選考作品へおすすめコメント

マンガ大賞2016一次選考作品

『ワンダーランド』石川優吾


ワンダーランド 1 (ビッグコミックス)

「ある朝、起きたら小さくなってしまっていた。手のひらがスマホの画面のアイコンくらいの背格好に縮んでしまっていた。――そうしたら何が起こるのか。人間以外のモノ、環境、そして動物は普通に元のサイズのまま、人間だけが縮んだら何が起こるのか。そんな悪夢を淡々と描くコワい作品だ。ただサイズが小さくなっただけで、ネズミをいたぶるいつもの飼い猫の癖が、ゴミを漁るカラスの習性が、ほかでもない自分の命を脅かす恐怖に変わる。小さくなっただけで、人間が手なずけてきた自然から、自分たちがつくり上げた世の中から、復讐を食らう。人間の優位とは単にサイズだけだったんだ、相対的なものだったんだ、ということに気付かされれば、生き延びるスキルなんて我が手のうちにはこれっぽっちもありはしない、というあたりまえの事実を知るばかり。そこから始まる「生き抜くためのあがき」をどれくらい真に迫って描けるかが、このマンガが「アイアムアヒーロー」に並び立つ作品になれるかどうかを決めるのかもしれない。期待感を込めて一票。」

「いきなり冒頭から小さくなってしまったヒロイン。まだ1巻のため、小さくなった原因等なにもわからないままである。ただ、描画から細菌などで小さくなってるのかと思わせるが、動物が小さくなっていないのと、洋服が小さくなった人間にあわせて小さくなっているので、まだまだ、楽しめそうな展開が待っていそう。現代日本版アリス・イン・ワンダーランド。今後の展開が非常に楽しみ。」