選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2016一次選考作品

『あれよ星屑』山田 参助

  • あれよ星屑 4 (ビームコミックス)

  • 「古い良質な映画を見ている気持ちにさせられるのは、山田先生の巧みなセリフ回し、キャラクターたちの佇まいにあるのだと思います。セリフを読むだけで、昭和の名優たちの声が頭のなかで再生されるかのよう。あまり知られていない戦時・戦後の「性」の描かれ方はショッキングではありますが、この作品になくてはならない要素だと思います。」

    「戦後70年だった2015年。71年目になる2016年。変わらず平和への願いを。」

    「戦後の混乱期を描いた「焼け跡ブロマンス」だそうだが、このオビには語弊があると思う。Wikipediaによると「ブロマンス」とは「broもしくはbrother(兄弟)とromance(ロマンス)のかばん語」で「一般的なホモソーシャル行為と歴史的な恋愛的友情の2つに区別される」......ってそういう作品だろうか......。画風はさておき、描かれているのはさまざまな業を背負いながらもたくましく生きていく人間の姿。 言うなれば「焼け跡人間賛歌」。時代や立場によって感情や正義はうつろう。頼りないいまにどう立ち向かい、どう生きるべきか。このマンガは現代に暮らす読み手自身の生き様を問うている。」

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