選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2018一次選考作品

『舟を編む』三浦しをん・雲田はるこ


舟を編む 下巻 (KCx)

「大好きな小説がマンガになってよかった!!と心の底から思った。こんなに思ったのははじめてです。」

「辞書作りの苦難を描いた三浦しをんの人気小説を、「昭和元禄落語心中」の雲田はるこが渾身のコミカライズ。上下2巻で美しく完結しました。コミカライズ、ノベライズがますます盛んな昨今ですが、その中でも最良な形で実現したプロジェクトの1つではないでしょうか? 小説に寄り添いながら、コマの端々にマンガならではの創意工夫に溢れていて、最後は号泣です。もともと三浦しをんの希望で、雑誌連載時の挿絵を雲田はるこが担当し、単行本にまとまったときも広幅の帯に描き下ろしのカラー絵を添え、そのビジュアルは映画化にも影響を与え、アニメ化に際してはキャラデザを担当し、背景も雲田の挿絵の設定に沿ってデザインされた......という経緯自体が、とても希有だ。結果としてジャンルを跨いだ大プロジェクトになったわけですが、すごくパーソナルな匂いが濃厚で、それが魅力です。このような数年に渡る経緯にマンガの持つ推進力を強く感じました。」

「三浦しをんさんの大人気原作小説の挿絵を担当されていた雲田はるこさんによるコミカライズ!これを待ってました!原作の雰囲気やキャラクターを三浦しをんさんと同じくらい深く理解なさって、それを大事にしながらも雲田さんの漫画にしかできない表現もあり、原作ファンとしても雲田さんのファンとしても大満足でした。原作未読の方でも「言葉」を愛している人なら絶対に心に響くはず!ぜひ読んでいただきたいです!」

「マンガ大賞に挙げる作品は「まだ知られていないものを推したい」と思って出しているのですが、既に各種メディアで展開されている本作品を推したいと思ったのは、漫画としての底力を感じたからです。小説も映画も堪能した後でも、一作品の漫画として褪せることなく楽しめました。雲田はるこさんの絵がとても人懐っこく、色っぽく、一見頼りないような主人公や周りのキャラクター全員が、きちんと芯をもって生き生きと描かれています。上下巻でコンパクトにまとめられていますが、原作の素晴らしさを余すところなくぎゅっと詰め込まれています。ものをつくる、ということはとても地味で地道ではありますが、貫き通すこと、ひたむきであること、またその姿が美しく、いとおしく、魅力的である、ということに気づかされます。骨太の原作があって、既にたくさんの人が知っている作品ではありますが、一番煎じそのままの美味しさです。ぜひぜひ漫画で表現された「舟を編む」を嗜んでいただきたいです。」