補い合って生きている素晴らしさを、今一度噛みしめたいし、これからも心 に刻んで行けたらと願う。」

「ようやくすこしずつ物語が見えてきたこの1年。登場人物は、それぞれにそれぞれの事情を抱えていること の輪郭が浮かび上がってきた。「ハチクロ」といい「3月のライオン」といい、羽海野チカが常に問いかける「生 きていることの意味」。ますますこの先が楽しみな作品。」

「どれが大賞をとってもおかしくないと思えた13作品でしたが、いちばん、年齢性別を問わずにオススメし たいのがこの作品だと思いました。『ハチクロの羽海野さん』が『青年誌』で『将棋漫画』を描くと初めて 耳にしたときの想像をはるかに超える衝撃に、ずっと襲われ続けています。登場人物の感情の密度が濃くて、 この人たちは、この物語は、現実のものとなって目の前に現れてくるんじゃないかという錯覚を起こしそう になります。あかりさんにおいしいごはんをあたえてもらって、ふくふくになりたいです…!」

「今更の有名作品かよ!という声が聞こえてくるような気がしますが、ではそうおっしゃっている方は、この 漫画を読んでおられるのでしょうか...?なぜ今『3月の~』を押すか。5巻まで来てようやくこの物語の語 りたいことの輪郭が見え始めたからです。もしかしたら、こちらの勘違いかもしれませんが。今、『3月の ライオン』を読み始めれば、間違いなく魂のどこかが何かに、反応するはずです。だから、私は今、この作 品をお勧めします。読むなら今です。奥深い勝負の世界に、一緒に参りましょう。」

「勝敗にこだわりつくせばバランスが悪くなる、大人としての、人間としての、あるいは男としての。普通の 平和な世の中においては特に。そしてバランスが悪くなればなるほど、引きずり込まれそうなあぶない魅力 が生じる。そうならざるを得ない運命を、狂気のようにどす黒いタチを抱えた棋士たちが織りなす世界、あ えて言ってしまえば「傾奇者(かぶきもの)」の世界を描くという点では、この「3月のライオン」はかな り重苦しい作品になる宿命を帯びている。実際、対局場面は息苦しいくらいの緊迫感がある。でも羽海野チ カが描きたかったのはそんな重さだけではないはず。プロフェッショナルという言葉で語るには語感に少し 違和感を感じるような、バランスを欠いて不安定な邪悪な魂を内に抱えた人間(言い過ぎか)。そんな棋士 だけが持つ磁力に、読者はどんどんはまっていく。それは案外「萌え」に通じる心理なのかもしれない。棋 士萌え。和服だったりするし。そんな軽みが程よくブレンドされた作者独特のラブリーな世界観が提示され る。ほっこり下町描写もあいかわらず冴えわたります。ともあれ普通の社会人から見れば十分にアウトサイ ダー的な棋士の世界、そこに巣くう何者かに取り憑かれたような男たちの世界を、ある種のあこがれを隠し た視線で描けるのは、語弊もあるのだろうけれどひとえに作者が女性、つまり完全に外野だからだ。男には 描けない男の世界。作中に登場する女性たちが1人を除き(いや除かないか)どこまでも優しく円く、温か いのは、何も青年誌連載だからということばかりではなく、そうしないと男が本編の幕切れまでもたない、 という事情もあるからだ。主人公の桐山零だけでなく、作中登場する、男相手の勝負事に文字通り命を張る すべての男たちが。なんて劇的。マンガにするのにこれほど適した世界があったなんて。」

「とにかく、(精神的に)疾風怒濤の展開です。しかも、わ~、片膝ついてのプロポーズ(?)、久々に観た気 が し ま す。い ま ど き、少 女 ま ん が で も 拝 め ま せ ん。久 々 に 口 か ら 砂 を 吐 き ま し た。 ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。(最大級の褒め言葉です)身を削るような辛い勝負の 合間、合間、ところどころに差し挟まれるフード描写もあいかわらずの冴えを魅せていて、辛い、甘い、辛 いを交互に食べるがごとき快感で、これはもう読むことが、永遠に止まりません。絵がいいんですよね、こ れがまた。」

「切なくなったり、苦しくなったり、ほんのり幸せになったり...。読んでると心がぎゅっとつかまれてるよう な感覚になって、時々つらくなってしまうことも...。でも、零の成長していく姿、とりまく人たちそれぞれ の思いを目をそらさずに見ていきたい。そんな作品です。」

「最初の 1,2 巻あたりは、青春お悩みマンガかと思っていたんだけど、これはおっさんが滅法カッコいいマ ンガだ。特に 4 巻の島田さんのかっこよさは異常で、彼が故郷を思い出す回想のところで、李白の「静夜思」 という漢詩に出てくる「頭を挙げて山月を望み/頭を低れて故郷を思う」という句が頭の中から離れなかっ た。」

「家族からの愛で育てられなかった(わけではないのか??)少年が温かい家庭と、友人や師匠と触れ合って いくうちに硬かった心がどんどんとけていくそんな状況を淡々と黙々と読み進めていくのが面白い。1 人 1 人が丁寧に描かれてて将棋の名人の人生に関してもすごく丁寧に描かれていて大切に読み進めていきたい作 品です。」

「綿密な取材に裏付けられた将棋の世界の非情な残酷さと下町の人情と光景の舞台装置の上であいからわず登 場してくる奴らが結局全部優しくてイイヤツで悲しくて、なんというかそんな羽海野チカ作品が大好きです。」

「胸に突き刺さるマンガ。 巻を重ねるごとにとてもとても大事に丁寧にかかれているなぁと思う作品です。 零君のいっぱいいっぱいの気持ちがマンガを飛び出て自分の中に入ってくる感じで読んでいます。」

「ニャンコがかわいいこんな、推薦文は、起こられますね、愛らしさと、まるで、サナギから羽化する、過程かの、 がとくと、いっては、大げさですが、そこに、人の、悩み、闇、を、超えようと、する、さまの表現は、素晴らしいと、 思います」

「登場人物の一人一人が発する一言一言のセリフに、真剣勝負の重みがズシリときます。しかし、そればかり ではなく、平凡な日常に救われるような温かさがありました。温かくて熱い一話一話を読むほどに引き込ま れてしまいます。」

「このマンガは読者の心の深い場所で会話している。」

「堂島孝平、というシンガーのうたに、「ショートカッター」といううたがあります。「一日で世界が変わるこ ともあるのだから」という言葉を、ほんとうだ、とひとに思わせることがでできることには、どれほどの価 値があるのでしょうか。4巻の島田八段の姿に、自分がばらばらになったときに、拾い集める方法があるの だと、そして拾い集めるときに、まわりのひとはきっとどこまでもやさしいと、知ること。5巻のヒナちゃ んと零くんの姿に、まったく違う方向から、嵐のように救われる日が来ると信じられること。隅田川は、ひ とりはひとりでひとりじゃない、とおしえてくれるのです。」

「じわじわテンションが上がっています。」

「「まだこの物語と出会っていないあなたに、今、読んでほしい」。今年一番、そう強く思ったのは、この作品 でした。立ち向かうこと。誰かを大切に思い、その思った気持ちを揺らがせないこと。誰かと共に時間を過 ごし、それをいとしく思うこと。そういう、なんでもないかもしれないけれど、でもとても得難い感情が、 ここにはちゃんと描かれています。だから、届いてほしい。この気持ちを、感情を、既に知っている人にも これから知る人にも、読んでほしい。それは絶対に、これからを生きるあなたの「力」になるから。読んで良かっ た。いま、ここに生きて、この作品を読める身で良かったと、思います。ありがとう。」

「4巻での、島田の姿が非常に印象的でした。そこから、なぜか5巻の内容も濃く感じられます。4巻での島 田の背景を知る事によって、感情移入の入り方が全然違ってきました。人間味や、キャラクターへの味方も ぐっと変化のあった感じがしてとても、面白かったです。そして、心に突き刺さりました。」

「キャラクター全員が主役なんですよね。読んでいて世界にどっぷり浸れます。しかし5巻でのヒキはずるい。」