2013年1月アーカイブ

『繕い裁つ人』池辺葵

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「「年々柔らかになって体に沿ってくる生地と仕立ての良さは、1カ月もすればあきて売ったり捨てたりする者にはわからんよ」。とある町に暮らす中田さんという老人は、年に1回の夜会に着ていくジャケットを、年ごとに体の変化に合わせて広げたり、詰めたりしながら、もう何十年も身にまとい続けている。その町にある洋裁店であつらえたジャケット。丁寧な仕事で評判だったその店の常連客たちが、集い語り合う場に混じって中田さんは、同じ服と長くつきあう喜びを語る。「10年、20年、おんなじ服と連れそうていけるいけるのが、どんなに幸せなことか」。半年で、あるいは数ヶ月で来た服を、捨てたり売り払ったりしてしまう人には、意味が通じないかもしれない。それでも、普段は淡々と庭仕事をしている老人が、ジャケットを身にまとって毅然と話すその姿や、同じように洋裁店で1針1針丁寧に縫われたドレスをまとった女性たちが、老いを感じさせないで立ち語らう姿を見れば、服というものがただ身を包むだけではなく、心を引き出し、人生を彩るものだということを、誰もが知るだろう。ただ身に纏うだけでない服の存在、服がもたらしてくれる幸福を思い出させてくれる物語。それが池辺葵の『繕い裁つ人』。祖母が1人で営んでいた南洋裁店を継いだ孫娘の南市江の仕事や出会いから、服への作り手としての思いの強さ、装う人たちの服への思いの深さが示される。読むうちに人は、知らず服への思いを喚起され、クローゼットに吊されたままになっている古いジャケットを手にとって、羽織ってみたくなるだろう。」

「絵になんだか惹かれて読み始めたのですが、厳しさの中に必ず存在する暖かさを感じるお話の内容にやられちまいました。静かなイメージのする絵柄やコマが余計に登場人物たちの言葉を際立たせるような気がしました。働く人の美しさを感じさせてくれます。」

「町のちいさな洋裁店で、いつも「その人だけ」の服を作る女性...という設定を聞いて、やわらかいふんわりした女性なのかなと思っていたら、対極にいる人だった。頑なで、厳しい。でも、愛情深い。愛と情熱を持って仕事をしようとすると、人は厳しくなるのだ。自分にも他人にも。2巻を読んで、このマンガの見所は「繕う」よりも「裁つ」だったんだなと気付いた。大事にしていた着物や美しい布を裁ち、そのあとで繕うということは、一度「覚悟」をしている、ということなのだなあと。着物にハサミを入れる小さなコマに、作者の思いがこもっていた。」

『私日和』羽柴麻央

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「基本的には甘い少女漫画が凄く嫌いな私だけどこのマンガは胸が凄くギュッとなる。甘酸っぱいよ!羽柴さんは、少年マンガから少女漫画を読み始めたものの、やっぱ少女漫画あまり好きじゃないやーって思ってる人がいたら読んでみたらいいと思う。あれ、少女漫画もいいもんだなぁって思えると思う」

「魅力的な作品を今年も多く排出している同先生ですが、中でも自分の主観でこちらのタイトルを選びました。同姓同名誕生日も一日違いだけという二人が病院で出会う所から物語は始まります。 上記の設定はとても漫画チックではありますが、それを上手く使って名前や年齢などは同じなのに、容姿も性格もまるっきり違う二人のすれ違ったり、近づいたりと、それぞれのとても繊細な心情を描き切った作品だと思います。百合分も多少含まれますが、友情系ですので苦手な方にもお薦め出来ます !」

『路地恋花』麻生みこと

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「非常に丁寧な作品。「職人」「芸術家」たちの恋愛模様といった割と地味になってしまいそうなテーマにもかかわらず、作者の持ち味であるユーモアが上手く作品全体にフィットしていて飽きさせない。京都やものづくりに関する描写も見事。」

「空に浮かぶ不思議な土地"エルドゥラ"に住む主人公ニットが不思議な生物プラモと共に外の世界へと旅をしていく冒険ストーリー。世界観部分での様々な設定が緻密に考えられていて、次々と読んで行ける展開になっている。」

「大人である私たちには当たり前と思えることも、子どもの目にはまったく新しく映ることがあります。それは私たちも通ってきた道だったはずですが、すっかり忘れてしまっています。そんな驚きと新鮮さにあふれた世界を描いた作品。ギャグとして大笑いできるだけでなく、忘れていた何かを思い出させてくれます。4歳の娘もお気に入りで、毎日読み返している作品です。」

「1巻の時点で傑作確定だったが、加速度的に凄まじくなっている。」

「「こうだったらいいなぁ」「こんなふうだったらステキだなぁ」決してありえない空想を、隣り合わせにあったかもしれないリアリティにのせて。シニカルな視点で創造された世界に展開されるやさしい物語。ここには上質すぎるマンガの楽しさが詰め込まれている。」

「ファンタジーをリアルにするとこうなるって感じの短編集です。ドラゴンが現実にいた場合、現代社会でどういう立場にたたされるかをかなり現実的に描いてます。世界観の設定やそこに生きる人たちの姿を身近に感じて作品の世界にどっぷりはまってしまいました。ちょいちょい挟んでくるギャグも素敵で、読み終わった後のカバー裏のおまけマンガは最高です。読み終わっても読み足りず、もっともっとこの人の作品が読みたくなります。」

「2011 年もっとも注目したい新人作家のコミックス。なんて豊かな作品世界だろう、と思った。」

「WEB と同人誌が初出の短編集。ファンタジー設定を地に足がついた想像力で描き上げる卓越した画力に唸らされます。」

「将来や友情、先が見えなくとも前に進もうとするかよちゃんたちを、大丈夫だよ、と応援している僕らが実は応援されているように思えて、心が熱くなる。励ましたくなる系で、励まされている系マンガ。久しぶりにマンガを読んで、いい涙を流しました。」

「巻を追うごとにどんどん弾けて、作者がのっている感じが伝わって来る。最新 3 巻は特に、大人のエロス、子供が無自覚にそれに反応すること、動物的な「繁殖」への欲望、と性的な香りがむんむんなのに、全体的な印象は、ヘルシー&キュートというのがすごい!」

「いつも同じ風景をみている同士でも、目に入るもの、映るものは違う。相手の視線を知りたくなるのは、好意があるから。友情を通してみる、他人との距離を描いたガールズ青春マンガ。」

「図書館を扱ったマンガでは、この「夜明けの図書館」以外にも「図書館の主」ってのが気になっていて、それに出てくる斑目先輩のような主人公も良かったんだけど、レファレンスに焦点があたったこちらに軍配が上がった。勤め先は学校図書館だから公共図書館とは違うんだけど、レファレンスってすっげえ楽しんだよなあ。」

「16世紀オスマントルコ皇帝の後宮(ハレム)を舞台とする非常にスケールの大きな作品!「大奥」に蠢く権謀術数のストーリー展開だけでなく、作品を通じて当時当地の建造物はじめ風俗風習等日頃あまり馴染みのない事柄を圧倒的な画力で描き、グイグイと読者を引き付ける作品力は多の追随を許さない。」

『幽麗塔』乃木坂太郎

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「この作者は『医龍』よりも、こちらの世界の方によほど親和性があるのではないか。超絶的テクニックを持つ作家が、いかにも楽しんで描いている感じがよい。」

『誘爆発作』岡村星

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「サスペンスマンガです。特殊な関係で繋がってしまった OL とおじさん。加速度を上げて遠回りするストーリー。時々真顔で入るギャグが緊張と緩和でまた面白い。いやもうこれから先、どうなっちゃうんでしょう。心臓が苦しくなります。」

「見知らぬ者同士の心臓がシンクロする?!この奇想天外なストーリーは必見!」

「まだ2巻までですが先の展開が気になってしょうがない。何故?なぜ?ナゼ?のオンパレード!ひさびさに心躍るサスペンス漫画読んだ。」

「実にシリアスなストーリーをホラー漫画家・伊藤潤二の絵がさらに深いものにしている。」

『モンタージュ』渡辺潤

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「フィクションである作品を三億円事件を題材としたノンフィクション作品風に書いたスピード感ある読み応えのあるマンガ。内容はミステリーマンガの部類に入ると思いますが、これぞザ・王道といったマンガ。」

「何度となくドラマや映画、さらには小説や漫画化されてきた「三億円事件」。この「三億円事件」に長崎の軍艦島こと端島を無題に「過去」と「現在」が絡みながら展開されるストーリーに思わず時間が過ぎるのを忘れるほど引き込まれてしまう。本当に次のストーリーが気になって仕方がない。いや、むしろ気になりすぎて何も手につかないと言っても過言ではない。」

「鋭敏なセンスで独自の世界を築いてきた著者は、本作で表現力のレベルをまた一つ上げたと思う。」

「2011 年、彗星のごとく現れた「タチバナ」は、この年、最も人を動かしたマンガではないでしょうか。サッポロ一番や缶詰を買いに走らされ、今まで見向きもしなかった駅前のそば屋ののれんをくぐった人も多いはず。僕もまさか両手にマルハとちょうしたの蒲焼き缶を持って、どっちにしようか悩む日が来るとは思いませんでした。いろんな意味で人に伝えたくなるマンガ No.1 でした。」

「もうないかと思っていたグルメ漫画の新機軸。料理勝負でもなく、食の知識でもなく、レシピもなく、旅行や大食いでもなく、実在のレトルト食品やファーストフード店をあくまで一消費者の立場で語るだけの作品。なのに熱い。」

「面白いなぁ。数々のグルメ漫画が挑んでも散ったそこらのスーパーやコンビニで買えるものグルメ壁に果敢にも登るクライマーに大きなエールを。」

『ミル』手原和憲

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「ただのネコ漫画だと思ったら大間違い!あまりのせつなさに涙がでます。ミルの見た目とその性格とのギャップがまた良し!」

「『HER』に続くフィールヤングの連載を纏めた短編集。コメディ~シリアスまで内容は様々ですが、HER が好きな人は絶対好きになること間違いなし。相変わらずリアルな女性を描くのが上手い作家です。どれもグサっと来たりハッとさせられたり。」

「この作者がついに「現代音楽」をテーマにして、面白くないわけがない。野心的な音楽マンガで、人間ドラマにも味がある。さすがさそうあきら。」

「京都の芸術大学を舞台に、若き音楽の天才たち(でもたいがいはゆるい。でも見せどころは緊張感ピリリ)の世界を独特の筆致でつづる。ピアニストを描いた「神童」、オーケストラの「マエストロ」に続き、今度は現代音楽。あるいは身体で受け止め感じる「音」そのものの力がテーマ。完全に無音のはずの画面から、実際にスゴい力のある音を浴びた時に特有の背中がぶるっと震えるようなあの感覚を感じることができるのが読みどころ。狙って探求しているわけでもないのだろうけれど、さそう先生は「音」をマンガでどう表現するかという果てしない実験の旅をずっと続けておられるように思い、その成果の着実な深まりをいち読者として味わうのも無上の楽しみです。」

「いつもながら音という直接絵にできない要素の演出と、人の持つ才能の描き方にため息が出ます。 大学生ならではの仲間がいる心強さを登場人物と一緒に感じながら、ゆっくり流れる鴨川沿いを歩くように、その行く末を見守っていきたい作品です。」

『みそララ』宮原るり

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「働く女子マンガ。4コマストーリーマンガってこの手の賞に絡んでこないよなぁそういや、と思っているので第一に推します。」

『まんが親』吉田戦車

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「子育て漫画がはやっていますが、吉田戦車先生はやはりキリクチが独特で思わずプッときていまいます。これは新しい形の子育て漫画のかたちでしょう。」

『麻宮さんの妹』あさの

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「この系統の漫画は、あまり手に取ったりしないのですが、表紙から出てくるパワーに吸い込まれました。すごく才能を感じた作家さんです。ストーリーも面白かったです、つづきも気になりました!」

『ママゴト』松田洋子

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「2011 年の刊行作品の中で、唯一マジ泣きしたのがこれ。コドモを産んだことも育てたこともない私ですが、なんか琴線に触れたんでしょうね。ないと思っていた母性が目覚めるかもしれない作品なんで、むしろコドモが苦手な女性に読んで頂きたいなあと。「笑い泣ける」ってこういうことなんねー。」

「小太りの5歳児タイジ、明らかに不細工なんだけど、そう描いてもなおその健気さに子どもってええなぁ、と思わせる手腕にまんまとはまりました。いや本当に最近涙腺弱くていかんわ...」

「津軽三味線を題材にしたマンガというのも目新しくて、読み始めたらはまってしまいました。地味な楽器だけれど、熱く、表現豊かで、繊細で、さわやかで、感情がこもっていて。三味線というものでこんなに表現豊かに描いている羅川先生のマンガに惚れました。そしてその三味線に青春が加わって、さらに熱く盛り上げています。今面白くなる本番前という感じですが、これからの展開に大いに期待してしまいます!」


「碧臭くて、キラキラしている。音が弾んでる。」


「三味線なんてと思っていたけど読んだら聞きたいわーと思える作品。 テルマエロマエの「お風呂」。ちはやの「百人一首」も漫画ってどんな題材でも作者さんの力量ですっごくおもしろくなるんですねえ。 主人公のストレートなところ、でもちょっと足りないところをたくさんのまわりの魅力的な脇役がうめていってくれる。これからどうなるのか楽しみな作品です。」

「少女マンガ家の手による、少年マンガライクな描写は『ちはやふる』にも通じるドライブ感と繊細さが同居している。青森出身者ならではの津軽弁や津軽三味線のリアリティが、作品の説得力を後押し。そのキャリアに寄りかかることなく、少年誌での連載という新境地に赴く開拓者精神にも頭が下がる。」

「津軽三味線奏者が主人公という斬新なテーマ。登場人物のキャラ立ちっぷり。適度な恋愛要素。キャッチーなストーリー展開。こりゃ人気出そうだな~。」

「なぜかハマってしまっているので推してみる。正統派の海外 SF 小説の漫画化であって、ストーリーも描写も丁寧。」

「河合荘に住みたいと思うほどゆるく心地いい日常漫画。河合荘のいる住人はみんなダメ人間だけど、どこか憎めない人間らしさが描かれているのが面白い。」

「一読して頭に浮かんだのは「ドラえもん」。映画で言うとスタッフロールが流れた後にオマケ的に展開されるラストシーンとその余韻まで全て完璧なジュブナイルSF。」

「小学生が集まって、宇宙からやってきた人工知性を搭載した宇宙船を宇宙へと帰してあげようとする話。そう聞いて、なんて賢く聡明な小学生たちなんだろうと思ったら大間違いな今井哲也の『ぼくらのよあけ』。主人公の少年は、女の子の表情を浮かべて中空を動き、あれこれ面倒を見てくれるお手伝いロボットのオートボットが気になるんだけれど、逆にツンケンとそて言うことを聞かない反抗期。そんなオートボットに割り込むように現れた人工知性に誘われ上った団地の屋上で、人工知性から話を聞いて頑張ろうと思って行動に移しても、無茶をして知人を危険な目に合わせたりして、それを親に咎められて妙に拗ねたりする。聞き分けが悪いというか、わがままというか。つまりは"子供"な訳で、そんな子供の"今"ってやつをちゃんとしっかり描きつつ、そんな子供たちが自分たちだけでは超えられない壁を、さまざまな手段や工夫や対話を経て超えていって、そしてひとつのできごとを成し遂げる喜びが描かれる。人工知性の起動に必要なブロックを持ってる少女が、学校で他のクラスメートたちから無視をされいじめられていて、そんな無視する側にいた1人の少女が枠を超えたことをやって、たちどころにハブられていく構図とか、今あるだろう子供たちの問題をしっかり描いて、子供たちを正義にも聖人にも純粋にも収めない。それでいて突拍子もない実行力を持った子供たちがいたからこそ、成し遂げられたこともあるんだと突破を誘う。彼らの問題に目を向けさせ、その上で人類にとっての未来、人工知性の可能性なんかを教えてくれるSFコミックだ。」

「斬新な設定に負けないストーリーが素晴らしい。」

「ひょうたん島といい、ラピュタといい、彷徨う島とか城ってのはロマンがあるね。エレキテ島と呼ばれる彷徨う島を追う女性飛行機乗りミクラ。冒険ロマンと鶴田謙二の描く女性キャラが合わされば、そりゃ盛り上がらないわけがない。心躍らないわけがない。」

「現代と思われる小笠原・母島その他の外海の島々を舞台に、複葉の水上飛行機で宅配便会社を経営する女子(!)、みくらの冒険を描く。これはなんともスケールの大きい壮快な作品です。できれば全編、カラーで読みたい。祖父が遺した神出鬼没のナゾの島の情報にひき付けられて......という基本の筋立てはともかく、練られた画面構成と達者な(ほんとうに上手い)線画の優良マンガ作品を読む快感。ほんとうにシアワセ。こんなマンガが描けたら人生悔いはないだろうと鶴田先生がうらやましい。1巻ラストはなぞのエレキテ島を見つける手掛かりを得てふわりと空に飛び立つオンボロ複葉機。1巻のなんとも和む島社会のご近所描写から、今後は文字通りの冒険世界に展開するに違いないと期待しています。」

「絵が、圧倒的な力を持って語りかけてくる。その力こそがこの物語最大の魅力。女の子にも猫にも飛行機にも萌えませんでしたが、背景に萌えました。ストーリーがシンプル過ぎるのも、この背景の持つ力を際立たせる一要素になっている気もしてしまう。」

「回想編に入ってから、やばいにも程がある。エッセイマンガって、今まで誰も描かなくて、更に真実でなければ意味がないと思うのですが、中学生時代の好きだった子に現在の仕事が評価されて初めて嬉しくなる、とか、その中学生時代を、「ブルーハーツ的な要素で脳が焼かれていたから平気だった」とか、も絶対に他の人に描けない表現でえぐり出して、絶対に書きたくない真実が、もう、こんなにも赤裸々に!というぐらい、ページを捲るごとに人生そのものがゴロゴロ掘り出されてきます。ここまでノーガード戦法だと、作品そのものも、作者の今後の人生も、見てて、スリリングこの上ないんですよね......!真実の作品。」

「一見すっごく、くだらないマンガでにみえる。だけど、パロディとしてとてもよくできている。映画だけでなく街や場所もパロディにしてしまうその完成度の高さにしびれる。」

「生真面目で凝り性で、おそらく発達障害の持ち主である主人公が人間関係のトラブルから会社を辞め、「プロの父親」として息子の子育てに専念する姿を描く。ママ友となじめなかったり、孤独感に苛まれたり。育児の悩みがリアルで、でもコミカル。家族っていいなという気持ちにさせてくれる。」

「おもろい!3巻で、若干、パワーダウン。少女マンガで、この、スタートダッシュ感。きゅん◎漫画らしい漫画で、ちゃんと、漫画読んだ気分になれる。」

「10代から20代のころに「人を想う」ことの意味を真っ正面から、しかも繊細に、けれども軽やかに描き切ったオムニバス形式の長編「潔く柔く」を完結させたいくえみ綾の次作は、北海道を舞台に高校生の日常をさらりと、でも丁寧に綴った小品といった印象の、どこかかわいい作品。まだどう展開するのかは分からないけれど。2人のイケメンの描きっぷりも楽しみな人には楽しみでしょう。髪形やファッションや小物などなどもやっぱり見どころ多し。休みの日に部屋でお茶でも飲みながらゆっくり読みたい。」

「「漫画家を描いた漫画」には傑作多し。天才・手塚治虫の人間臭い側面を独特のタッチで描いている。創作に関わるすべての人間、また、仕事に悩むすべての人間に読んで欲しい作品だ。」

「神様を一人間として描く物語は、神懸かって面白い。」

「主人公が面白ければマンガは面白い!を地で行った作品。面白いノンフィクションはフィクションを越えるなあーと。一級の伝記作品です。」

「この破滅的でどうしようもないギャグが、素晴しい構成力によって、抜群の間を生み出していることに注目してほしい。話によって当たり外れもあるけど、当たったときの破壊力というか脱力感はそれなりのもの。」

「綺麗な姉とかわいい妹が残念な四コマ」

『ふーふ』祥人

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「「電撃 PlayStation」付録「電撃4コマ」連載。ネトゲ内結婚してからオフで会ったら女子高校生同士! 同じ高校に転入して百合バカップルなゲーム部活動中!...以上を前提に、説明ゼロでスタートする超ハイコンテクストな百合4コマ。15 ページ × 月2回刊行なので通常の月刊4コマ誌の4倍速で進行中。「ゲームあるあるネタ」が「恋愛あるあるネタ」にメタ化する電撃4コマのノウハウが詰まった集大成的作品。」

「浮世絵師・歌川国芳の豪放磊落で面倒見がよく粋な姿、入水しようとした青年・伝八が抱える過去と一門の兄弟分とのやり取りの中で育まれるもの。表紙だけを見ると年配の方向けかと思ってしまうが、中の絵柄はそこはかとなく色気がありしっかりとしている。肉感的な身体の表現も上手い。」

「面白い!!ギャグ漫画です。四コマだったり1P だったり。個人的には極子ちゃんという白クマがつるっと子供を産んだ後の話が大好きです。電車の中で読んじゃったら、たまーーに、ニヤッとしてしまうよ。」

「この人の描く京極ワールドの世界観に何の文句もありません!しかも薔薇十字探偵シリーズは本編に比べると軽めの活劇なので軽快な京極堂シリーズを楽しめます。」

『羊の木』いがらしみお

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「凶悪犯の社会復帰を目指すために 11 人を受け入れる過疎化した地方都市...。犯罪は環境が起こさせるものなのか、それとも犯罪者自身の内に秘められた何かがさせるものなのか、そんな二つの仮説の間を行ったり来たりしながら読んだ。日常生活の中でじっくりと描かれていくのかと思いきや、のろろ祭りという奇祭が絡んでくることになる。読後感は決して良くないけれど、ああ、次巻どうなるんだ...。」

「今もっとも続きが気になる漫画。山上たつひこさんの原作はすでに完結していて、作画のいがらしみきおさんは全体を見渡しながら漫画が描けるとのこと。どおりで読ませ方がうまいと思いました。」

『ヒストリエ』岩明均

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「主人公の数奇な運命が面白い。次々襲ってくるトラブルに翻弄されながらも、機転をきかせて乗り越えていく展開に毎回どきどきします。」

「エピソードひとつひとつを丁寧に描いてあり、わたしにとって、何度も読み返して楽しめる作品です。」

「今年こそノミネートに入ってほしい...!!もっと評価されてほしい作品です。普段漫画よまない人に読ませても、これだけは次の巻へとついつい手が伸びてます。おもしろいって。」

「いつ終わるかもわからない壮大な話で、アレクサンドロス大王の生涯を側近の側から読める。創作も多いのだろうが、全部本当にあったのではと思わせるストーリー展開。」

「もっと評価されるべき作品 今回のがしたら悔やまれる」

『ヒナまつり』大武政夫

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「最近流行りのゆるい日常系ギャグかと思いきや、ビシッと笑わせてくれる正統派ギャグ漫画。何のひねりもなく、普通にめっちゃ面白いです。」

「あの頃、ファミコン中毒だった人なら必ずハマる。ただのノスタルジーではなく、読み終わった後の、不思議な爽快感が素晴らしい。」

「無茶苦茶に見えて、実は計算されているストーリの凄さ。ネームの面白さは抜群で、その上、絵が巧いのだから文句なしです。倫理的にアレな内容を含みますが、SFって元々そんなものだし。なので冗談を冗談と分かる人でないと、読んでいて不快に思うかもしれないのが欠点です。」

「奇想天外・荒唐無稽ときどきシリアス。そんな展開が妙に面白く、この作者の漫画はいつも楽しく読めます。「食事」を生きる目的として星々を旅する宇宙から来た奇妙な存在のヒヨス。不思議な箸を片手に、人から廃棄家電まで際限なしに何でも食べてしまう彼女のおかげで、化野の周りには荒唐無稽な騒動と濃い人間が次々と集まってくる。舞台が立川なのが、また面白い。」

「朗読マンガです。言葉と感情をどうつなげ、どう表現し、どう伝えるか。本の読み方が変わります。そして仕事にも勉強にも役立ちます。全ての人間に読んでもらいたい。」

「もうこの漫画のこと書きたくてたまらなかった!今年はこれが一番好き!朗読を題材にしたマンガです。こういう新ジャンルのマンガにありがちな、目新しさだけでおわっておらず、朗読の楽しさ、奥深さを掘り下げてて興味深いです。さらに、その描写がすごい迫力。ほんとにその場で朗読を聞いているような臨場感があって、マンガの中で主人公が朗読している作品の世界にいつの間にか引き込まれてしまいます。お馴染みの詩を題材にしてるのもマンガばかり呼んで育った私にもわかりやすくて好き。小学校の頃読んだあの詩ってこういうことだったのか!って再発見。これは万人にお勧めのマンガです。」

「朗読をテーマにした新しいスタイルのマンガ。出てくる文学作品が読みたくなってしまう。学生にはオススメの作品です!」

「一言で言えば、熱血朗読マンガ! マンガなんで音声がないけど不思議と物足りなく感じることはない。読んでいるうちにどんどんとのめり込んでいってしまい、ふと気がつくと登場人物がどんな風に朗読しているのかめちゃくちゃ気になっている。本を深く楽しむヒントがこの中にあるかもしれない。」 

「「朗読」というニッチな世界を扱っているとは思えない。魂を直接揺さぶられるような感動と、その後にくる不思議な浄化作用は、たぶんこのマンガじゃないと得られない種類のもの。その魅力を説明するのももどかしく(そして難しいんだ)、「本が好きならとにかく読んで!」と涙目でぎゅうぎゅう押し付けたい作品。」

「映画みたいな話。マグノリアやラブ・アクチュアリーとかが好きな人にはおすすめ!ひとつの場所(幸せ通りの突き当たりにあるアパート「ハッピーエンドアパート」)で繰り広げられる、住人たちのそれぞれのストーリー。1 つ 1 つが素敵なお話しでハッピーでとっても温かい気持ちになります。えすとえむ先生のおしゃれな人物や小物の絵もさることながらカンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞をとった Underground を思わせる「音」の部分とかなんだかとってもかっこよくってわくわくする作品集でした。」

「ケンタウロスブームの先駆け?となったこの作品。「馬扱いしないで」と帯には書いてありますが、結局は馬扱いしているヒドさに笑えます。この作品は BL ではないんですが、BL の面白さのひとつって、このヒドさにあるんじゃないでしょうか。そしてギャグで笑わせる一方、しっとりした心のつながりも描かれています。笑える一方じんとくる、最高の一冊だと思います。」

「ケンタウロスをサラリーマンにしてしまうという発想一発でもっていかれました!健太郎のキャラクター、コメディ部分のテンポの良さが抜群ですし、ケンタウロスが長生きであるという設定からの切ないエピソードも秀逸でした。ぜひ続編が読みたい一冊です。」

『ノラガミ』あだちとか

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「アライブ - 最終進化的少年 - を初めて読んだのがよりによって 11 年だったのですが、それではじめてのあだちとかを読む気になり読んでみると、おもしろく。3巻以降面白いかどうかが期待どころですね。」

「タイムスリップ物のなかで最も推したい作品。調味料や素材に関する時代考証もためになります。限られた中で作られた料理を食べてみたいものです。」

「幾原邦彦イヤーなので。」

「ありそうでなかった脳内会議メインの少女まんが」

「脳内会議の擬人化。マンガやアニメではよくある表現だが、それをストーリーのメインに据えてしまうところがさすがの水城先生。続刊が楽しみ。」

「まっすぐすぎる純愛を貫くための熱く猛る闘い、闘いからから生まれる友情。青年誌に連載を持つものの、根底にながれる少年マンガの匂い。そして、見せ場でバチーンとかまされる名言!読めばカギューちゃんの虜!かわいいよ、カギューちゃん!」

「頭を空っぽにして、何も考えないで読んでほしい。キモカワいい猫の織り成すシュールな世界に浸かって、ただただ笑ってほしい。」

「いとおしい登場人物、色とりどりのエピソード、思いがけないメッセージ、すべてが輝いています。小さなフランス女・ジュリエッタの住む世界に今すぐ行きたい、、、!そう心から思います。笑って泣ける最高の作品!この一言に尽きます。」

「説明のない予定不調和ギャグの真骨頂。あらゐけいいち先生の無言かつ、お笑いの鉄則を応用!予定不調和、アシンメトリーなハイセンスギャグマンガ!まさにギャグの玉手箱や~!」

「1巻発売時から影日向と応援し続けてきましたが今回ようやく投票しました!時がきた。そんな感じです(笑)連載開始当初は渚とマキ、主人公2人の話でしたが、3巻目では彼ら2人がいなくても周囲の人物のみで話がちゃんと転がっていき、主人公たちの存在がそのエピソードの結論を導いていくものへと変化したように感じます。そのことにより脇役との一体感が生じ、作品の中の空気感が非常に心地よいものになっていきました。言うなれば『スタイリッシュな寅さん』のような(笑)こんな長屋のある街に私も住みたい!そんな気持ちになったのが、投票の決め手になりました。」

「イケメンで、料理もできて、なんだかんだ言っても周りに優しい、理想な彼氏象がそこにあるのに、ゲイなところが、アラサー女子としては、じだんだ踏みたくなる(笑)そんな渚がやっぱりいいんです。」

「「サマーウォーズのコミカライズなどで知られる、杉基イクラの手によるクイズマンガといえば?」「ナナマルサンバツ!!」「正解!」......未だ描かれていなかった『競技クイズ』を、実に丹念に取材して描いた作品。クイズ研究会出身者なのですが、こんなにマンガとして面白くなるとは!と驚かせてもらいました。マンガ内でクイズを出されると、こんなにページを捲らせる力があるんですね。また競技経験者として、競技クイズを嘘なく、本質もディティールも描きつくしていて、「ベタ」ってそういうことなのね、とある意味再度勉強させてもらいました。主人公の読書好きの設定もきっちり描かれているし、キャラクターもそろってきて、今からめちゃくちゃ面白くなりそう!絵も最高で、ほんと今年のイチオシです!」

「文化系スポ根マンガ。クイズ大会でシビアに競う様は、我々がヲタク趣味に没頭する様に似てストイック。豆知識も豊富で読みやすい!」

「ただの教養ものかと思いきや、文化系熱血バトルもの。「ちはやふる」に近いものを感じるが、主人公が男の子のため、個人的にはこちらのほうが感情移入しやすい。」

「割と珍しく SM をしっかり描いている良作。露骨なシーンなしにどこまでエロくできるかというところにも目が向いてしまいやすいものの、逆に露骨に描いているものでもここまでしっかり SM を描いているものはそうそう見当たらない。バイアスがかかりやすいジャンルだけれど、それゆえにおすすめしたい。」

「「関根くんの恋」も含めて、今一番注目すべき女流漫画家は河内遙だと思う。」

『兄さんと僕』西炯子

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「あえて姉の結婚ではなくこちらを推したい!落語コメディというジャンルが当てはまる。じっくり読んで可笑しさを楽しむ。落語の面白さが詰まっていて続きが読みたくなる作品。短編なのがちょっと残念です。」

「灼熱&酷寒の鉄工所ライフから各キャラクターがいろんな方向へ飛び出しても、心和むまったり人間模様のおもしろさは健在。そして北さんのお家に赤ちゃんが!めでたいめでたい。」

「自分しか見えなかった主人公たちが、人と関わるうちに徐々に変化していく姿が◎。絵もストーリーも丁寧に描かれていて読みごたえがあります。」

「きれいなカイジずっと新しい編を楽しみにしていました。やっぱりこういう無駄に新しいパターンのゲーム勝負はとても面白いです。」

『特攻の島』佐藤秀峰

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「非常にテンポの遅い展開ではあるが、あまりマンガなどでは語られにくい人間魚雷「回天」を巡る人間模様がとても興味深いです。絵は相変わらず上手い。」

『どげせん』板垣恵介 RIN

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「第1巻を読んだのは3月9日。その数日後に読み返したら、また異なる感銘を受けた。あのポーズが「祈り」に通じるからだろうか? 良くも悪くも、今年もっとも野蛮なインパクトを感じた作品。」

「この作品をあえて一言で表すならば、挑戦的なまでの低姿勢!深く考えてはいけない、とにかく引き込まれる作品。こんなジャンルは唯一にして無二!...と思っていたらもう一作品出来てしまいましたね。そんなところも目が離せない作品。」

「落語にはまったく興味がなかったのですが、これをみてすごくはまりました。ボクはミュージシャンですが、何か通じる部分もすごく多くいつも勉強になります。」

「私はローディストだったので、この作品を見て当時の記憶が蘇ってきてしまいました。私は周りに仲間が居なかったので、何かを「創る」側には行けませんでした(一人でそちら側に行く勇気も無かった)。ので、作中のキャラが羨ましいし、凄く輝いて見えるんですよね。これ1巻分が出たところで連載が止まっているので、早く続きが読みたいっす。」

『吐息と稲妻』谷川史子

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「フェルトの生地みたいに、分厚く、毛羽立って、じわじわと、あったかく、滲む。涙が出るお話でした。」

『てんむす』稲山覚也

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「フィクションならではのハッタリと設定がすごく良くできていて、まるで本当にこの世界があるんじゃないかと思わされます。キャラクターの、特に男女の距離感が高校生らしい感じで好感が持てます。天子はじめ二子先輩などキャラクターが魅力的で、素敵な人たちに恵まれているヒロインの頑張る姿は読んでいて楽しいですし、毎回素敵な読後感に包まれます。」

『でり研』ひらふみ

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「本当は四コマ漫画ももっと選びたいのですが、今年は他の作品も含めてひらふみ先生を推させて頂きました。食べるのが目的な大学サークルの個性的な面々が楽しく美味しい一冊です。」

『デラシネマ』星野泰視

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「50 年代日本映画黄金期の撮影所を舞台としての大部屋俳優と助監督の成長物語。古き良き「シャシン」の風景、個性溢れる登場人物の造形、いずれもすばらしい。昨年後半は、物語がぐんと進展してきてますます面白さに磨きがかかってきた。」

「戦後日本映画界が輝いていたころ。映画作りに情熱を燃やす若手役者と、助監督の物語です。二人の熱意が周りにつたわり、みんなを巻き込んで大きな流れになってゆく様がとても子気味いい。登場人物も一癖もふた癖もありつつも映画作りに熱い情熱とこだわりをもっているのがとってもよい。そんな中で、特に輝いているのはベテランの方々。若い二人を見守りつつもそっと手助けをするかっこいいおじさんがたくさん出てくる。こういう役割を担う大人が昔に比べて少なくなったのかなと思いつつ、自分はそういう役割を担うことができるだろうかと自省してみたり。若い社会人だけでなく、大人な社会人の方にもお勧めのマンガです。」

「戦後の活気と映画業界の活気、ふたつの活気から湧き出る熱気がコマからはみ出してきそうな作品です! 今の日本に一番必要な気持ちが湧いてくる、そんな作品。」

「鉄道や駅を舞台・モチーフにした短編集。「夜を重ねる」は、読み終えてすぐまた読み返したくなる話だが、そこにさっきまでの物語は無い。まさに一期一会の作品。」

「著者のベスト短篇集。一般向けなので布教もしやすい。この人は何処まで巧くなるのか。」

「小田急線を舞台としたオムニバス短編集。個々のエピソードも光るが、コミックス書き下ろしの巧さはさすがと言うほかない。この才能がマンガの世界から失われなくて本当によかった。無茶せずにじっくりとまんがと戯れて欲しいと熱望。」

『鉄楽レトラ』佐原ミズ

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「コミックスの1巻目は、大体は登場人物紹介で話が進まないもの。しかし、「鉄楽レトラ」は1巻目のすべてのエピソードにまとまりがあって、毎回何かしら胸にささるものがある。わたしも基本的に自信がなく暗い人間なので、主人公のお母さんの言葉や、妹の優しさに号泣してしまった。これからが楽しみ。」

「相変わらずの素敵な表紙を書く作者。過去の作品はその優しい絵柄とストーリーがあまりにもマッチしすぎていて、少し毒が足りない気がしていたが、本作はストーリーでもなかなかに心を揺さぶってくれる。続刊に期待。」

「元々絵が素敵な方でこれまでの作品も好きだったんですが、本作にはやられました。前に進みたい主人公の悩み、足掻く姿。しかしそれを温かく、見守る家族の姿。そして主人公が変わる瞬間。人の人生を変えるようなヤツとは...。40歳になって読むことになった作品ですが、これを10代で読んだらどうだったんだろう?思春期ならではの葛藤が描かれた傑作であり、今後、主人公がどのように成長していくかがすごく楽しみです。」

「『マイガール』の素晴らしさに今度の新作がたちうちできるのか?と思っていたらまだ1巻だというのにこれまた素晴らしい!佐原ミズはすごい!」

『帝一の國』古屋兎丸

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「「尊い夢」に向かって、全身全霊、全力で取り組むことのたくましさを教えてくれる作品。たくましすぎて吹き出すほどの破壊力は是非味わっていただきたいところ。生きていくうえで必要なものは財力と政治力、それと・・・なんでしょう?今後の展開に期待!!」

「とにかく、主人公帝一が本気過ぎて真面目に狂気!ツッコミ所が多過ぎて、何回読んでも笑える。」

「絵がとても独特なので好き嫌いは分かれるかもしれません。でもストーリーが面白いんです!生徒会の派閥や権力争いが熱い!その世界に引き込まれて気付くと真剣に読んでいたりします。絵が苦手と言わずに読むべし!」

『鉄風』太田モアレ

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「女子高生格闘技モノ、と聞いて読み始めるとちょっと予想を裏切られるかもしれない。試合のみならずさまざまなシーンでの間の取り方や、読んでいるだけでもぞくぞくしてくるような殺気がステキに切れる、緊張感のある世界がたまらない。」

「まだ2巻ですが、今後の展開がきになる作品。他に能力者が出てきたことで、先が読めなくなってきました。」

「徳弘節炸裂です。人間のダークサイドとお得意のエロサイド。そして人情もありで 100 点です。」

『中国嫁日記』井上純一

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「中国嫁じゃ無くても良いので嫁が欲しくなるエッセイです。もげろー。」

「まだ一冊しか、ですが、平安時代マンガファンの新たな喜びなので。」

「本当は誰にもこのマンガの存在を教えず、一人暗い部屋で読んでいたい......。とにかく......とにかく絵がいい。すばらしいのです。」

「かわいかったー。どたばたして、かわいくて、まだまだ続いてほしかったな。」

「そのどうしようもなく大切で、名残惜しく、だけれど過ぎ去り消えていく時間。こんな風に切り取って描かれたら、目が離せないに決まってる!読み終えて、ぎゅっと胸に抱きたくなる一冊です。きっとこれから先、何度も何度も読み返す。」

「この世に生ける全ての命を大事に描いているのが素敵だなと思いました。独特の筆致や描き文字も魅力的で、もっと感性のするどかった 10 代の時に読んだらもっと違った感動を得られたのではと、少し悔しく思います。」

「1巻の1話目からかなり笑わせて貰いました。くだらないんだけど、読んでいて「わかるわ~(笑)」って共感しちゃう所もあったりして。いや、私女だけども。アニメ化もしたし、是非漫画の方も読んで欲しい!」

「ここ 1 ~ 2 年になって多くなったように感じる、「男の日常」をーテーマにしたマンガ"思春期編"です。「うちの子はありえない」なんて世の母親は思うかもしれませんが、残念ながら大小少なからず当たっています。たぶんそうです。きっとそうです。」

「正体不明の女子がお腹をすかせて、老若男女に近づき、一緒にゴハンを食べる。それもすっごくうまそうに。それがどうしてこんなに魅力的なのか!本当に食べるだけ!でも、そこがいいんです!」

「なんか読み終わったとき、もっとこの作家さんの作品を読みたいな!と、痛烈に思いました。載っていたのが漫画サンデーだったのですが、たくさんの女性に読んでもらいたくてコーナー展開しました。これからの活躍を期待したいです!」

「超不器用な主人公とそれがほっとけない鈍感な幼なじみの社会人。扱ってる問題は重いけど、ちょっとあたたかくなってそれがだんだんたくさんになっていくのがいいです。オレンジ色がまさにぴったり。」

「家族を主題とした作品が最近増えているなあと思いつつ、その中でもお気に入りの佳作。ヒロインがかわいい。個人的に小学館時代からずっと追っかけてきた作家だけに本作のヒットは感慨深い。」

「ジャンル化できない、他で一切見たことがない、そんなものを読みたくてマンガを読んでいるのですが、この作品、「大正時代の女学生、大金持ちの娘とまったく無一文の娘が、教養と絵の才能を持ち合って、新聞を作る活動をとおして様々な問題を解決する」ってもう、アグレッシブにもほどがある!見てて爽快な行動力の主人公たちがそこにいるのも確かなのですが、その行動力の裏にちょっとしたカナシミや悔しさも見えて、どーにも愛しい。荒削りっていえば荒削りなのですが、それって、とんでもない可能性を秘めてる、ってことでもあるんじゃないですか......?」

「読書の悦楽を「絵」にして見せてくれたというだけで手柄。ひとコマひとコマに作者の熱意を執念を感じさせる秀作。」

「人馬少女が主人公の日常系マンガという謎のカテゴリ!なんというか......ハンパなく......オタ臭ぇ!だがそれがいい!」

『先生と僕』春日ゆら

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「もう、漱石先生魅力的すぎ!漱石先生と弟子、友人の間には濃密な関係があったことはよく知られていますが、実際の様子がどうだったかまでは知られていないのではないでしょうか。この作品はそこを丁寧に描いています。お話としても面白いんですが、明治時代というホモソーシャリティが強い時代、魅力的な先生を巡って男たちが繰り広げる嫉妬や駆け引きが楽しいです。他の文人のお話も読みたくなりますし、歴史ものってやっぱり面白いな、と感じる作品です。」

『戦国妖弧』水上悟志

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「新章開幕した「戦国妖弧」。主人公も交代し、より王道 ( そして相変わらずの厨二 ) 的な少年漫画になってきました。」

「8巻過ぎる前に大賞を取って欲しく選考しました。私が書店で勤務するようになって一緒に巻を重ねた作品。お客様も幅広く、親しみあるゆるギャグマンガだと思います。」

「主人公二人のキャラクターにとにかくなごみます。ページをめくれば常にどこか面白い。何度も読み返しています。」

『関根くんの恋』河内遙

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「30 代を目の前にして、「こんな恋愛ええなー」と思った 27 歳の自分。やっぱり、恋愛漫画のベタベタさは、こちら側の妄想をより拡大させてしまうのでは無いでしょうか。同じサラリーマンとして、関根くんのキャラクターには羨望の眼差しを送らざるおえない。あー、うらやましいー」

「稀代の残念男・関根くん。そのスペックを活かしきれずに、溢れる色気に自分で気付かず、ただただひたすらに残念をふりまくそのさまは、見ていて悶える。萌えというのはこういう体のよじれを起こすものだと気付かせてくれた作品。」

「関根の残念すぎる思考と、残念すぎる行動に憐れみと若干の母性をくすぐられる。残念なイケメンすぎる。」

『スピカ』羽海野チカ

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「表題作、主人公二人の会話に、私は確かに救われた。自分の迷いに光が差し込んだかのような、「ああ、いいんだ」と、誰かに背中を押されたような、そんな気持ちになった。だから、もしつらい気持ちのひとがいたら。勧めるかもしれません。その時にならないと判らないけれど、でも。かける言葉をうまく見つけられないその時は。この物語に、助けてもらうかもしれません。」

『寿司ガール』安田弘之

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「それぞれ個性的な寿司ガールたちの愛らしさに夢中にされ、心に深くしみ込んでくるストーリーには不意打ちで泣かされました。悲しみやさみしさを抱えた女性たちの姿がリアルで、その彼女たちが、もの言わずそばにいてくれるだけの寿司ガール達に癒されて変わっていく過程に思わず心を重ねてしまいます。」

「面白い!でも少年誌ではちょっと難しいのか?もしこれが打ち切りとかになったらすごく悲しい・・・ほんと面白いのに・・・」

『水域』漆原友紀

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「漆原さんの書く日本の田舎の情景がたまらなく好きです。田舎の情景というと穏やかな人々と、自然とのふれあいといった明るくのどかなイメージをもたれると思うのですが、実際住んでみるとちょっと違うのです。どこか閉じたところがあり、まわりを取り巻く自然環境にも、そこに住まう人にも、都市よりも濃い闇が感じられ、独特の湿っぽさがあります。漆原さんはその辺を描くのがとっても上手いと思います。田舎に住んでいたことがあるなしにかかわらず、日本人の心の奥底の共通するなにかに働きかけてくるようなマンガだと思います。なので、文章表現が稚拙な私にはどこが面白いかをあらわすのは難しく、なんかしっくりくるって感じのマンガなのです。白いご飯に味噌汁を食べた時の、あー。これこれ。日本人はこれだよなーいいよなーって感じのしっくり具合なのです。日本の心を感じたい方にお勧めのマンガです。」

「「少年・少女」「夏休み」「成長物語」というキーワードが好き。「水域」は、「夏休み」という限られた時間の中で成長していく少女の姿がとてもきれいに描かれている作品。漆原さんが描く「自然」の世界は美しく、どんどんひきこまれてまるで自分がその中にいるような錯覚に陥る。もっともっとたくさんの人に読んでほしい。」

「マンガ家としての立ち位置があまりにオリジナルなのと、純粋なマンガ作品と呼べるか微妙ながら、やはりこの手の軽妙な愚弄/罵倒/露悪においてサイバラの右に出る者なし。企画性と、どこまでがネタなのかわからないサジ加減、言葉選びのセンスなど、「純粋にいま一番面白い」と言い切りたくなる作品。」

『進撃の巨人』諫山創

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「相変わらず引っ張り方が非常にうまくて、はやくはやく巨人の謎、ひいてはその世界の謎を知りたいと思ってしまう。巨人の絵も不気味で好きです。」

「単純に言えば人が巨人に襲われるハナシなのですが、そこにあるドラマに釘付けです。少年の成長物としても楽しめるかも。これで絵が安定すれば文句無いのですが。」

「テンションが落ちない。作者の熱がダイレクトに線になっている。」

「作品のスピード感がたまりません。存亡の危機に立たされているのに、利権や思惑が絡んで一枚岩になれない人類の姿が妙にリアルです。」

「近年稀にみる超正統派少年バトルマンガです!『うえきの法則』など、確かに類似作は多いかもしれません。でも、こういう単純かつアツくなれるのが『少年マンガ』というものなのではないかなぁって思います。『ONE PIECE』然り、『トリコ』然り。そういう『王道』の正統後継作のひとつとしてこれからも推していきたい作品です。」

『しょぼにゃん』きっか

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「ともかく主人公のしょんぼりネコ"しょぼにゃん"がかわいい!しょんぼりするときに描かれる「しょぼにゃ~ん」という擬音とがっかりした表情が素敵です。雑誌が「ねこぱんち」というコンビニメインであるため、認知度が低いですが、ぜひ可愛いもの好きの方には読んでもらいたい!」

「これはもう入れるしかない。稀代の才能が未曾有の震災を経て世に出した物語。第 4 部の世界観とのリンクでファンをニヤニヤさせつつも、一歩先がまったく読めないストーリーテリングはやはり超一級。」

「やはりこれはテッパン。毎回新作という新しい物語という意味でエントリー。」

『少年メイド』乙橘

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「かわいい少年がメイドの格好をさせられて...というと、イロモノっぽいと受け取られることもあるでしょう。まあ実際そうした面があるのは間違いありません。少年メイドのちひろきゅん超かわいいですし。ただこの作品のポイントは、しっかり者の主人公・ちひろが、気はいいけれどダメダメな大人たちと、ゆっくりと「家族」になっていくところにあるんです。寂しさを抱えた子どもと、やっぱり欠落を抱えた大人たちが、安心できる場を築いていく。「家族」の大切さを感じさせる作品です。」

『少年ノート』鎌谷悠希

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「この作品の中の音が自分の耳の中に確かに聞こえてきます。いろんな意味で、作品の中に引きづりこまれました。近い将来、映像化されるんでしょうね!」

『女子攻兵』松本次郎

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「陰惨な物語ではある。あまり人には薦められない。が、この作家の描く「不条理な狂気」は他の誰にもマネできない。雑誌連載時から目が離せなかった。」

『食の軍師』泉昌之

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「食べ物がおいしそうなのは、食漫画だからあたりまえ。あとはいかに笑えるかが大事。(と個人的には思う。)食べ物を「敵」に見立て、主人公が「軍師」となり様々な手法で攻めていく。(というか食べていく。)読みながらなんど「まじめか!?」ってツッコんだことか。とっても好きな作品だけど、わたしは何も考えず好きなものから食べたい。」

「迷いながらも相手とちゃんと向き合ってぶつける真っすぐな気持ち。もう全員カッコイイ。熱量が足りない時にガッと一気読みしたくなる漫画。現在8巻と最後のチャンスなので!」

「ずっと待ってました。続きが始まるのがいつかと、時々読み返しながら。九十九が帰ってきた瞬間読んでる気持ちが当時に戻りました。もう、九十九が「刻」のほうに出てしまうんじゃないかとハラハラ。そして、これも読んでいて楽しみなのですが、作者のあとがきです。本編を読んだ後にこれを読むのがずっと楽しみ。とこまでも続いて欲しい漫画の一つです。」

「14 年待っていました。作者の前作「海皇紀」も十分面白かったのですが、やはり「修羅の門」の続きが読みたかった!新章はまだまだ謎が明かされていませんが、この漫画の闘いはやはりアツイ!」

『シュトヘル』伊藤悠

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「言葉が残ることは世界が未来へつながることを改めて知った作品。登場人物たちの台詞に揺さぶられます。」

「3巻までが、まさかの序章という驚きと。その後の展開が神すぎる。読んでないのはもったいない。」

「とにかく戦闘シーンがカッコいい!人物が魅力的!物語も人物も重厚で、衣装や住居・文化なども緻密に描かれているので、歴史好き視点で見ても面白い作品。」

『囚人リク』瀬口忍

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「昔の昭和の時代のマンガを読んでいるような、無茶な展開と泥臭さが、とにかく暑苦しいマンガです。最近のはル系や萌え系が多いマンガの中で、こういうマンガがあると逆に新鮮に感じます。」

『しまいずむ』吉冨昭仁

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「思春期に「EAT-MAN」を読んでそのカッコよさに打ち震えたこの僕が、30 を過ぎて同じ吉富先生の作品で今度は「萌え」に打ちのめされるとは!限りなく変態な女子たちが主人公なのに、どことなく清涼感を感じさせるタッチがお見事。」

「粘っこく絡みつくような人間関係と、ねっとり濃厚で徐々に黒っぽくなっていくストーリーがクセになります。シリアスな流れにテンポよく織り込まれた笑いのアクセントもツボ。男性にも読んで欲しい少女漫画。」

「こんなに濃密で、なんだか疲れるくらい楽しませておいて、まだ4巻だとは!しかも「まだまだこんなものでは終わらないのでよろしく」という作者の静かな闘志が紙の向こうに見える...。もっと恐ろしく(恋愛なのに)、もっとロマンティック(恋愛だもの!)になっていくのが本当に楽しみ。」

「「恋愛とはエゴである」をここまではっきり描いてくれるといっそすがすがしい。いや、ドロドロなんですが。チョコレートの苦さと甘さが同居する傑作。」

「水城せんせいの快進撃が止まらない。このかたのような20年選手がいよいよ円熟していく様にはほんとうに勇気づけられます。「脳内ポイズンベリー」も「黒薔薇アリス」もすばらしいですが、こちらも。っていうか、票が割れそうな悪寒です。このような場合の解決策ってないのでしょうかね?確か、よしながふみさんや東村アキコさんのときもそうでしたね。10位に2~3作品くらい入ってしまったという。水城せんせい、3作品合わせた数をみる、とかね。それは不公平? あああ、わからない。」

「アパルトマンの大家さんであるおてんばジゼル嬢が何でも屋さんを始めたら。迷子の猫探し、少女を連れての植物園、ストリッパーの一日付き人、煙突掃除...。良家の出だからこその庶民との感覚のズレに周囲も巻き込まれるが、ジゼルの屈託のない笑顔がそれもカバーする。でも、実はお嬢様として育てられた窮屈な生活に耐えきれず、街中に出てきたというのが本当の姿。恵まれた環境ゆえの孤独は、現代の若者にも共通するように思えてきます。そこから一歩踏み出して、新しい環境で徒手空拳で頑張ってみる。チャレンジ精神こそ前進のヒントなのだとジゼル嬢は教えてくれます。」

「待ってました!の新作は、なんと本人が猟師になって過ごす日常を描いたエッセイコミックでした。前はギャグ漫画の人だったのに...。でも好きです。だって、なんだか面白いんだもの。げらげら笑う感じじゃないけれど、くすっと思わず笑ってしまう。そこが好き。」

「作者は現役兼業猟師。空気銃や罠を駆使して獲物をとり、解体し、食べる。ウサギからカモ、カラス、鹿、猪とさまざまな"ジビエ"が登場するんだけれどほぼ無表情。あまりに飄々とした姿がじわじわ来る作品です」

「今作では原作者がいますが、松本剛先生の作品はいつも人間の弱さや目をそらしたいものをちゃんと描くので読んでいて心が締め付けられるのですが毎回読む手を止めれません。そしてやっぱり今回もそうでした。登山っていう死と隣り合わせのテーマで、より一層自分と向き合わされる登場人物たちの姿、自分の中身をさらけ出してのりこえようする先に見えるものを今作でどう描くのか最後まで見届けたいです。」

『さんすくみ』絹田村子

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「寺の息子・教会の息子・神社の息子が起こすドタバタ劇。丁寧な画風と描き込みに似合わないぐらいのドタバタっぷりが面白い。どれも「神社仏閣 + 教会あるある」ネタなんだろうな~。」

「「さよなら」は別れの言葉で、言ったら最後、それっきりになってしまうことだってあったりして、どこかに寂しさも漂ってしまうけれど、「またあした」とつけることで、言葉には未来を信じる希望が満ちて、心を前向きにしてくれる。シギサワカヤの「さよならさよなら、またあした」はだから、とっても前向きな物語。先天性の心臓疾患で20歳まで生きられないと言われていた育という少女。高校の卒業式で教師に結婚してといきなり告白して10年ほど。病弱ながらも命を保っている育は、平穏に過ぎる今日を生き抜いて、明日またやってくる今日という日を生き抜こうとする。当たり前のように毎日を送っている多くの人間には気がつけない、熱くて切ない今日という日への想いを感じさせ、かけがえのない生というものへの意識を芽生えさせる物語。最後に見せられるエピソードで、もうこれまでかなんて思わされるけれど、それでも凄絶なまでに生への思いを叫ぶ育の姿に、負けられない、逃げられないという思いを持たされる。ドラマチックでもなく、悲劇のオンパレードでもない静かな展開。だからこそにじみ出る心情がある。」

「ここ 1 ~ 2 年になって多くなったように感じる、「男の日常」をーテーマにしたマンガ"成人編"です。「男ってバカだなあ・・・」って思わせる、悲しい性(サガ)紹介マンガです。アフロ田中に対するシンパシーの感じ具合が半端じゃあないです。」

「『午前 3 時の無法地帯』 の 2nd シリーズ。登場人物は 1st シリーズから引き継いでいるけれど、ストーリーは断然、"危険地帯"のほうが面白い。まじめなだけが取り柄の女の子が、仕事ですったもんだしているうちに成長&メキメキ可愛くなっていく様にキュンキュン来ます。チャラ男の変貌ぶりもたまりません。」

「1巻の1話を読んだときに午前 3 時の無法地帯の主人公の「ももこ」と違くて地味でださい(?)感じの主人公「たまこ」(名前も地味...)だったので、「どきどきしないな~。 大丈夫かな~。」なんて、余計なお世話ながら読み始めたのですがなんと、話を重ねる毎にたまこが魅力的に...というか、きらきらしてきて4巻の最終話なんて私が惚れちゃいました。富山で放った言葉にハートを打ち抜かれました。たまこの周りのももちゃんやデザイン事務所のみんなパチンコ屋さんのみんなそれぞれのキャラクターもきらきらしてて本当にHappyな気持ちになる素敵な作品です。たまちゃん! お幸せに!!」

「元超金持ち一家の御曹司・真道のどん底からの成り上がりストーリー。今までの西森作品にはいなかったタイプの主人公かも。ものすごーーーーく面白い!西森作品ならではのコメディ要素とスカっとするストーリー展開、キャラも魅力的だし、今後期待大の作品!」

「そろそろ西森先生のヤンキー漫画を見たいなと思っていたら、なんとオボッチャン漫画。これはこれですごくおもしろくて気に入ってます。」

「富豪から転落した坊ちゃんがのし上がる、サクセスギャグ漫画。アラサーは、ツボなとこ多いのでは?」

「イメージ、内容は全然違うのですがアメコミを彷彿とさせる無敵キャラの主人公が最高に面白い!!今までが細かいストーリーを書いたものを集めた形になっているからこそ、今後の大きな展開が気になる所!!」

「主人公の物語から、学校へ、そして町内、世界へと展開してゆき、すべての出来事が必然であり、最後のオチへと集束されてゆく無駄のない構成が見事。主人公の楽天的で、家族思いの性格も高感度が高く、読後感もさわやかな良い作品です。」

『幻影博覧会』冬目景

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この著者にしては標準的な作品だが、それでも年間ベストテン級。この安定感はもっと評価されるべきだ。

「戦闘用の獣、闘蛇等、政治に使われる獣たちと一人の少女のお話。生き物にまっすぐ優しく関わる女の子と政治で物のように扱われる獣がいい。どんなに心をとざしてもまっすぐ一生懸命いけば報われるところにこちらも救われる。」

「再録の本は本来ダメかも知れませんが、新作も含まれていますから。青春+タイムスリップ、という作品は数あれど、SF ファンのとり・みきさんならではの緻密な構成のタイムスリップものとしての完成度、さらに 80 年代の原宿、一方で 90 年代のフリッパーズ・ギターというモチーフ、どちらも郷愁を誘わずにはいられない。照れ屋さんが照れてることをギリギリで隠しながら本音で語っているこの感じ、たまらないですよねぇ......!それにしてもあの先生、ヤンクミの元祖に見えてしょうがありません。」

「引っ込み思案の主人公・くるみの一歩踏み出す姿に共感!今の自分のふがいなさというか、そういった負の感情から脱却していこうと努力する姿勢は多くの読者が自分の身上と照らし合わせながら読んでいるのだろうなぁと思います。きっかけは髪留めひとつかもしれない。着ぐるみをかぶることなのかもしれない。なにげない誰かのひと言なのかもしれない。そういったきっかけの大切さ、有難さにも気付ける作品です。」

「イラスト・ストーリー・キャラクター...全てにおいてレベルの高い完成された軍記ものだとおもいます。ガチの軍記物ですが、キャラの魅力もあり一部女性ファンも大量に取り込んで、ストーリーもこれから大きな戦争が起こるのでは ?! と読者に上手く見せているのもとても良いです。また小道具に至るまでの筆者の時代的なこだわりも見逃せません。」

「グーグーが終わってしまいました。悲しい。どうしたら......」

『狂骨の夢』志水アキ

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「この人の描く京極ワールドの世界観に何の文句もつけようがありません。番外編と違って重厚な本作。読み返さないと理解できない物語構成をしっかりと表現している逸品です。」

「「万年Bクラス」球団だってめげずに応援を続けるカープファン。球団への応援が、悩みを抱えた自分自身への応援にもなるドラマにジンと来る。そして、震災に向き合った場面に心ふるえた。「応援」を使命とするこのマンガがここでこの道に進まないでどうする、という作者の覚悟を感じた。」

『キーチVS』新井英樹

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「新井英樹のマンガは不当に評価が低い気がする。それは本当に見たくないものが描かれているからではないのか?そしてそれこそが「本物」なのではないのか?僕は今この人のこの作品から目を離すことは失礼だと思う。」

「読感すごく良かったです。この漫画に詰め込められた病院の中での日常に、笑い、泣きました。店の POPにごちゃごちゃと内容を書くよりも、一人でも多くの人に手に取ってもらうのが一番の POP になった作品です(クチコミという意味で)」

「眩暈と吐き気と悦楽のめくるめく世界へ。」

「真弓さんがとってもキュートでどのあたりが「かわいそうな...」なのか判らなかったけど読み進めていくと、やっぱりかなしかった。真弓さんを中心に登場人物たちが、幸せな気持ちになったり 悩んだり つっぱしったり 暴れたり すごくわくわくする4話だった。」

『カレチ』池田邦彦

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「真面目でベタで浪花節。絵も話も古臭い。でもそこがいい。「鉄道漫画」と一言で済ませるにはもったいない。それにしても、なんでフリーハンドでこれだけ列車の絵が描けるんだ !?」

「ここ 1 ~ 2 年になって多くなったように感じる、「男の日常」をーテーマにしたマンガ"入門編"です。ゆるすぎて、日常に近すぎて、無色透明な笑いのある4コママンガだと思いました。」

「様々な要素を見事にまとめ上げている。趣味性の高さと反比例するはずの浸透力が、同居しているっていう。とても素敵な気分にさせてくれます。沙村広明さんの「おひっこし」にも通づる感じ。」

「大丈夫、どうせ賞とっても流行りはしないから。」

「アラサー女子かよちゃんのゆる~い日常を描いた作品。恋愛にガンガンいくでもなく、仕事をバリバリ頑張るでもなく、日々をゆるふわ~っと生きるかよちゃんに自分の姿を重ねてしまいます。」

「くすくす系。せやけども、ゆるくなりすぎてへんくって◎バランス感が、好きです。」

『女の穴』ふみふみこ

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「女のエゴとか愛とかを SF 風味、オカルト風味、SM 風味で描かれたこちら、正直、侮ってた。ちょっとエロいマンガかなー、とか思ってた過去の自分におバカといいたい。この先も楽しみな作家がまた一人増えました。個人的にハゲチビデブのゲイのキャラクター素晴らしいな、と思いました。」

「なんといってもトキさんだろトキさん!この人がいなければ物語が倍のスピードで進行するだろうけど、この人の暴走があってこその「主泣い」だ!」

「ただ笑いたい。そういう時に何度も読み返しています。東村さんの天才的なギャグセンスと予測不能の展開!トキばあちゃんが好きだ~。」

「古都、京都のリアルタイムなう。を描いたマンガ。古びた街並 × 封建的な価値観 × オシャレ × 恋愛が巧妙に混ざっている様は、哀愁的な竜宮城にいるみたい。」

『乙嫁語り』森薫

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「去年の大賞作『三月のライオン』とほぼ同等で迷っていました。でも今年は迷いません!」

「この話の舞台が、他にはない世界・時代である点がまず新鮮でよいと思います。また、登場人物が全然現代的な感覚でしゃべらない所が作品によりリアリティを与えていると思います。最近はマンガだけでなく小説や TV ドラマなどでも、歴史物なのにやたらと自分の思いばかりセリフにしてしゃべる(しかも現代人みたいな意見を)作品が多い中で、作者が本当によく時代背景を咀嚼して書いているんだなあと感じます。」

「去年も一押しだったのですが、今年ももっと多くの方にこの作品を読んでほしいと思い、推薦します。19世紀の中央アジアが舞台ということで敷居が高いように思われがちですが、絵も美しくかなり読み心地の良い傑作です。3 巻に入って新章突入。シルクロードに暮らす彼らの生活にも変化が訪れます。これ程作品内の世界に没頭できる作品も稀なので、是非呼んだことのない方には手に取っていただきたい作品です。」

「鮮明な「静」と「動」がよりストーリーやキャラクターを際立たせています。」

「「乙嫁語り」の舞台は、19 世紀の中央アジア、カスピ海周辺の草原地帯。遊牧民の娘・アミルは、もう 20 歳。手違いで、12 歳の男の子・カカルクに嫁いでしまいます。8 歳離れた姉さん女房カップル。さらには、アミルの部族がとある事情で、彼女を取り返しにきたり......と新婚夫婦に危機が訪れます。" 部族違い&年齢違いの恋 " の行方やいかに?このふたりの物語かと思いきや、2、3巻と進むにつれ、じつは主役の「嫁」が入れ替わるという趣向。羊飼いの未亡人に、パン焼きが上手な女の子......「嫁」たちの幸せが読者的には最大の関心事ですが、見所は他にも。圧倒的な画力で描く、炊事、狩り、牧畜、洗濯、馬乗り......日常描写が圧倒的に素晴らしい。ほぼアシスタントなしで、作者の森さんが自ら描いているのだそう。うっとりと心ゆくまで眺めたくなるまんがです。」

「リアルな格闘技漫画だと思います。派手さやカタルシスは少なめだけど、こういうの、読みたかった。」

「中世期のスイス独立運動を題材にした作品ですが、1・2巻はとにかく読後感の悪さが半端ないです。圧倒的な画力と感情移入せずにはいられないストーリー展開で読者をグイグイ引き込むだけ引き込んで、最後には絶望を与える。こんなに後味の悪い作品は久しぶりです。それでもなお、「絶望の中で必死に生きている」登場人物達に思わず涙する事もしばしば。読後、とても疲れた気持ちになるのに「早く次巻が読みたい」と思わせるのは凄い。」

「多分マンガ大賞にノミネート出来るには関数的に今年で最後かもと思い今回選択しました。ライトノベル原作のコミカライズながらも、原作を壊さずに筆者が見事に昇華させた作品です。原作もアニメも今の所終了しておりますので、同作品のファンとしてもも少し小梅けいと版狼と香辛料を見ていたいと切に願います。」

『大奥』よしながふみ

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「嫌いだった登場人物にいつの間にか一番感情移入してました。この経験は感動ものです。」

「大井昌和先生の描くキャラにはオトコの夢が詰まっている!おそらくいま日本で最も"おっぱい"を描くのがうまい作家さんなんじゃないでしょうか。(自分だけかもしれませんが)ともかく読むだけで幸せになる。今年も新作を数多く出された大井先生ですが、その中でも本作を推したいと思います。「ちいちゃん」「一年生」「ひるドラ」「おくさん」とどの作品も娯楽作品として一級品に仕上げる大井先生。もっと評価してもらいたい作家さんです。」

『エリア51』久正人

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「パッツと見の印象はスマートでスタイリッシュ。影絵のようで切り絵のようでもあって、ホワイトとシルエットで描かれるキャラクターも背景も、構築的過ぎて何が描かれているのかにまず迷い、描かれているものに心を近付けるのに少し戸惑い、物語の世界へと入り込んでいけない。けれども、読んでいくうちにそのシルエット、そのフォルムで描かれているものが誰で、どういう表情をしているのかが、だんだんと分かってくるから不思議なもの。目が慣れたのか、慣れるようにし向けてあるのか。いずれにしても、気が付くとその絵に目を引きつけられ、その物語に心を奪われている。魔物や妖怪の類が集められたアメリカ51番目の州、エリア51という場所を舞台に起こる、エキサイティングでハードボイルドな出来事を描いた久正人の『エリア51』。女性探偵のマッコイが、細いウエストに張り出した胸に長い髪、抜群のスタイルと愛嬌のある美貌を持ちながら、手にはコルトガバメントを持ち飛び回り、危険とあらばぶっ放して、事件を解決していく姿に惚れる。彼女が稼いだ金をその身に惜しげもなく注ぎ込む理由は何で、原因は何で、どんな結果が待ち受けているのか。だからこそ急いで生きてやり遂げようとしている何かの正体は。果てに待ち受けている運命が、いささかの哀しみを帯びたものだとしても、救われる可能性を信じて読み続けたい。」

『海街 diary』吉田秋生

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「静かな展開、さりげないモノローグに揺さぶられます。このさじ加減が心地よくてとても好きです。」

「やっぱり外せない。他にも候補がありましたが、これは入れたい。大人も子供もお兄さんも。」

「大人になりかけの中学生は悩みます。その悩みは、大人から見ると大したことないように思えますが、本人にとっては大問題。自分の状況に合わせて、大人顔負けに考え、なんとか答えを出そうとします。それを丁寧に、あたたかい視点で描き出す。そこにぐっと来ます。そして鎌倉という街の落ち着いた空気感が、さらにそのあたたかさを強めています。しっとり、じんわりと心を動かされる作品です。」

「次元を画する巧さ、としか言いようのない作品。新しい登場人物も必ず別の誰かの知り合いだという、どんだけ世間狭いんだパターンが多いとはいえ、素晴らしい。」

「「食欲」と「性欲」は睡眠欲とあわせて人間の三大欲求といわれますが、どうしても「食」と「性」ってのをリンクさせちゃうわけで。この「食」と「性」をうまくマリアージュさせたのがこの作品。学食のおばちゃんと学生、顔を合わす機会は多くとも交わす言葉は二言三言。その中に生まれる妄想と、ちょっとした暴走。日常の中に潜むちょっとしたフェティシズムをうまいこと増幅させ、ニヤリとさせてくれる良作です。」

「「うどん」がこんなにもエロスをもちあわせていたとは。新発見です。近い将来転職するなら学食だなという希望を抱かせてくれた、いいお年頃の女子にとってのロマンあふれる一冊。」

「学園ファンタジーですが、その独特なイラストの書込みは他の追従を許さない高いレベルだと思います。ストーリーも分りやすく、ヒロインも良い意味で読者の期待を裏切らない先輩女子がとても魅力的です。主人公との微妙な関係も心地よいですね。」

『う』ラズウェル細木

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「『酒のほそ道』などの鉄板シリーズから脱却し、「うなぎ」一本で勝負をする潔さ。調理法のバリエーションが少ない「うなぎ」という素材をちょっとしたうんちくとエピソードの面白さだけで押し通す。「旨そう!」「食いたい!」という本能が刺激されまくる、ある意味料理マンガとして最高の作品。」

「遂にこの境地にまで達したのか・・・うなぎを食べるだけの漫画があるなんて・・・食べ物を題材にした漫画は数多くあるけれど、本当にうなぎしか出てこないのです。うなぎを食べれる幸せと同じくらいこの漫画を読めることに幸せを感じるが、うなぎを食べにいく事に対してハードルが高く感じてしまうため、すぐには食べる事が出来ない現実にふと戻されてしまう・・・」

「相次いで亡くなった親友の夫婦の娘・紗那。親族に振り回されるのに我慢できず、「俺のとこに来るか?」との一言が物語のスタート。30 代独身男と女子中学生のイビツな生活のためには約束が必要。「朝ごはんは毎日必ず一緒に食べる」等々。そこに絡むのが、主人公の大学の後輩で大手広告代理店勤務の原由加利。主人公への恋心を秘めながらも二人は大人の関係、というややこしい状態。登場人物がみんな直球勝負で、気持ちいいです。由加利の紗那にも隠しきれない恋慕の情に大人萌え。描写、ここまでエロくなくても十分ですが。」

「めがねっことか、おでことか、制服とか。そういうの好きだっていうだけでもいいじゃないですかたまには!」

「おかざき先生にしか描けない、恋と仕事の話。女子の機微もさることながら、今作は恋する男子の気持ちもえぐるように描かれていて目が離せません!」

「女子高生メイドものです。半分本当です。これ以上はある意味ネタバレです。でも、今、一番続きを読みたくなるマンガ。」

「面白いなぁ。アラサーちゃん可愛すぎる。モテる秘訣も(多分)満載。」

「「2011 年」という特別な一年を振り返って、1位は本作をおいて無い。あまりにも無慈悲な現実に対して、マンガ家が己がペン一本で戦う覚悟を見せられた。いま描かずにいられない思いを込めて描かれたマンガ。これはまさに「祈り」だと思う。」

「しりあがり寿が震災を題材に描いた作品を初出媒体の壁を超えて発表順に収録した単行本。GW 明けの 5月 6 日の朝日新聞夕刊掲載の「地球防衛家のヒトビト」は衝撃的でした。」

「東日本大震災からわずか一月で刊行されたこの作品は反響をよんだ。特に、「海辺の村」は「豊かな生活を送るのをやめ、いつまでも続く幸せを選んだ」という言葉に、考えさせられた。」

「2011 年のマンガから 1 冊選ぶとしたらこれかなぁと。「あの日からのこと」を硬軟様々なテーマを様々な切り口で描く。擬人化された放射性物質たちが原子炉の中で家族団らんしてる短編が色んな意味で強烈でした。」

「感銘。漫画やけど、漫画やないです。ほな、何?って聞かれたら、漫画なんですが、その枠を、かるーく、「ぴょい」っと、飛び越えていって。アウトプット感。」

『姉の結婚』西炯子

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「大人の女性にぜひ読んで欲しい、大人のための恋愛マンガ。大人だからこそ、情熱のおもむくままに一直線に進めない。戸惑ったり、歪んだり、素知らぬふりをしてみたり。そんな迷いがものすごくよくわかる。いったいどっちに進むのか、二人の行方にイライラハラハラしながらも、 どこかうらやましくてうっとりしてしまう、夢のようなマンガです。」

「アラフォー女子には、夢のような設定。同級生がイケメンになっているのもそうだが、あの強引さがまたたまらない。」

「ドラマのワンシーンみたいに、何気なく視線をやるようなちょっとした仕草に、思わず「あー、そうそう、ついそうしちゃうよな」と共感させられます。2人の危うい関係がこれからいったいどうなっていくのか、ただ成り行きを見守るばかり。続きが気になる作品です。」

「連載始まった時に、これは絶対ヒットすると感じたコミックです。熱血スポ根マンガですが、主人公たちが女の子なのでそこまで汗臭さもなく、非常に読み易いです。そして題材が珍しい。薙刀部の話。色々な部活動マンガを見てきましたが薙刀はなかった(自分の記憶の中で)のではと思います。ど素人で運動音痴でひ弱だった主人公がひたすら努力して強くたくましくなっていく姿が輝いています。連載楽しみな作品。」

「女子版の熱いスポーツ漫画。意外と、武道のマンガだと男の子が主人公になりがちだけど、今まで、武道と縁がなかった女の子が主人公のこのマンガ。少しずつ強くなっていく倒れても立ち上がって行く姿はまさに、スポ根魂の詰まっているマンガです。」

「汗だくになってぶっ倒れるまで打ち込む不器用さと一生懸命さが熱い。ひたむきに生きる人間のそのど根性をつい応援したくなります。どこか懐かしい感じがする、現代のスポコン漫画。」

「私が昔、剣道をやっていたからか、ついつい長刀のルールと比較しながら読んでしまう。一年生のでこぼこトリオの絡みや力関係の下りも、自分が部活をやっていた事を思い出すので、余計読み込んでしまいました。これから、旭がどんな感じで成長していくのか、先がよめてしまう気がしないでもないが、それはそれで楽しみです。」

「三年間ほとんど誰とも話さず孤立していた高校生が卒業式から入学式にタイムスリップして高校生活をやり直す話。やり直すからには前向きでぐんぐん頑張るかと思いきや結構他力本願だったり根本的にはあまり変われず、でも少しずつ変化していくところが人間らしくていいなー。」

『暁のヨナ』草凪みずほ

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「王女が強く生きていく生き様が描かれています。それまでの生活が一変してしまったヨナに振りかかる試練を乗り越える姿が読んでいて気持ちいい。仲間たちも個性的。暁の名前は嘘でない、心が燃える漫画です。」

「20 年以上変わらずの安永節をさらにパワーアップさせつつ、SF 的に星雲賞をとっても不思議じゃないと思わせてしまうような薀蓄を練りこみ、しかも先を読ませない大展開の怪作。1 巻読んだときにこうなるとは思わなかったもの、ホント。食わず嫌いではもったいない!」

「変態さんばかりの、相変わらずの安永節ですが、他の作家さんではこれは多分かけないと思います。そんな強烈な個性が好きです。色んな意味できわどい事を描いていても、いやみや毒ではなく勢いで飛び出しちゃいました、みたいな感じがします。それにしてもヒロインがどんどん不幸に、というか人外になっていくのも相変わらず・・・。」

『青空エール』河原和音

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「すっごく熱血で青春で、まぶしいくらいキラキラしているのに、主人公はミニスカートの下にジャージはいてる。そんなリアルなところも好きです。」

「8 巻なので、最後におしておきたい。がんばってる人を「がんばれ」とさらに応援する主人公たち。がんばってる人には「もうがんばらなくていいよ」が正解のときもあるかもしれないけど、がんばってるからこそ「がんばって」と思わず言ってしまう時、言ってほしい時もあるのではないかなあ...と、この作品を読むといつも思う。まっすぐで美しい、青春少女マンガだと思う。」

「言葉の壁で四苦八苦するも、片思いの女の子に体当たりでアタックする主人公の姿がほほえましい。ほんわかとした温もりのある作品です。」

「咲坂伊緒さんの作品は前作「ストロボ・エッジ」からのファンです。今回も男性キャラがかなり魅力的で読む度にトキメいてます(笑)。ときめきに飢えている方におすすめ!」

『青の祓魔師』加藤和恵

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「周絵の美しさ、緻密さ、キャラクターの表情などすべてにセンスとパワーと愛と愛らしさがあり、命が灯っている漫画だな、と思います。どのキャラクターも命の灯った表情をしている。どの場面にもぎゅうぎゅうに魂が詰め込まれている。心が飛んだり跳ねたり揺れたりしているのが見えるようなキャラクターの瞳、口元。京都編で京都タワーを見上げた燐の表情がとても好きです。もうね...抱きしめたいよね...。」

「1980年代初め。まだまだ素朴で家内制手工業的だったマンガ、アニメ業界の舞台裏を、マンガ的誇張はあるのだろうけどほぼ実話?と思えるエピソードで描く。主人公ホノオは週刊少年サンデーの「炎の転校生」で連載デビューする前の島本和彦の分身だろうし、DAICON時代の岡田斗司夫や庵野秀明など大阪の大学生だった歴々は実名で描かれる。よくは知らないけれど、きっと風貌もそのままなのだろう(とりわけ岡田氏の描き方ときたら......)。2012年の現在もそういう面はあるにせよ、当時、アマチュアが一夜にしてプロに、そして人気作家にというアメリカンストーリー(日本だけど)的な展開はもしかしたら手に届くと思えるところにあり(少なくとも手が届くような気はしていて)、その意味でコミケ・同人誌文化が爛熟してプロとアマチュアが相互乗り入れ的にあるいは並行的になった今の状況に比べると、シンプルかつ、ある意味で健全なおとぎ話のように懐かしい気分で楽しめる。そして、まだマンガ好きが「オタク」がさげすまれるようになる前の、でも田中康夫の「なんとなく、クリスタル」デビューよりは後の、まだぎりぎり平和な時代の文系男子の青春ストーリーは、当時を知らない若い読者の方々にもきっと新鮮だろうと思います。現在7巻、おそらくラストチャンスということもあって挙げます。」

「社会に出る一歩手前、空回りが許される最後の時期の盛大な空回りを描いて余りある名作。そこに日本のマンガ、アニメの大きな転換期(高橋留美子、あだち充の躍進、ゼネプロ→ガイナックス勢の胎動)が背景に描かれることで、資料的価値まで付加されてきてしまって、もう、とにかく贅沢な一作。いよいよあの記念碑的作品が生み出される...!」

「面白いなぁ。一見まんが道的自伝のフリして(笑)日本漫画界の技法やビジネスモデルの進化を分解整理。実は高度なマンガ業界サバイバルなノウハウ書でもあるんじゃないでししょうか。NHK とかで実写ドラマとかになったらいいなぁ。」

『ZUCCA×ZUCA』はるな檸檬

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「周りに宝塚が好きな人はいないけど、宝塚に限らず、何かにハマっている女子とは素晴らしく愉快でかわい
らしいな、と思えた1冊でした。読後に宝塚って1回、観てみようかな、と36歳のオッサンのおれに少し
でも思わせたのはすごい。」

「平常心でみると、何かに夢中になってる人の行動はちょっとおかしくおもしろい。ヅカオタたちを描いたマ
ンガですが、その行動力や情熱に笑いと力をもらえます。ふとしたときによみ返してしまうマンガ。そのう
ち「ZUCCA×ZUCA」経由でタカラヅカにもハマりそうでちょっと気をつけています。」

『WOMBS』白井弓子

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「謎がだんだん明らかになりそうで、続きが気になる展開。」

『VIVO!』瀬川藤子

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「自らが望まない教師になってしまった主人公と、それぞれが様々な理由を抱えて学校になじめない生徒達の物語。「学校」と言う逃げ場の無い場所の中でどう立ち回っていくのか、何も考えていない(風に見える)主人公がこの先、どう言う風に周りを変えて行くのかが楽しみな作品です。」

「生徒からしたら、やな先生なのかもしれないなーと思いましたが、社会人からしたら、「そうそう。俺もそうありたい!」と思わせてくれる痛快学園クレバー教師マンガ。この解釈正しいのかな。読んでみてください。特に学生。」

『Sunny 第 1 集』松本太洋

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「松本太洋の最新作。星の子学園で、何らかの事情で親と離れて生活をする子供たちのお話。親に会えなかったり、ろくでもない親だったりと彼らを取り巻く環境は「不幸」なのだろうし、親と会えない悲しみも彼らは知っている。でも、彼らは愛で包まれている。なぜだか読んでいくとそんな気分になってくる。施設の職員さんの愛情であったり、地域のおばちゃんたちの愛、何より彼ら自身が互いに互いの悲しみや切ない気持ちを理解し合って支えている。喧嘩も耐えないけれども、互いが互いを支え愛し合っていて強く生きている。松本太洋の作品って人間の根本にあるたくましさや美しさを感じる。どこかのコーヒーの CM ではないですが、「この、ろくでもなくも美しい世界」を感じずにはいられないのです。」

『SCATTER』新井英樹

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「タップリ散りばめられまってきた複線たちがようやくつながり始めてきたら急激にヤバくなってきた。読者を突き放したストーリー展開だがハンパない緊張感と熱量に引き込まれてしまいます。」

『Piece』芦原妃名子

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コメント無し。

「完全版のこのマンガを書いてもよいのか・・?と思いつつも、エントリー規定には引っかかってないようだし、今後書く事はできないので是非!!  漫画で人生が変わることがあるとするなら、間違いなくこの漫画は私の人生を変えた漫画だと思う。さえない考古学者であり、英国 SAS の元エリート教官という、平賀・キートン・太一。時に SAS で身に付けた知識や技能で敵を倒す無双っぷり。時に考古学者としてみせるちょっとダメな感じ。このバランスが本当に面白い。漫画が漫画なら彼はスーパーヒーローとして地位も名誉も栄光もつかんでいるのに。本当にやりたいことはなんだろう?自分が人生をかけれる夢はなんだろう?時に苦虫を噛み、苦しみもがきながらもぶれない彼の人間くささが大好きだ。ソビエト連邦、東西ドイツ統一後の流れ、アイルランド紛争、シリンダー錠の開け方 etc...。この本でいろいろなことを知ったし、雑学という知識を身につける楽しさを私に教えてくれた漫画。」

『KEYMAN』わらいなく

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コメント無し

『I.C.U.』タイム涼介

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「あしたの弱音、アベックパンチ、と続いたあまりにも独自路線を走り続ける孤高のマンガ家タイム先生の新作はまさかのオカルトものだった!そのチャレンジに期待。」

「「見だらそうなる。」このマンガを読んだあと、何かをするにつけてこの言葉をすごく意識するようになった。
小さい頃に考えていた、(考えすぎて寝れなくなったくらい考えていた)【生と死】【自分と自分以外のひと】に、
関して答えというか ヒントを与えてくれた。それが冒頭の言葉であったりイサオの行動だったり だ。そ
して、大人になって忙しさに感けていて忘れてた小さい頃に思っていた、この恐怖を再び呼び起こした作品
でもある。作品は、自分自身の深層心理に問いかけてくれてイサオの行動から、言葉から自分の考えを引き
出してくれるなんだか体感する現代アートみたいな感じで不思議な感覚で読み進めていくことができる。本
当に怖いのにイサオの行動や言葉をもっと知りたい。もっと、このくらくらする体感をしたい。2 巻をこん
なに心待ちする作品は久しぶりです。いがらしみきお先生、本当に凄すぎる。」

「「神様」を探す二人の男子。奇しくも舞台は、震災のあった東北地方。前作「かむろば村へ」をより深く掘
り下げて「命」「死」の真理に一歩でも近づこうとしているストーリー展開には言葉を失うこともしばしば。
読み応え十二分!!!」

「で、このむちゃくちゃに絵が上手いC.H.LINEて誰やねん、という問題は一向に解決されないんですが
巻を重ねるごとにロボ濃度が高まってきてサンライズ黄金期を知る世代にはもうたまりませんです。リド
リー・スコットはアバターであんなモッサリしたしょーもないロボ動かしてる暇があったらさっさとこれ映
画化して欲しいもんです。第9地区の人でも良いです。」

『flat』青桐ナツ

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「哲学を感じます。もうそんな域ですよ平介は。この漫画を読むと、いつも自分がいる世界から違う世界にぼ
とっと落っこちる感じがして、現実に縛られすぎなくていいのかもしれない、と少し安心してしまいます。
私もこの漫画に出てくる人たちみたいになりたいです。」

『DOIS SOL』村瀬克俊

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「こんなに面白いのに、売れる売れない、アンケート投票の人気があるないという基準でこんな中途半端なかたちで終わらせてしまう週刊少年ジャンプ編集の感覚がよくわからない。メディア化作品以外はダメなのか?そう感じた作品です。他誌で掲載されていたらもっと激しく読み応えのある展開で我々読者を楽しませ続けてくれたのでは?そう思うと本当に残念でいたしかたない...最終回の村瀬さんのやるせない気持ちでいっぱいで描かれた内容や、巻末著者コメントは最高でした。負けるな、村瀬さん!応援しますよ、私は!」

「高校生ダンス部の青春を描くマンガ。「100%やりきらなかったら楽しくない」スタイリッシュな作画からは想像もつかないほど努力友情・汗と涙のアツいマンガです。青・春!」

「青臭くて身悶えしちゃうのに、何度も読み返しちゃうのはそれだけ力強いからかと。」

「アツいっ!とにかくアツい。そんな作品。田中さんは『リベロ革命』から大好きで、『鳳ボンバー』も『あおい坂』もお気に入りでした。でも、そんな熱血の系譜の中でも今作ほどアツく読めたのはありませんでした。主人公・一条龍の衝撃的、かつ絶望的な挫折。もうお終いかと思いきや、そこからの奇跡的な復活。通常の類似作ならこの復活劇に多くのエピソードを費やすのに数話分で終了。この潔さが悲壮感を排除し、龍の復活劇への期待感を煽っているんです。だから至極単純にアツく読めるんです!なかなかないですね、こんなスポ根マンガ!早く次の巻が読みたくてしかたない、そんな作品です!」

「原作小説は読破済み。なので犯人もわかっているわけで、むしろ叙述トリックである本作をどうやってマンガであらわすのかと思っていた。読んでみたら、そうか、むしろディフォルメされたマンガだからこういう表現が可能なのか。と納得させられる展開。」

「現役アイドルのマンガ化と聞いて侮る事なかれ。昔から「女子+スポ根」という図式は少女漫画の王道として数多く存在してきましたが、この作品はその図式をアイドルに当てはめて、激アツ少年漫画に仕上げています。AKB に興味が無くても全く問題なし!純粋に、今熱いマンガを読もうと思ったらこの作品をどうぞ。」

「過去を断ち、自分たちの野望や夢を実現する人たちの話が重なり合い、第二部への展開が楽しみな作品。」

「サッカーマンガのジャンルになるのだけれども、ただのサッカーマンガではありません。主人公とサッカーを中心に、人と人の出会い、ヒューマンドラマ的なマンガです。サッカーは一人でやるもんじゃないと良く言われますが、このマンガも主人公一人のマンガではありません。主人公と出会った人がそれぞれのドラマを見せてくれます。感動必至のマンガ。胸が熱くなります。もっと沢山の人に触れて欲しいマンガです。」

「頑張ろう!くよくよするよりもすることがたくさんあるんだ!と、元気にしてもらえる漫画です。」

「授業中、隣の席でいつも「何か」をしている関くん。その「何か」がどんどんスケールアップして、いつの間にか笑わされたり時には感動させられたり。是非ともこのひっそりとした面白さをキープしたまま続いていってほしいところ。」

「授業中にすごいことする漫画です」

「教室で隣の席に座ってる関くんが、ひたすら内職(って学生時代いいましたよね?)してるじみーな漫画。だがしかし、その内職の内容が、二度見しちゃうくらいおかしなことをしているもんだから、気にせずにはいられない!!」

「「こんな地味なマンガがあっただろうか!?」と各方面で話題...らしい。あまりのコピーに気になって手を出してみたら、これがおもしろい!元・内職マニアの私も舌を巻く悪行の数々。ドミノ、棒倒し、将棋、囲碁、等々。これだけ聞くと、割と普通の内職 (?) ですが、関くんはひと味違う!おかしな方向へ進む関くんに、主人公の横井さんは授業そっちのけ。2巻では二人の様子を「相思相愛」と勘違いして暴走する後藤さんも登場。もう、読んでくれーとしか言えません。誰しも、あの頃に戻れます。」

「授業中にひたすら内職をしまくる話。というか、内職ですか、コレ、というレベルですけど。場面が教室の中だけ(体育の話のときに校庭に出てましたが)という狭い空間で、話が進んで行きます。疲れたときにオススメの一作。」


「着想力に感心する。これが売れて短編集などが出ないかなあという期待も込めて。」

「この手の「ひっそり面白い」マンガはむしろ人に教えずひとりでこそこそクスクスと楽しみたい気持ちもあったけれど...面白いから仕方がない!実写映画化希望!」

「関くんの隣にだけはなりたくない。授業に全く集中できない。」

「こんなことしている奴いないだろーと思っても読んじゃう。関くんの机上パラレルワールドに引き込まれてしまう。突っ込みいれながら読んでしまう。おすすめだよといいながら内容話しそうになる楽しい漫画。」

「日常的な「箱庭」を舞台に設定し、他愛の無いギャグの反復に徹した姿勢はむしろ好ましい。ショートコメディの王道として広く読まれるべき快作。」

「「このマンガは発明だ!」ときっと他の選考員の方も仰っているでしょうが、どこかで見たようななじみやすさがあるのに、圧倒的に新しい。ネタ満載のギャグマンガなのに展開が練り込まれている。学校の授業中に特化した場面設定に加えて、ストーリーのほとんどが主人公の女子生徒と「となりの関くん」だけで構成されている。その画角をカメラワークに例えるならば、もうほとんど寄りっぱなし。にも関わらず、ネタの強さとメリハリ、そして疾走感ありまくりのめくるめくコマワークであっという間に現在刊行されている 2巻まで読了してしまう。毎回毎回、新しいモチーフを持ち出して、果たして何巻まで続くのかと不安になるほどの凝縮感とドライブ感。「マンガが好き」という方はぜひ手に取って頂きたい、エポックメーキングな作品です!」

『鬼灯の冷徹』江口夏実

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「鬼灯のド S. っぷりと、シロの可愛さが王道ではあるんだが、王道ではあるんだけど、笑える。面白さはもっと別のところにある気もするけど、それを受け止めるキャラクターたちはえらくバランスがいい。地獄もわるくない。」

「地獄八景獄卒戯。鬼灯様がいるなら地獄行きでもいいかなーとうっかり考えてしまったけど、ドSなのでツッコミが容赦ないです。鬼かお前は!(鬼です)」

「面白いなぁ。地獄の島耕作。抜群の安定感。」

「冷徹で絵に描いたようなドSキャラ、閻魔大王の側近・鬼灯の日常を描いたギャグマンガ。弱気な閻魔大王や、自分探し認定されてしまう桃太郎など、登場するキャラクターの性格づけが絶妙。現在、3巻まで出てますが、失速する気配ゼロで今後が楽しみ。」

「独特な画風だけど読みやすい。ドSな鬼灯さんもどこか愛らしくてたまらない!容赦ない厳しさも清々しい。そんなキャラが素敵です。」

「怖くない地獄の話。主人公の性格は鬼そのものですが。しかし、ぶれないところが良い。威厳の無い閻魔大王がちょっと目新しいかも。」

「ヴィレバンで、聖お兄さんの隣においてあり、気になって手にとってみると・・・おもしれ!!ゆる~く地獄の日常が描かれてます。あぁ~、地獄も実際の会社として成り立っているならこんな感じなんだろうなぁ。としみじみ。発想が面白いし、動物キャラが可愛い。カチカチ山のうさぎさんが出てきたときはびっくりしました。私ももともと神話や民話が好きなのですが、それを自由な発送で描いたり空想してたのしみたくなるよね~!と作者さんに共感します。」

「やけに人間臭い地獄の住人達。この世とあの世の絶妙なリンクの仕方がもうたまりません。いつも可哀そうな目に合う閻魔大王が出るたびに「いったい次にはどんな可哀そうな目に合うのやら」とつい期待してしまいます。閻魔大王の立場はちょっとした地獄ですね。」

「たまには閻魔様にも優しくしてあげてください。でも、冷たくなくては鬼灯さまではないな、という葛藤が生まれます。」


「地獄で鬼灯。」

「地獄の日常、文句なしに面白いです。こんな地獄なら落ちてもいいかも...やっぱり嫌かも。」

「今回一番の衝撃作!地獄・鬼・ドSって!でてくるキャラすべてがオカシイ。もっと前から読んでおけばよかった。」

「舞台が地獄なのになんでこんなに楽しそうなんでしょうか。万人に受けるギャグと言う点でこれぞ王道と言う感じがしました。まさにマンガ大賞の趣旨(皆にオススメしたい)にあった作品だと思います。」

「どちらかと言えばSな私も、鬼灯さまになら喜んでドMになれる。」

「だって、ど S だもん!この1年、本当に売れ、たくさんの人にが手に取ってくれたことが、この作品の面白さを表していると思います!」

「主人公・鬼灯のド S っぷりと、閻魔大王をはじめとする地獄の住人たちのキャラ立ち具合が絶妙。ページを開くたびに、いちいち驚かせたり、笑わせたりしてくれる。何よりすごいなーと思うのは毎回、ほぼ地獄という同じシチュエーションにも関わらず、話の展開が一向に失速しないこと。こんな地獄だったら、私も働きたい。けど、どの地獄担当に立候補するかが問題......などと、真剣に検討してしまうほど。」

「限りなくリアルな舞台裏に震撼。て、地獄見たことまだありませんがwなんかこんな地獄なら別に落ちてもいーんじゃないか?...て裁く側であればですね。わかります。地獄のドSな島耕作。」

「読み応えがある知的ギャグマンガ。」

「まさにポスト「聖☆お兄さん」。主人公の鬼灯はオリジナルですが、閻魔大王や桃太郎などの昔話でお馴染みのキャラクターがいて話に入り易い。そして鬼灯の仕事が地獄の運営で、様々な拷問が紹介されますが、どこか牧歌的な雰囲気が漂い、楽しそうにも見える地獄界の様子が心を和ませます。中間管理職の大変さもちゃんと描かれていて、サラリーマン漫画としても共感できる部分もあり、年齢・立場によっていろんな見方で楽しめる。間口が狭いほど面白い事の多いギャグ漫画で、この間口の広さはすごいです。」


「ピアノが弾けなくなった少年と、バイオリンを楽しんで弾く少女と。こぼれる涙の意味はそれぞれ違うのに、そのどちらにも目を奪われてしまうのは、その涙に嘘がないから。あまりに懸命で、全身全霊で向き合うからこそ、流れる涙。息をのんで、ページを括った。まだ始まったばかりの物語。これからが楽しみです。」

「まだ1巻なので早い、時期尚早、来年でもいいじゃないかと声が上がりそうですが、どうしてもノミネートだけはさせたい、(もちろん来年もノミネートさせますが)ということで選びました。昨年発売したコミックの中では、個人的に一番と思っているコミックです。心に響くセリフ、透き通るような描写、考え抜かれた間、ひとつひとつが非常に巧くその場面場面に当てはまり、モノクロのマンガの世界がカラフルに色付いていく素敵なマンガです。今年さらに多くの人に手にとってもらうことを願っておすすめさせて頂きます。」

「丁寧な絵柄にもかかわらず、前作の「さよならフットボール」に続き、躍動感のある表現が上手い作者。「夢を諦めた元天才」というよくある設定を今後どう調理するかに期待。」

「心の風景が絶妙に描かれていて、懐かしい気持ちにさせられる爽やかな作品。 人との出会いや別れの素晴らしさや悲しみ。 忘れかけていた大切な何かを気付かせてくれる。」

「2011年の青春モノで一番かも。登場人物すべてがみずみずしく爽やか!あぁもう一度学生に戻りたい!本誌の展開もますます気になるところ。今年ブレイクしてほしい漫画です。」

「本年度のノミネート作品のなかでは「鮮烈さ」いう点でずば抜けてると思いました。この作品を知らない人に対して「面白いから読んでみて!」と言いたくなる、伝えたくなると作品です。」

「色がみえる。音が聞こえる。すごい漫画に出会えました。2巻の前半で二人が演奏する場面は息をもつかせない描写で夢中になって読みました。1冊読むのがあっという間。これからどんな展開になるのかどきどきします。何かおもしろい漫画ある?って今聞かれたら迷わずおすすめしてしまう一番の作品。」

「当店のマンガ大賞選考委員会は7人。7人それぞれが5点満点で採点し、また、それとは別にイチオシの推薦票と投じた結果、得点数で1位、推薦数で2位になり、今年のマンガ大賞1位候補となった。ちなみに店長である私は7人の中で最も低い点数であったのだが、それは言うまい。」

「ぶっちぎりのマイベスト!絵柄や物語の展開はよくあるといえばよくあるものだが、そんなことをすべて飲み込むくらいのド迫力とひたむきさに圧倒されました。その要因は『類稀なるコマ割り』と『演出力』だと思います。大ゴマの挿入のされ方。背中ですべてを語る説得力。見えない『音』を視覚から聴かせる演出。第1話目を読んだ瞬間の身震いするような感動は近年稀に見る秀作だと思いました。早く続きが読みたい!POP作りたい!もっと売ってこの感動を広めたい!そんな我々書店員の仕事で一番大切な感覚すべてに訴えかけてくる作品です。」

「その真摯さが、まぶしかった。あまりにもきらきらしていて、息をのんだ。何かを好きって、つらいけど、もがくけど、でも、好きなんだ。そう、画面から伝わってくるほどに。全力で泣けるっていいなあ。こんな季節を、わたしは、果たして過ごしてきたのだろうか。これから、過ごすことができるだろうか。今年はすごくすごく迷って、でも「誰かに薦めたい」という基準を思い出して、これを選びました。このまっすぐさが、眩しさが、あなたを支えると思う。このマンガには、それだけの力があると思う。だから、薦めます。この作品の今と、これからに、立ち会ってみてください。」

「真っ白なはずの画面に、いきなり色が見えた。ページをめくった瞬間に現れた、美しい、ピンクの桜の花。まるで眠っているかのように、鈍くモノトーンだった主人公の日常が、『彼女』に出会ったとき、唐突に、鮮やかに色づいた。世界が変わる。そして、本人が気づくより先に、読者は気づかされるのだ。今、彼は恋に落ちた。しかも、初恋だ、と。物語は、元天才ピアニストの少年と、ヴァイオリニストの少女の出会いから始まる。その、要所要所で、物語の進行に合わせ、画面が雄弁に語る。音がないのに音が聞こえる。超絶技巧の少女の弦の音色。少年の、追い詰められてばらばらになっていってしまうピアノの絶望。気持ちよい風を感じる。ひたすら自転車をこぐ。飛び込んだ水が冷たい。友人たちの笑い声。その、すべてが画面から感じ取れる。恐ろしい才能だと思います。なにより...二人が挑んだコンクールでの演奏が凄まじく、素晴らしい。この音が聞きたい。頭の中で響くこの音が、本当に聞いてみたいと、心から思いました。そして、・・・実は、物語はまだ、始まったばかりなのです。2 巻にして、この吸引力。この作品の行く末を、共に歩むように見て行きたい。そして、その思いを多くの人と共有したいと、今、マンガ大賞 1 位に推します。どうぞ、皆様。この優しく強く、まだ小さな調べを、今、一緒に応援し、見守って育ててあげてください。」

「読後感の爽やかさに関しては、今回のノミネート作品の中でもピカいち。音が聞こえてくるはずのない「漫画」という読み物の中で、音楽が見えてくるような、そんな気がする漫画です(って、森川ジョージ先生が2巻の帯文で書かれているコメントみたいになってしまいました)」

「とてつもなくキラキラしていて今の自分にはまぶしすぎる。あぁぁあの頃に戻りたい・・・今後の展開がとても気になる。期待度でいえば間違いなく№1!」

「まだ、賞を取るのは早いかもしれない。でも、連載読んだときからこの作品を愛してしまったので。なんど、心打たれ、涙し、素敵だと思えたことか。全ての人に読んで欲しい作品。」

「ここ何年か流行りの音楽モノで王道だが、なぜか気にいったので一票。」

「漫画として、面白いです。」

『惡の華』押見修造

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「どんどん加速してきた感。好きやけど、好きやないふりしてた系漫画。そういえば、僕も、こういうような時期があったにゃー、とか、思ったり、思わなかったり。自分と重ねて、記憶を反芻して、げぼ吐きそうになる。青臭い。」

「「クソムシ」2011 年で最もショッキングなワードでした。思春期の青さが主人公の世界を黒く変え、どろどろとした世界観を構築していく様は見事。押見修造曰く、「この漫画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げます」との事。この作品が描こうとする「思春期」は、毒があって生々しさ引き込まれます。」

「主人公・春日高男は出来心から片思い相手の佐伯奈々子の体操着を盗んでしまうがそれをクラスメートの仲村佐和に見られてしまい、ある"契約"を迫られる事に...。登場人物の行動に何一つ共感できないのに春日・中村・佐伯のそれぞれの行方がなぜだか気になって仕方がないです。」

「ほんの出来心...と言い訳が聞かない危機。翻弄されたいけど、支配されたくない。捕まりたくないけど、逃げたくない。人間の二律背反な絶妙な心理描写に悶絶。」

「このマンガには交通事故みたいにいきなりぶつかるのがただしいと思うのでおおぴらに人には薦めたくないことを除けば問題ないです。」

「初読の衝撃から、いつかは飽きてしまうだろうと思っていたが、巻数が増えるにつれてさらに衝撃の展開に。今が読み時??」


「押見ワールド全開。この人は何故こんなに混沌とした世界を描くのがうまいのだろうか。ものっそい陰湿な内容だけど、世界に引きずり込まれる、今年一番の漫画。」

「人間のコアにある卑しさにエロスすら感じる。脅されているようで、期待しているような矛盾。欲求と理性の葛藤が妙にリアルで嫌悪感を覚えるストーリー。だがそこに異常に興奮する作品。」

「すべてがなんとなく、胸を苦しめる。自分のようなタイプの人間には山田のようなタイプがなんともいえないリアリティを思い起こさせてくれる。」

「今一番他人におススメしたい、なかなかおススメできないマンガ。でも、主人公達がみんなある意味いい表情しています。」

「思春期特有のこんがらがっちゃった感じが積もり積もって大変なことに...。ううっ、目が離せない。これはどこまでエスカレートしていくんだろうか...。もしも大賞にならなかったとしても、来年も推すと思う。」

「うむ、こいつは変態だ。だが恐らく ( 元 ) 男子は皆本音では共感しているハズ。大変印象に残ったので一票。」

「んー、マウントとって「まじ、本気、殺すぞ、意味わかってんの?意味わかってんの?意味わかってんの?はあ?好きってゆえやあああああああや y¥い r@s じょ fg ぷぃの bw4h じぇた spg ん b %+y@ああ「lty 家ぼっっこぼこ、に、しな f がれあ z「@x::んじょ ht13』』』』』』』』』』』ほくそ笑んじゃうにゃん。極めて、世情な精神状況の、日常。」

「青臭くて面白い。独りよがりまくりの男子の隠れ部屋(世界)。」

「ボードレールの名作のタイトルのこの作品。BUCK-TICK ファンのボクも納得の物語性です。時代はこういうのをもとめているのだなあと思った作品。」

「おまわりさん!変態です!変態がいます!と思ったら主人公も変態でした !! ヒロインも変態でした !!! まともと思った清純派のあの子も変態でした !!!! 巻をかさねるごとにキモくなっていきます !! でもなんでだろう?キモイけど拒絶できない。どこかに共感してるのかもしれない。最終的にどう終わるのか落しどころが検討もつかない気になる漫画です。」

「「変態なんかじゃない!」って、好きな子の体操服着て言ってるとか、「いや、変態だよ!!」って思わずツッコまずにはいられない。でも、心のどっかでうらやましく思ってしまってる自分がいる。だって、ドキドキするじゃないですか!!人間みんな、どっかしら変態要素をもってるんだと思う。だから、この漫画を読んで興奮してしまうのは変なことじゃないんだ。みんなそうなんだよ!!って声を大にして言ったところで、この作品を中学生男子にすすめたい。」

「あたりまえだがいつごろからか「赤面」というやつをしなくなった。中学生の時はしょっちゅう赤くなって困ったのに。本作はそんな「赤面真っ盛り」の中学生男子の内面をねっとりと描く。いやもう痒いというかイタいというか(自分がもはや大人でほんとうに良かったと思わせられる)。なんとなく単行本を手に取るのが後ろ暗いような気持ちにさせるアンダーグラウンドなムードがまたなんとも蠱惑的。経験不足で無知で頭でっかちで自意識過剰でドロドロの妄想に苛まれている、つまりはどこにでもいそうな男子中学生が主人公。整理することも、うまく飼いならすこともできない、自分の中にいつからか居たそんな黒いカタマリのせいで、ずぶずぶと足抜け不能な「ド変態」な境遇に絡め取られていく。男子を結果的に罠にはめる同級生女子にはしかし、自分が罠を仕掛けているなどという意識はさらさらない。ただただ真っすぐに自分の興味関心を突き詰めているだけ。恐ろしい(笑)。生きるのに必要な世間体と厚顔と処世術とはぐらかしを身につける前の一時期の「危うい感じ」を深掘りしていく。でも不思議と下品でないところが得がたいところ。」

「青春モンモンマンガの系譜に新たな金字塔。単なる変態やん、って気もするけど。」

『日々ロック』榎屋克優

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「何度もページをめくる手を止めさせる恥ずかしさ!!それでもなおもう一度ページを開かせる暑苦しさ!!きっとスラスラ描いてないんだろうな。カリカリカリカリ。何度もウジウジ悩みながら描いてそう。自意識とか実存とかロックとか。全人生賭けてマンガ描いてる度ナンバーワン。」

「暑すぎて、不快。暑苦しい。かっこ悪くって、かっこいい。だめだめ感満載。愛嬌のある漫画やなあー、と。好きです。不器用。」

「熱い青春のロックなマンガです。舞台はどこか昭和を思わせる下町。そこで起こるよくあるような、めったにないような出来事に対して主人公が熱く歌うのですが、その歌は魂が宿っているかのように熱い。そして、すごい迫力。熱量が伝わってくるような描写と歌の内容に胸が熱くなります。主人公はロックスターではありません。普通の見た目のごく一般人です。おそらく歌も下手なんだと思います。ただ、歌う時の熱量と想いの強さは常人ではない。ごく一般人が、大半の人がよく感じている理不尽さや、悩みを尋常じゃないぐらいの想いをこめて熱く歌う。これがまた泥臭くていいのです。ビジュアルではなく、その姿勢が物凄くかっこいい。これは読むロックだと思います。世の中の理不尽さに悩みつつも自分を持って強く強く生きて行きたい人にお勧めのマンガです。」

「ハートにゲンコツ喰らいそうなぐらいやられちまうマンガでした。絵から爆音が大音量で聞こえてくるようなテンションで描かれています。読んだ後の余韻が実際のライブ後の余韻を感じさせます。心が痛くて痛くて砕かれて、そこから生まれた主人公の音が読みながら伝わってくる気がしました。」

「上條淳士さんの「TO-Y」が音楽漫画の表現手法に革命を起こしたのが 1985 年。演奏シーンに歌詞、擬音などを書き込まないというその手法を「BECK」も「NANA」受け継いだわけですが、新たな歴史をつくるのは、「日々ロック」だと信じてやまない。」

「あー、ハッピーエンドになってほしいなぁ。」

「ここ数年の中で最も「夢中」になって読んだマンガです。絵心とかそんなものはどうでもよくって、"漫画"としてスゴク読みやすい!ビール一気飲みするみたいに、ガッと読んでしまいました。ただ、とても「尖がったマンガ」なので万人受けは・・・"とんがりたい"人にお勧めです!」

「アホみたいな漫画。暑苦しすぎて、ほんま、うざい。放っておけません。漫画の枠の中で、漫画として表しきれないような不器用さが、初期衝動が、にじみ出てるように、僕は、感じました。とにかく、暑苦しい。うっとおしい。放っておけません。ほんま、いい漫画です。ロックしてます。」

「荒削りなパワーを評価。描き慣れてくるとこの味は出なくなると思うので、今評価しておきたい。」

「くさいセリフ、ベタな展開、下手な絵......なのにそれが胸に響く!!初めて読んだ時、頭をガーンと殴られたような気がしました。きっとこのマンガは頭で読むんじゃなくて、心で読むマンガ。頑張ることやもがくことに疲れた人にこそ読んで欲しいです。きっと「それでもいいんだ」って思えるから。」

「上條淳士さんの「TO-Y」が音楽漫画の表現手法に革命を起こしたのが 1985 年。演奏シーンに歌詞、擬音などを書き込まないというその手法を「BECK」も「NANA」受け継いだわけですが、新たな歴史をつくるのは、「日々ロック」だと信じてやまない。」

「ロックは激しくて、強くて、バカで、純粋で、あたたかくてやさしいもの。だと思う。そう考えると、この作品がロックを題材にしているのは至極当然いや必然でしょう。」

「ライブハウスにソロで出入りしているカッコわるい系(いじめられ)高校生男子・日々沼拓郎(ステージですぐパンツ脱ぎたくなる)のしょうもない日常(八百屋の息子)と、そこからほとばしる音楽の「かっこ悪いことはなんてかっこいいんだろう」な世界。おもしろいマンガだと思う。作中登場する歌詞もなんだか身につまされるというか、胸に迫るというか。「えーっ!」というような、ちょっとびっくりの汚い絵なんだけど、そんなものはどうでもいいと思わせられる熱さと、読ませどころ泣かせどころたくさんの作品。過去でも現在のでもなんでも、とにかくインディーズの音楽に少しでも興味があるひとならば、実にひしひしと迫ってくる何かがあるはず。徒手空拳の剝き出しぶりがうらやましくもあり、痛々しくもあり。それでも、あるいはそれゆえに、突き抜けた明るさが充満しているところが胸のすくかんじ。映画にしたら面白そうなんだけど、どなたか企画していただけないでしょうか。。。」

「売れっ子になる前に日々ロックのライブに行ってみたい。」

「なんか勢いがすごい。」

「このマンガを読んで最初に思った感想が読むロック!想いを伝えるという点で、このマンガ以上のものはあまり見当たらないんじゃないかと思います。歌にのせて叫ぶ主人公の心情がものすごく伝わってきて、これはマンガを越えてるんではなかろうか?とすら思うほど。ビジュアルは全然かっこよくない主人公なのですが、歌っている時はものすごくかっこいいし。何でしょうねこの感覚は。理屈じゃない感じ。マンガというより、音楽に近いというか、まさに読むロックといった感じです。想いを伝えることに躊躇を感じて一歩踏み出せないでいるすべての人にお勧めのマンガです。」

「インディーズ、メジャー、軽音部、同好会、音楽を好きで、唄ったり演奏している方々には是非読んでいただきたい。こういうミュージシャンが増えたら、音楽業界もっと楽しくなるのにな。」


「博士号は取得した後、紆余曲折を経てようやく大学に職を得た主人公・高杉温巳と、従妹の女子中学生久留里との二人暮らしの間をゆっくりと時間が過ぎていく。空回りしがちな温巳と無口な久留里とは、「特売品じゃないものをおかずに出すということは、特別な日というコト」という風に思いを伝え合う。二人の共通の思い出は温巳にとっては伯母にあたる久留里の母の美哉。ちょっとしたときに「美哉ちゃんだったらどうしていただろう」と思い出しながら、その答えをおべんとうという形で表すのが各話の定番の流れ。出てくる人物たちがとても温かい。心がぽかぽかする作品です。」

「実力派は少年誌でも実力派だった。」

「誰かが作ってくれたものは本当においしい、という気持ちを読むたびに強く思い出させてくれる作品です。出てくる食べ物自体の味よりも(もちろんまずそうという意味ではないです)、私のために考えて作ってくれるからこそのおいしさってありますよね。」

「普通のハートピュア料理系漫画かと思ったら、意外な展開でハラハラして飽きない。キャラクターを一緒に応援したり心配したり、読み進めるほど面白くなります。」

「コミュニケーションにそれぞれ難を抱えた30男と女子中学生が、お弁当をはじめとする「食」を通じて心を通わせる展開にムフフ、逆にズレがあらわになる描写にニマニマ、と楽しませてくれる。キャラクターの間の距離感の揺れ動きを描く作者のさじ加減が絶妙。」

「料理って奥深いなと感じます。毎日のことで当たり前に過ぎてしまっている食べること作ることをあらためて考えることができた作品です。主人公の二人が少しずつ歩み寄っていく姿がほっこりさせられます。」

「昨年に引き続いて一次選考から一押しです。大学の職という不安定な立場にありながら研究熱心な主人公・高杉温巳は、無口な従妹の女子中学生久留里と、おべんとうや料理を通じてコミュニケーション。間をつなぐのは、温巳にとっては伯母にあたり久留里の母である今は亡き美哉。一日一日を大切に過ごしている二人とその周りの人々にとても癒されます。人と人がどのようにつながっていくのか、そんなテーマも見え隠れします。それにしても、久留里の友だちは「アンファンテリブル」(恐るべき子どもたち)ばかり。大人顔負けの洞察力を持つ香山なつ希や超複雑な家庭事情で培われた高度なコミュニケーションスキルを有する丸宮光には脱帽です。」

「おべんとうを誰かが作ってくれる嬉しさに心が温かくなる作品です。今回の候補作の中でも優しさが感じられるという点で一番でした。また、地理学的な話がこの作品の進展に自然な形で生かされている点も他にはないもので、面白く感じます。」

「個人的に今年は食と生活というものを強く意識した年だったので、食を介したコミュニケーションをテーマに描かれるこの作品を一位に推しました。清涼剤のような善人なキャラ達に癒されつつ、今後のストーリー展開もきっちり気にさせてくれるのがいい。友達の多くにおすすめできる作品です。」

「最近こういったお話しは結構人気がありますね。 年の離れた男女がある日突然家族になって行く。 そんな中でも、一際面白くて暖かさが伝わって来るのがこちらのタイトルになります。 弊社のお客さんには男女共に人気があります。「お弁当」をきっかけにあまり話さないヒロイン久留里と、主人公温巳 ( はるみ ) はギクシャクした関係から、仲良くなって行きます。 二人で暮らして行くうちに、どんどんと明るくなっていく久留里ちゃんを見ているとなんだかお父さんになった気分で読んでいます。 読み易さと正直に久留里ちゃん萌えでこちらに入れさせて頂きます。」

「掲載誌(の対象読者)を問わない普遍的なストーリーテリングは職人芸を感じさせる。改めて評価されるべき漫画家に違いない。」

「設定はよくある独身青年と女子中学生の義理家族同居もの。しかし恋愛要素は限りなく薄く、同じ食事を重ねることでただの同居から家族になっていく過程が本当にゆっくり丁寧に描かれている。これが非常に説得力がある。主人公が地理学の研究者という設定も面白い。グルメ漫画は数あれど、食を通してのコミュニティー形成を主眼としている視点は新鮮。地域による白赤味噌の違いや、家庭におけるカレーの具のバリエーション等、家族間・地域間限定であればある程、連帯感覚は生まれますからね。」

「食事づくりを通じて不器用な 2 人が徐々に家族になっていく様子がほほえましい。」

「家族もので感動してよいのか、年の差恋愛ものとしてときめいていいのか、今後どちらに転ぶでしょう。楽しみです。そして、おなかがすきます。」

「コミュニケーションにそれぞれ難を抱えた30男と女子中学生が、お弁当をはじめとする「食」を通じて心を通わせる展開にムフフ、逆にズレがあらわになる描写にニマニマ、と楽しませてくれる。キャラクターの間の距離感のかすかな揺れ動きを描く作者のさじ加減が絶妙。」

「こんな風にいつもおべんとうが食べれたら、多分楽しいだろうなと思いながら読みました。読んでいて微笑ましい感じを与えてくれて、読んでいてつい顔が緩んでしまう。いいな、こんなおべんとう。」

「正直に申し上げましょう。わたくし、この作品の内容を読み間違っておりました。そうなのです。柳原望先生 ( 以下敬称略 ) に『おべんとう』といわれたからといって、それが単純に、「わーいお弁当つくるよー」的な作品な訳、なかったのです。主人公は、地理学の博士の資格を持つ高杉 温巳 (31 才・ただし資格はあっても無職同然 )。とある理由で中学生の姪、久留里 (12 才 ) を引き取ることになるが、いろいろと鈍い所のある上、一人暮らしが長かった温巳と、人見知りの激しい久留里 (※中学生 ) のコンビが最初からはうまくいくはずはない。( 家族に見えないため、周りからはさっそく不審者に間違われたりした... ) まず、温巳が目指したのは、母親を亡くして一人になってしまった久留里の、保護者役をきちんすることだった。それにはまず食事が肝心だ、と...。久留里も、それは同じように考えていたようで、それから二人の、お弁当&食事へのチャレンジが始まった。個人的には、温巳の地理学の知識と世界中の地理に関するお話がとても好きで、特に『へぼ祭り』(※へぼ = ハチの子 ) は『食べてみたいなあ』と思いました。あとはラオスのお話とか。ミツバチの話とか。ご飯だと『アレンジいなり寿司』とか『おかかチーズの大葉包み揚げ』でしょうか。『ソーセージの飾り切り』もポイント高いですね! ( おなかが減ってきた ) だんだん強くなる久留里に、『がんばれ!』とエールを送りつつ、お勧めします。」

「グルメ漫画かなとおもって読んでみたら、いい方向に裏切られました。単に、お弁当を作るための情報マンガというマンガじゃないのです。お弁当や、家庭の料理をきっかけにして、登場人物たちの距離が少しづつ縮まっていく様がとっても心地よいのです。豪華な料理でドラマチックにというわけではなく、素朴であたたかい料理ですこしづつすこしづつ。人と人とのつながりってこうやって太くなって絆になってゆくのかなと。人とのつながりの大切さを実感したいすべての人におすすめのマンガです。」

「よくある「ロリ × 萌え」系なんだろうなあと勝手に思い込んでいたら、全然違った! という一冊。お弁当を通じて浮かび上がる愛情、葛藤、家族への想い。読めば読むほどお弁当が食べたくなるし、作りたくなります。巻が進むごとに登場人物のキャラがくっきり、チャーミングになっていくのにも好感を持ちました。また、自分の中学高校時代のお昼休みの思い出と重ねあわせて、しみじみ懐かしくもあるなど、いろんな角度からの"面白い"を提供してくれる幕の内弁当的な魅力も。」

「おべんとう。凄いものです、おべんとう。そこには愛がないと成り立たない。メッセージを渡して、空っぽのおべんとう箱で返事を出すようなやりとり。おべんとうを通して、本当の家族になっていくいろいろきゅんとくるポイントがあってじんわり好きな漫画です。私も特売大好き!」

「結構悲惨な設定なのに悲壮感少なく力強く生きる久留里ちゃんの表情がなんともいえないなぁって。多くを語るでなく、一緒に弁当を作りご飯を食べることで通じあう関係。一番人間の本質的な事柄なのではないかと思います。『1年先、2年先はわからないけど、少なくとも明日の昼飯は何とかできる。考えて工夫して充実させることができる。ほんの少し未来を作ることができるのなら、そのまた先もそのほんの少し先もその先もきっと何かできることはある』このセリフで3位にしようと決めました。ちなみに個人的には小坂さん大好きです(笑)」

「大学助教授男子と、中学生の姪っ子の暮らし。場所は違えど、同じごはんを食べている― ふたりが家族になっていくさまがあたたかく描かれています。主人公の職業に絡めて、郷土料理がいろいろ出てくるのも楽しい。節約にもなるお弁当のメニューバリエーションに、奥手男子をめぐる淡い恋心が絡んできていてゴハンにも人間関係も目がはなせません!」

『外天楼』石黒正数

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「こんなところでなんなんですが、とにかく、前情報なしに読んでほしい一冊!何を言ってもネタバレになるので、ここはあえてノーコメントで。」

「いろんなところで話題になっているマンガではありますが、やはりもっともっと読んで欲しいマンガでもあるので選びました。石黒先生といえば、コメディタッチなマンガが多いのでこのマンガもそうだろうと思って読み始めたのですが・・。読了後の圧倒感。あれも、これも伏線だったのかと感嘆してしまいました。そして読み返す。是非未読の方は読んで欲しい。」

「石黒はコメディで人気を博している漫画家だが、真の武器はギャグとシリアスの双方に独自のセンスを持っていること。両者を混ぜることで異様な空間を生んだ本作は、持ち味を最も強く映した一冊かもしれない。」

「短編コメディだと思って読んでいたら、それが長編の1パーツに過ぎなかったと気づき、驚かされる。SFミステリです。」

「一話目を読んだ時点ではふうん、だったのだが最後まで読むとこれは!!!いい......じゃないか!作者のミステリ好きぶりが遺憾なく発揮された傑作。」


「今年一番のオススメ作品です。最初本を手にとって一話目を読み終えた感想。「しょーもな ( 笑 )」それがまさか最終話に向けた壮大な伏線の一部だったとは!後半読み進めて伏線を回収していく度に、えも言われぬ快感に襲われます。読み終えたときに鳥肌が立ちました。再び読み返すたび新しい発見があるのも非常に楽しいです。映画のタランティーノや内田けんじ監督作品と同じ空気を感じました。」

「コメディとシリアスを止揚し得るセンスの持ち主が、その感性を遺憾なく発揮したオリジナリティの高い奇譚。独自の世界を編むとはこういうことだ。」

「軽く読んでいたら、最後の結末に唖然。全部伏線だったのか!やられた!と思った作品。この一冊でここまで読ませて、完結してるていうことに脱帽。」

「この作品に関して、ここで言えることはただ一つ。とにかく読んでくれと。読めばわかりますと。2011 年、一番度肝を抜かれた作品です。」

「短編集かと思いきやすべてがうまく繋がっている。その巧みなストーリー展開に脱帽!まるで上質なミステリを読んでいるよう気にさせられる。そしてラストの衝撃!うまい!うますぎる !」

「俺マンの 1 位をとったので、どんなに面白いのだろうと1話目を読むとなんのことのない普通の思春期のはなし。2話目を読んだら、更にちんぷんかんぷん。で、一度 挫折したものの...きっと何かがあるのだろうと読み進めていくと...本当に恐れ入りました!この一冊。 すごい! すごすぎる!!こんな展開。 こんなまとまり方。読み終わってもじわじわくる。映画を二度、三度 観る人の心理が初めて解る!(スミマセン)Keyとなるところを探しにもう一度読み返す。それでも見落としているものがないか...もう一度。もう一度。本当にとまらない。悔しいくらいにのめり込む1冊でした。」

「強度が。」

「ちょっと変わったオムニバス形式の作品かと思いきや、実は上質のミステリ。丁寧な絵柄と独自の世界観にも引き込まれました。」

「一話目、エロ本をめぐる子供たちのトホホな戦いが、ラストであんなシリアスな展開をみせるとは。いままで、小説の中では、様々な連作短編のミステリや、ミステリ的なネタをあつかった、メタミステリやアンチミステリなどいろいろありますが、マンガでそれをやられると、なんか新鮮。マンガ誌でなく、ミステリ文芸誌に連載されたことで、こんな作品が生まれたんだろうと思います。でも、ミステリ初心者でも充分に楽しめるところが凄い。」

「これから単行本で読む人は幸せです。雑誌連載時、あっと思って読み返そうと慌ててバックナンバーを探すも、すでに資源ゴミ回収の後。まさにエロ・カースト最下級の気分。」


「最初は普通のミステリ漫画だと思っていたら、あとの展開に呆然。まさか、そう転がっていくとは夢にも思いませんでした。まるで変わり玉のように、読み進むうちにどんどん色が変わっていくという、実に不思議な作品。伏線の使い方が実に鮮やか。読後、「やられた!」と思わず言葉が出てしまいました。」

「最初普通に、ごく普通に読み進めていたのに、気付いたら「あれ?......あれ!?」となって最終的にものすごいところに連れて行かれました。じわじわどんでん返される、「こ、こんなつもりじゃなかったよ?」というテンションの準備間違えた感があります。びっくり。でもその吃驚が面白い。」

「予備知識無く読み始めたので、初めの数話はちょっと笑えるショートショートだと思っていました。ところが、読み進めるうちに少しずつ形を見せ始める本当の全容。しかしどこに着地するのかは全く分からない。いろいろな伏線が絡み合い、意外な結末には脱帽でした。おすすめしておいてなんですけど、なんの先入観も無しにフラットな感覚で読んでいただきたいですね。」

「面白いのに常に品薄なのが惜しい!」

「エロ本をめぐる子供世界の日常ミステリー、なんて思わせておいて始まる人間と人工的に生み出された生命との関係が描かれる。人工的に生み出された生命を認めるべきか、なんてSFでだって論じられて答えの導けない難しい問題を、搦め手から始めてコミカルな表現も交え、ミステリー的な謎解きも行わせながらじわじわと感じさせる。凄い。ただ凄い。」

「うまいな、複線の回収の仕方がうまいな。さすが石黒正数さん。一度読み通してからソッコーで読み直したくなる。アレがあそこにつながったり、アレはあんな意味があったのかなど新たな発見がザクザク出てくる。」

「うまいな、複線の回収の仕方がうまいな。さすが石黒正数さん。一度読み通してからソッコーで読み直したくなる。アレがあそこにつながったり、アレはあんな意味があったのかなど新たな発見がザクザク出てくる。」

「とにかく怖い。。ショッピングモールに行くと必ずこのマンガを思い出す。。」

「古典的なゾンビの定番モチーフと現在のリアルな社会情勢の混ざり具合が抜群。女子高生ゾンビが切なすぎる。」

「21 世紀の王道少年漫画が「進撃の巨人」なら、21 世紀の王道青年漫画は「アイアムアヒーロー」だと思う。」

「3・11以降は日本の世の中も大きく変わったけれど、でもまだ1年前までの温い空気の残渣がどこかにおうような昨今にあって、テーマも空気感も筋立てもシャープな描写も古びず、まだまだ続きが気になる作品。毎年、挙げているような気がするけれどやっぱり外せない刺激的な展開です。まもなく8巻が出るそうなので今年が最後のチャンス。それだけに大賞に最も近い作品、か。」


「昨年も鬼押しした作品。この賞らしくないのか......とさんざん悩んだ末、今年も押します。この容赦ない残酷さについて行けない人も多いだろうが、それでいてどんなシーンも「品」を失っていない。人間離れした感染者たちの「哀しみ」を描くことで単なるゾンビものと一線を画していると思うし、主人公・英雄のヘタレっぷりにブレがないのもいい。何より、画面の隅々まで気合いの入った作画のすごさ。やはり今年もベストワンです。」

「次世代・王道少年漫画が「進撃の巨人」なら、次世代・王道青年漫画は「アイアムアヒーロー」だと思う。」

「いろいろ悩んだが、やはりコレ!!あのダメダメだった主人公の成長と、あの疾走感がたまらなく良い!!このあとの展開に期待がもてる作品。」

「ダメダメな主人公が男として成長していく、という馴染みのある話にも関わらず、感染するとゾンビになってしまうという非日常な設定、そして個性的な登場人物の『生きる!』という強い想いで、いつのまにか物語に引き込まれてしまう。読み終わった後に世界が無事かちょっと不安になり、静かに窓の外を確認してしまう自分がいる。」

「個人的に 2 年連続 1 位です。物語としての落とし所が見えないままもう 8 巻。」

「なんだかんだ、展開のつなぎ方がとてもうまくて、続きを気にしてしまう作品。個人的にはどんどん悪い、悲しい展開に向かってほしい。」

「いまやゾンビ漫画ブームの最右翼にまで成長した同作品。今回こそは大賞を取って欲しい!」

「やっぱりおもしろい。どんどん物語にひきこまれてしまう。28 週後とか好きな人ははまると思う。」

「去年もノミネートされていたのですが、今年改めて読み直してますます気になる展開になってきたので。さらに非日常の光景が広がっていくのですが、主人公の変に緊張感がなかったり、下世話で人間くさいところがシリアスな展開の中でも後味悪くなく読んでいくことができるのだろうなと思います。」

「「マンガ大賞」2次選考への進出も今回が3回目のはず。それだけをとっても、いかにこの作品がきっちり緊張感を保ちつつ、ゼロ年代後半からテン年代にかけての世の中と切り結んできたかが分かるってもの。前回と今回の違いはむろん、今回が3・11を経てなお支持された、という部分だろう。およそほとんどのリアリズムの力が消失してしまうような現実世界の災害を前にしても、このマンガを読んで感じる「怖さ」は減衰していないように思える。フィクションをリアルに感じることができる描写のうまさ、これまで洋の東西を問わず蓄積されてきたパニック描写の引用・援用の妙に、サブカルチックな主人公の人物設定が相まって、なんとも噛み締めがいのある世界が形成されていて読み応えあり。たくさんの日本のあんちゃん方がもう、これはおれだと肩入れしたくなるような主人公・英雄の、情けなくも実経験不足を露呈しまくりでもあるが、それでもやれる範囲いっぱいいっぱいで状況に対処しているさまが良い。花沢健吾氏は某誌での某若きカリスママンガ家との対談でずいぶん控えめな発言をしていたけれど、コミックス8巻を重ね、この作品がもはや現代を代表する日本のマンガの一角を占めるに至ったことは間違いないかと。実写映画化されるらしいですが、こちらも原作ばりに丁寧なつくりをとことん追求してもらいたいと思っています。」

「最新刊 8 巻、ラストに震えました!今までは対ゾンビへの恐怖や不安ばがりがピックアップされていましたが、極限状態の人間を細かく表現していて、脱帽モノの面白さ。読んでいると本から熱気が伝わってきて、自分がどんどんコマの中に入り込んでいってしまいます。1 冊読み終えて一息つかないと、入り込んでいる自分に気づかないほどこの作品から発せられるエネルギーはすごい!作者のこの作品に対する意気込みや覚悟のようなものがひしひしと伝わります。」

「本当の英雄 ( ヒーロー ) って何だろう? という問いかけにも感じられる、このホラーコミックスも、アウトレットモール編で大きなターニングポイントをむかえた感じ。世界が変化を迎えているのに、それを受け入れようとせず、それまでの日常がいずれ戻ってくるはずだと思っている主人公の英雄。しかし、たどり着いたアウトレットモールの中は、新しい秩序が支配する場所だった。散弾銃を持っていながらもそれを、それを撃つことを先延ばしにしてきた英雄が、ついに発砲する。これが、英雄が今までの日常へ思いを断ち切って、現実を直視した瞬間だ。1 巻で英雄の日常をたっぷり描き、2 巻の頭から日常が崩壊し、そこからその現実を受け入れるまで、7 巻もの時間を要しました。でもそれゆえに人にとの行動にリアリティがあって、それが恐怖を盛り上げまてます。ここから先、英雄はどんなヒーローになるのでしょう?」

「異様な状況の中で、人が妙にリアルです。ここに自分がいたら誰に近い行動をとるんだろうと、思わず考えさせられる生々しい感触が好きです。」

「設定がとにかくリアル。いろんなゾンビ物ではダントツ。」

「超現実味がありすぎて逆に夢がある。無理だけど実在のプロ野球選手が登場してるバージョンも見てみたい。」

「面白いなぁ。スポーツマンとサラリーマンの狭間がココに。明るい絵柄でしつこくエグくクドく切りだす野球業界の表裏への異常なディティール細かさに脱帽。※モーニングは業界モノマンガを斜め横から切り出すのがほんとうまいなぁ。」

「プロ野球の中継ぎ投手を題材にした時点で異色。年俸、裏方など、今までの野球漫画には無い切り口は新鮮で面白い。話が短篇で進んでいるので、少し長めのストーリーが見たい。」

「作品数の多い野球マンガの中にあって、年棒という違った視点で描かれたマンガ。このマンガは女性というより普段からプロ野球に接している男性が好むマンガである。」

「もう 30 も過ぎると「努力すれば報われる!」的な熱血モノを読んでも他人事のように思えてしまったりするんですね。この作品は主人公が「年俸 1800 万の中継ぎ投手」。ほとんどマンガではスポットライトを浴びることの無い地味なポジションです。そして彼の頭の中は、少年漫画にありがちな「勝者のメンタリティー」は微塵もありません。勝負の世界に不要な「人情」や「不安」など余計なことで頭がいっぱい。そのリアリティーに共感してしまいます。大体の野球作品が「野球をプレイする人」に役立つ情報を盛り込もうとしていますが、この作品は「プロ野球を見るのが好きな人」に役立つ情報が盛り沢山です。他とは一味違う野球マンガ、オススメです。」

「ああこのパターンがあったのね~、と気がついたらファンになっていました。野球のルールを知らなくても野球が好きになると思う。」

「主人公はエースピッチャーでもなく、4 番のホームランバッターでもない。中継ぎと言うヒーローインタビューにも上がることの少ないピッチャーというのが面白い!プロ野球という世界の見方がもっと面白くなる作品です。」

「中継ぎ投手の実情みたいなものがうかがえて面白い。1 話完結方式で読みやすい。」

「プロ野球選手全員が僕らが思い描く活躍をして、たくさん給料を貰い、女子アナと結婚している訳ではない。プロ野球が題材の漫画は決して珍しくはないが、こんなに人間臭さにスポットを当てた漫画があっただろうか。いや、ない(反語)僕らがプロ野球選手の経験もないのに選手に文句を言ったり、監督の采配にケチをつけたりしながらも大好きなチームを大声で応援できる幸せは、この漫画の登場人物のような人たちのおかげである事を再認識。」

「主人公が、左投げの中継ぎピッチャーというところが、地味で、なんかいい(笑)リアルで、シビアな野球世界を描いている。」

「天才アダチケイジをこう活かしたか!と目からウロコの作品。しょーもないけどいとおしい、日本のプロ野球のブラックな魅力にあふれた良作。」

「プロ野球という戦場を職業の観点で描くのは、今までなかった。」

「アクの強い森高夕次(コージィ城倉!)の原作と、これまたクセのあるアダチケイジの作画のマッチングが回を追うごとにハマッて行く。そして新人アダチケイジの才能がどんどん開花して行く! 互いにヌケヌケと好きなことをやっている感がたまらない。名コンビ誕生の予感。」

「夢と現実の塩梅が抜群。読めばきっと、新たなプロ野球の楽しみ方とプロの世界の厳しさを知るでしょう。」

「スポコンでもない、青春ものでもない。プロの世界の厳しい現実をシリアスになりすぎないほどよいさじ加減で描いているところが魅力的。」

「プロ野球選手全員が僕らが思い描く活躍をして、たくさん給料を貰い、女子アナと結婚している訳ではない。プロ野球が題材の漫画は決して珍しくはないが、こんなに人間臭さにスポットを当てた漫画があっただろうか。いや、ない(反語)僕らがプロ野球選手の経験もないのに選手に文句を言ったり、監督の采配にケチをつけたりしながらも大」好きなチームを大声で応援できる幸せは、この漫画の登場人物のような人たちのおかげである事を再認識。

「限りなくリアルな舞台裏に震撼。カネという今までと違うフェイズでの野球界を切ることで生まれた新しい野球の見方。これはフリーランサーやサラリーマン達への優れた自己啓発的なビジネス書でもあると思います。もしグラ!」

「プロ野球がより面白く感じるようになった。」

「やり尽くした感が強く「野球漫画」ジャンルの細分化が進んでいる中、新たに新風を吹き込んだ点で評価は高い。本物のプロ野球臭がするコミック。明日が確約されていない、中継ぎ投手視点からのプロ野球がこんなに面白いとは!やや短篇続きだが、長いストーリーも見てみたい。期待値も込めて1位。」

「野球好きとしてもちろん大好きな作品です。これ読んで面白いと思った方はぜひ「おれはキャプテン」も読んでほしい!」

「「野球漫画=青春あるいは健全」の定義をぶっ壊してくれた作品。下衆いやりとりがリアルですね。金で価値が決まる。これでこそザ・人間社会。でも、やっぱり、それだけではないよねっていうところがちょいちょい描かれていて、それがこの作品の読後感のよさにつながっているのかなあと。野球好きでもお金好きでも、もちろんそうでなくても、大変おすすめの逸品。」

「「グラウンドには銭が埋まっている」略して「グラゼニ」をモットーに、もっと稼がなければと考える人間模様。それは理想論ではなく、現実を熱く生きる漢達の話。リアルな世界観にグイグイ引込まれる。」

「野球マンガの新たな切り口ですね。もう完全におっさん向けな気もしますが。もちろん今の調子で続くのもよいのですが、どこかで大きな出来事が起きて野球人生の岐路に!みたいな話が出てくることも期待しています。」

「何を描いても独特のいやらしさ(色んな意味での)、得体の知れなさ(ほめてます)がにじみ出る原作の森高夕次(コージィ城倉!)と、のびのびと、ヌケヌケと自分の線を作り上げて行くアダチケイジ、二人の相性が抜群。名コンビ誕生の予感。」

「野球マンガの新機軸。タイトルどおり、「プロ野球」と「金」がテーマですが、そのなかで描かれているのは飽くまで人間。いわゆるマンガ的、超人的な天才プレイヤーが出てこないだけに野球という世界の生々しさや現実のプロ野球選手の凄さを思い知らされます。こんな必死に頑張ってはるのにスタンドでビール飲んでヤジ飛ばして・・・申し訳ない!けど「グラゼニ」を読んで、もっとプロ野球ファンになりました!」

「大人も子供も楽しく読める微笑、マネーマンガ。細かいストーリーの中の大きな流れを感じさせて欲しい作品。」

「失われた 20 年の果てに、誰もが自分の雇用に不安を持つ 2011 年の日本。このマンガがウケてしまうのが果たして良いのか? と躊躇はするが、目の付けどころの勝利は疑うべくもない。」

「「おお振り」が出た時にもうこれで野球漫画のネタは本当に尽きた(キャラクターを替えるだけでどこかで見たようなストーリーが続く)と思っていたので、この作品が出てきた事に純粋に驚きました。スポーツだろうがなんだろうが仕事なんだからお金を稼がなくてはならない、凄く考えさせられる作品です。」

「プロ野球選手の年俸をフィーチャーしたマンガではあるが、主人公が金の亡者というわけでもなく、なんだかジンとさせらる話も多い。生きて行く上で何かしらの収入は必要にも関わらず、「お金」に関して話す事が、何か人としてイケナイという風潮がある世の中。このマンガはそこに踏み込みつつ、さらにヒューマンドラマも描いている。なんだかサッパリしていて心地良さを感じさせる。今までに読んだ事が無いタイプのマンガで、良い意味で衝撃を受けました。」

「王道の野球マンガは数多くありますが、『グラゼニ』はものすごい変化球。そもそもタイトルが「グラウンドには銭(ぜに)が埋まっている」という主人公・凡田夏之介 26 歳の造語。プロ野球チームスパイダーズの一軍投手で年俸 1800 万円の主人公は、自分より年俸の低い打者には強気ですが、年俸が倍だったりするとタジタジ。一試合一試合、場合によっては一球一球が年俸に結びつくシビアな世界は、社会人なら誰しもドキッとするはず。自分がどれだけの仕事をしているかの評価としてのお給料。同期よりもちょっとでも多くないか、先輩を超えられないか、後輩に超えられてないか、等々。ストーリーに感情移入していく中、華やかなはずのプロ野球世界がとたんに泥臭く感じられます。」

「1 話目の全てが印象的です。自分はスポーツしないし野球もよくわかりませんが、そんなな人におすすめかもしれません。漠然とヒーロー視してたものの内側の一端を見れます。改めてプロはカッコいい!!って思います。」

「巨人の星もキャプテンも、今ならダイヤの A だって読んでますが、これまた新しい視点の作品が出てきたなぁと思います。 プロ野球が題材だからこそ「年俸」という切り口で選手を描いて行くのは面白いですね。 また主人公もそこそこ良い選手ながらもあまりさえ無い風貌に、弱点もあったりとプロ野球選手だから実際は凄いのでしょうが、あまり高く見せすぎない、等身大の選手であり、自分のような庶民にも感情移入しやすく描かれているのもまた上手く感じました。 プロ野球選手なのですから貰ってナンボの世界ですよね ! 」

「野球界をテーマにしつつも、そこに溢れるのは、愛や夢より断然、金。ショーは興行。興行は娯楽。娯楽はお金。光ある場所にはそれだけ暗闇がある。世の二律背反をシビアに描いたストーリー。シビアだからこそ励みに

「1 巻から際立っていたドライブ感に加えて、島津豊久、織田信長、那須与一、エルフといった主要キャラの存在理由もクッキリし始めた。時折入るギャグテイストなどエンターテインメント作品としての質も高い。作風は違うが、21 世紀の『SLAM DUNK』的名作になってくれることを期待。」

「あの平野耕太が描く世界偉人たちのファンタジー世界大戦!一筋縄ではいかない濃いキャラの魅力が堪りません」。

「物語のスピード感があり、独特の設定も説明的でなく入り込みやすかったです。展開が楽しみな作品です。」

「古今東西のヒーローを集めての戦争ファンタジー。壮大すぎてどうなっちゃうのかと心配しつつも展開が楽しみ。それにしても、最近めっきり薄くなった担当編集者の髪の毛をみるにつけ、平野耕太の狂気と才能がコミックスに結実するためには、どれほどの努力が必要なのかと胸が熱くなるというのは全く個人的な蛇足。」

「過去の偉人のガチバトルにワクワクできるマンガです。歴史に詳しくても詳しくなくても、自分の知っている名前のキャラクターが必ず出てきます。今後どの"偉人"がどんな"設定(キャラクター)"で出てくるのかが楽しみ。」

「読み終えた後、しばらく脳内会話が薩摩弁になってしまう不思議。あっこれにも信長が出てますね」

「むちゃくちゃブラックで気の狂ったマンガですが、なぜだろう、読んでるとこちらの血まで、ふつふつとたぎってくる。右も左も見ないで、何もかも吹き飛ばしてぶっ飛ばして、全身全霊で地の果てまで突っ走ってるようなマンガ。」

「去年も2次選考でかかせていただきましたが、一年たってもやっぱり気になる!!何この疾走感、そして疾走感と疾走感!無双っぷりを見せながら全力ダッシュをかましているこの作品が大好きです。」

「1 巻ではまだなんとも判断がつきかねる感じでしたが、2 巻まで進んで急に面白くなってきました。相変わらず戦争描写が大好き、戦って戦って戦って戦うことをためらわない、というところが素晴らしい、と思います。」

「歴史上の強キャラが自由に平野解釈で動きまくる!マンガならではのキャラ使いで、痛快です。私のイメージも平野イメージになりそうです。特に織田信長。魅力的なキャラです。女の子にも読んで欲しいと思います。」

「とうとう三十路を迎えてしまったこの僕の心の奥底に隠れていた中 2 マインドを白日の元に引きずり出してくれた作品。カッケー!!」

「文句なしに 1 位!平野耕太が描く世界偉人大戦!!しかも異世界トリップモノ!話の面白さは保証付きですが休載だけが心配です!信長書店だけに信長の出てくるマンガは一押しです。」

「スーパーロボット大戦のような、歴史上のヒーロー&ヒロインを平野耕太先生が描けばそれは面白いに決まっています!」

「展開に引込まれる。読んでも世界観がわからないということに陥らず、安心して楽しめる。」

「まず絵のタッチが好きではないが、内容の濃さと時空を超えて様々な登場人物が織りなす人間模様。マンガ大賞を通じてふれられた秀逸作品!!」

「そのマンガのみならず、Twitter での数々の迷名言も冴えわたり、何から何まで破天荒な平野耕太らしい怪作(というほかない)。まさしく、マンガはキャラだねぇ。」

「あー、やっぱオモシロイわ。ヒラコー版魔界転生。ただし洋の東西を問わず。前巻よりもパワーアップ。ロクデナシ度もアップ。」

「歴史上の人物たちが異世界に集う、というむちゃくちゃな設定ですが、その強引さがたまらなく面白い。常識も何もかもぶっ飛ばして、猛烈なパワーですべてをなぎ倒しながら突っ走っていく主人公たちの破天荒さが魅惑的。は、早く続きを読ませてください!」

「平野さんの描く「かっこよさ」が、なぜここまで独特なのかいまだにわかりません。何をして彼らを強くするのか。次々と溢れ出るセリフと立ち居振る舞いはいつでも楽しみです。」

「血沸き、肉躍った !!」

「「次は誰が出てくるのかな?」「この人はどう動くのかな?」という、強いワクワク感を感じます。史実を背景にしているだけあって、歴史好きにとってはたまりません。そして以前の平野作品同様、「闘争」がストーリーの主軸を形成しているところに強く惹かれます。闘争の中で死んでいった歴史上の人物が一堂に会することによって、人間が積み重ねてきた闘争の意味や、そもそもなぜ人は闘争するのか、といったことが見えてくるような気がします。今回のノミネート作で、もっとも次巻が楽しみな作品でした。」

「鹿児島の読者に響かないわけありません!2011年の1年間、一番読者の方の手元に渡った作品です!」

「高いテンションに圧倒されっぱなし。」

「もう超かっこいい。見栄切りまくり。しびれる。」

「史上のレジェンド達を集めてストーリー展開にはワクワクが止まらない!しかも、主人公が島津系ってのが、また良い。まだまだ、盛り上がりがこれからきそうな漫画だけど、心の片隅に残ってる少年心をうまい事くすぐる好きな内容でした!」

「設定、キャラセレクト全部僕のツボです。与一がいいなあ...」

「カッコイイ、そしてカッコイイ。余すところなくやりたい放題。続きが気になりますが、気長に待ちます。」

「発売と同時に買っておいたのだが、読むまでに時間がかかった。前の『虫と歌』があまりにも良すぎて、あれと同等のものを期待することは困難なのではないかと思い、ひょっとすると失望して落胆してしまうのではないかと恐れを抱いていたのだが、そんな事は杞憂に終わった。今回も素晴らしい。」

「2012、マンガといった時間や形態に限らず、なにか特別な作品だと思っています。が、「すばらしかったよ」の表明として投票を。」

「セリフとセリフ、コマとコマの間に潜む登場人物たちの切なくも愛おしい気持ちがたまらない。その思いには、物語でしか表現できない感情もあって、それを感じられる幸福。読者の発想の遙か上をゆく展開。気持ちのいいリズム感。きれいなようでいて、残酷でドキッとさせる絵柄。すべてが最高です。」

「(わたし的には)フード!フード!フード!全編フードまんがです。市川さんはフードまんが家の最高峰のひとりです。(いまのところ)短編作家さんなので前作と合わせて1、2巻と読むのがおすすめです。カバー絵も呼応しているし。それにしても返すがえす残念なのは講談社が大判サイズで出さなかったこと。このひとは、、、、どう考えても大判で出すべきしょう。払うってお金。そして高くなっても部数減らないタイプのかただと思うのですが。そして、ちょっとした本屋さんなら未だに超ロングセラーとして取り扱っている高野文子さんの作品群の隣にちゃんとコーナー切って(サシコミの名前札のこと)置くべきだ。長く棚を確保できるひとだと思う。今からでも遅くないので、ぜひ大判で出し直して欲しいと切望します。」

「前作「虫と歌」に比べ、よりエンタテインメント性を持たせた作品になったのでは、と感じました。家族と男女、憎しみと懺悔、すべての事象は対比ではなく、並行して時は進んでいくのかな、と久しぶりに考えてしまいました。作品を象る線が特徴的なのも魅力のひとつです。」

「妖艶な作品。「生きる」ということはどういうことなんだろう。「自分をもつ」ということはどういうことなんだろう。「運命を受け入れる」って...一般的、少なくとも私の思っている【悲しいこと】がこの作品では【希望】に似たものになっているような気がします。感情のなさそうな主人公たち(短編集なので)なのに、とっても妖艶な感じがします。同性なのにゾクッとするくらい。そこがすごく魅力的です。」

「きれいすぎる情景、生まれたての奔放な言葉たち、に流されそうになるけれど、これは「エ」も「マ」もマンガすぎるほどマンガだ。マンガの文脈で笑える、グッとくる。「虫と歌」で魅了されたぼくらは、市川春子でしか満足できない幸せな病にかかってしまった。市川春子式答えの出し方を処方されたくて、何度もページを開く、そんな珠玉の作品群。」

「1冊目の単行本を出したときも、おお!と思ったけど2冊目はさらに進化を感じました。表現もこれを思いついて描けるのはこの作家さんだけかも、と思ってしまうくらい素晴らしい。ボタンのように皮膚がはがれる描写は突き抜けてました。」

「人外だらけの短編集第二弾!前作より密度の増した内容に感動!装丁ふくめてすばらしいの一言です!」

「異形になっていく私を、あなたは愛し続けてくれますか。そう聞く勇気を、永遠に永劫に持てる人が、この世界にいったいどれくらいるだろう。異形となっても自分なのだと強く出て、誰しをも引きつけられると確信し続けられる人は、そうはいない。わずかでも異形へと変じた途端、自分だとはもう誰も思ってくれないという不安が身を苛む。あるいは、異形になっていくあの人を、あなたはそれでも慈しみ続けられるのか。確信を持って答えたいけれど、どこか逡巡が漂う問いかけに、市川春子の『25時のバカンス 市川春子作品集2』が、ひとつのスタンスを示してくれる。あなたはあなたでいられるか。あのひとをあのひとと慈しめるか。変じていく人たちを見て、けれども変わらない心たちを感じて考えよう。答えを探そう。」

「自分とっては孤高の漫画家。全ての作品が珠玉。異形のモノとの関わりや、異形のモノへの変身を描くことによって、見たこともない、感じたこのともない、愛しさや、切なさを紡ぎ出す。」

「想像したこともない不思議な世界へ。読んでいる間もなにかをずっと考えていたけれど、何回も読み返して、ずっと、ぼーっとこの物語のいろいろなことを考え続けたいです。いちばん最後のページの、素敵なお医者さんの絵を見て微笑んで、ぱたんと本を閉じて後ろを振り向いたら、私のところにも"なにかふしぎなもの"がやって来ているのではないか、或いは、私自身が不思議なものになっているのではないか、と妄想を繰り広げました。素敵な物語でした。」

「第1作品集の「虫と歌 市川春子作品集」(講談社)に続いて、異形との、異種族との交流が描かれている市川春子の漫画による作品集。その絵柄の繊細さ、キャラクターたちの柔らかさもあって、異形を異形と受けて嫌悪を浮かべるのとは逆に、異形の優しさが感じられて、読んでいて胸がすっときれいになってくる。絵柄ならではのメリットであるし、物語の組み立て方もそうした慈しみにあふれている。女性の持つ雰囲気の艶めかしさは前巻以上。乙女の可愛さといったら、その姿態に加えて弟を思う気持ちも滲んで、とてつもない可愛らしさを醸し出す。そんな情愛のドラマとは別に、異種族との交流という主題において、SFとしても「虫と歌」同様に鮮烈なビジョンを放つ。必読だ。」

「「25 時のバカンス」の姉と弟が見せる不器用な思い遣り、「パンドラにて」の無口なクアドラが見せる微妙な表情の違い、「月の葬式」の即席兄弟が見せる素直じゃない感じ、その全てが愛おしい。」

「妖艶な作品。「生きる」ということはどういうことなんだろう。「自分をもつ」ということはどういうことなんだろう。「運命を受け入れる」って...一般的、少なくとも私の思っている【悲しいこと】がこの作品では【希望】に似たものになっているような気がします。感情のなさそうな主人公たち(短編集なので)なのに、とっても妖艶な感じがします。同性なのにゾクッとするくらい。そこがすごく魅力的です。」

「コマやセリフがふと浮かび、あぁあれは何だろうと思い返す日が、何年か後に待っている底に積もって消えることのないマンガだと思います。」

「(わたし的には)フード!フード!フード!全編フードまんがです。市川さんは前作も含め、フードまんがしか描いてないと思います(わたし的には)。デビュー作からいきなりフードまんが家の最高峰のひとりに認定です(わたし内基準)。(いまのところ)短編作家さんなので前作と合わせて1、2巻と読むのがおすすめです。カバー絵も呼応しているし。それにしても返すがえす残念なのは講談社が大判サイズで出さなかったこと。このひとは、、、、どう考えても大判で出すべきしょう。払うってお金。高くなっても部数減らないタイプのかただと思うのですが。そして、ちょっとした本屋さんなら未だに超ロングセラーとして取り扱っている高野文子さんの作品群の隣にちゃんとコーナー切って(サシコミの名前札のこと)置くべきだ。長く棚を確保できるひとだと思う。今からでも遅くないので、ぜひ大判で出し直して欲しいと切望します。」

「美しい世界。美しい線。読んでいる間中すっと波の音が聞こえた。」

「市川春子さんって、新時代の大島弓子さんじゃないでしょうか。他の人では替えの絶対に効かない感覚をもたらしてくれるマンガ家さんのなかでも、私的巨匠中の巨匠・大島弓子さんの感覚と同じ高みにあるのでは、と思わずにいられません。奇想と生活感、その両方を行き来するから生み出せる哲学的で美しい言葉。「孤独は生まれてから塵に帰るまでの苦い贅沢品」なんて、どうして言えるのでしょう。でも、大島弓子さんに限りなく近いのに、もちろん、違う人だから違う感覚に、なってるんですよね。マンガを読む贅沢に、絶対的な新しい味を加えてくれました。市川春子さん、ありがとう!早く次の作品が読みたい!!!」

「30 ~ 40 年後も読み継がれるであろう普遍性をもった一冊。宝物です。」

「なんだろな......怖いものみたさといいますか、軽度な中毒性のある市川ワールドが好きです。」

「異質なもの、非日常的なものを描くことによって、現実世界とは違った位相の作品世界を築いているのですが、実は描かれているのは、現在の世界でも存在する、人間の複雑な心の動き。異世界を舞台にすることによって、普段見過ごしてしまいかねない心の動きが、よりはっきり描き出されているように感じます。特に表題作! 年の離れた姉妹の間に紡がれていく、同胞愛とも恋愛感情とも言い切れない複雑な心の動きが、鮮やかに描かれています。そして一見すっきりした、欲望を漂白したような絵柄でありながら、香り立つ濃厚なエロス。漫画の表現可能性の豊かさを強く感じさせる作品だと思います。」

「きれいすぎる情景、生まれたての奔放な言葉たち、に流されそうになるけれど、これは「エ」も「マ」もマンガすぎるほどマンガだ。マンガの文脈で笑える、グッとくる。「虫と歌」で魅了されたぼくらは、市川春子でしか満足できない幸せな病にかかってしまった。市川春子式答えの出し方を処方されたくて、何度もページを開く、そんな珠玉の作品群。」

「せっかくのマンガ大賞なんだから続きものに投票しようぜと思いながら心のままにベストを選ぶと勝手に入ってくるんだもの仕方ねぇ。すんげぇ完成度と唯一無二っぷりでたぶん 10 年経ってもあらすじと絵面は思い出せる。仕方ねぇ。」

「たむらしげる、岡田史子、24年組の方たち、昔読んだいろんな人を連想するが、やっぱりそのどれでもない市川春子。表題作はすごい傑作。何だかよくわからんところもあって、時々もっと説明してくれと思うが......、それにしても、空っぽ乙女さんのシュールなエロさは反則だ。」

「読んでいて肉体的な痛みの同化と共に、心の底を削り取られるような痛さも感じる。24 年組のSFを読んだ時に似たどこか懐かしさも。天才的な頭脳を持ち、どこか破綻していて、優しく、綺麗で、恐ろしくて、切なく、それでも本人達は幸せなのだろうと思う」

「いた気持ちいいような、不思議な読後感。ふとしたときに、手に取ってしまう漫画です。」

「「かわいさ」は作れるし色々な方向性があるけれども、「色気」は作ったらばれる、だが色々な方向性がある。人が併せ持つ「色気」を存分に味わわせてくれる作品。数ある落語作品の中でも群を抜いた面白さ。今後の展開が楽しみです。」

「刑務所帰りの男が落語家入門こんな設定のテレビドラマ前に見た事が・・・だから何なんだ・・・そんな事は関係なく「昭和元禄 落語心中」は面白い。この漫画を読んでいくうちに何となく「昭和元禄 落語心中」と言うタイトルが相応しいものであり、何となくタイトルの意味が分かってくるように思える。」

「落語家という設定ではなく、落語という芸の狂気のようなものを描くために設定された登場人物という印象を受けます。伝統芸能でも、血統重視でチームプレイ、完成された型があり、名前を継ぐということは型を継ぐことでもある歌舞伎とは違い、落語は血縁のない弟子をとり、しかも芸風は個人で違い、名前を継いでも型は継がず一代限りで終わる落語の世界。まだ1巻で、素人の主人公を通して読者に落語の世界を紹介する程度ですが、それでもこの先訪れるであろう芸に対する狂気がもれていて、ぞくぞくします。落語のシーンも、表情と字のフォント、仕草のみなのにちゃんと語りが伝わってくる。個人的に圧倒的存在感で今年一番面白かった漫画。」

「作品の出来栄え(ストーリー&画)がいい!というだけでなく、作中「落語」を本当にうまく「漫画化」「表現」 、できていると思います。その先生の手腕は凄すぎる~!!!」

「雲田さんの絵が好きです。70年代のおとめちっくまんが風の独特のお洒落感と温かさがなんともいえない。BL 作品も大好きです。胸きゅん設定なんです。それが、ここか、ここなのか、この題材なのか、と驚愕。落語、お好きだったんですね。作家さんの井戸って深いわあ。汲めども尽きぬ、ですね。師匠が色っぽすぎます。」

「芸事の「粋」が存分に味わえる作品!なんにせよ、何事かを極めようとする人たちのもっている「艶気」には、立ちうつすべはありません。はあ、いいわあ。高座の場面なんかもう、鳥肌もの。」

「個人的に、BL作品から大好きな雲田さん。どこか懐かしいようで新しく、少女マンガ風の可愛らしい作品を描く方が現れたなと思っていましたが、こちらは作品全体に漂う独特の色気がまた良いなぁと思いました。ほんものの落語をきいてみたくなりますね。」

「読み始めはどうしてもドラマ『タイガー&ドラゴン』のイメージが強いが、八雲師匠のドSキャラとふと見せる弱さ、亡くなった助六との関係性、過去等どんどん物語に引き込まれる。わんこで真っ直ぐすぎる与太郎に救われている部分と成長ぶり、次巻以降の八雲と助六の過去話も楽しみ」

「一般誌から声のかかるボーイズラブ作家がどんどん増えている今日この頃だが、その中でも 2011 年の話題作。もっとも、ボーイズラブファンからすれば、雲田はるこが面白いのは、何を今さらだったりするわけだが。本作でも遺憾なくその才能が発揮されている。とにかくキャラクターが艶っぽいのがたまらない。」

「女性の描く飄々とした絵の感じと、少女マンガ的なコマ割りが、とても落語の世界を表現するのに合っている。これは目からウロコだった。落語の味というものを書体を変えたりして表現しているのもうまくいっている。」

「ストーリーとしてはちょっとひっかかる点もありますが、落語世界を丹念に「人」から描くことに挑戦している感じがして、とても気になる作品です。」

「におうようなエロティシズム、凜としたたたずまい、諧謔あふれる性格......。落語家が本質的に持っている不思議な魅力を、うまく表現して読ませる。」

「淡々としつつも息を飲むような落語の描写。見惚れること間違いなし。美しい奇跡の出会い、とは程遠い、孤独ながらも惹かれ合う運命。が刹那的である。」

「おもしろかったです。なかなか手に取ってもらいにくい題材をうまく描いておられて、作品の中に吸い込まれていきます。これからの展開、そしてこの作家さんの将来、とっても楽しみです!」

「圧倒的なネーム力で、今年もっとも時間を忘れて読み浸った作品。他ジャンルの芸術を作中に盛り込むには手腕が問われるが、その点においてしばらく金字塔となりそう。なにしろ落語が聞いてみたくなるのだ。ざくざくした描線も名調子!」

「音楽漫画の批評で「紙面から音楽が聞こえてくる」というフレーズがよく使われるますが、この作品はまさに「紙面から噺が聞こえてくる」!声色、声のトーン、声の大きさ、そういったものが本当に聞こえてきます。それだけでもう十分すごい。内容も落語という芸事の魔性に魅せられた人間の狂気が伝わってきて、緊張感が切れません。粗筋だけをいえばムショ上がりのチンピラが慰問公演で聞いた落語に惚れ込んで弟子入りするというテンプレートの見本みたいなものですが、」

「まさに落語調で展開される、リズミカルなセリフと大胆な構図。さまざまな感情論が絡み合い、無限のドラマが日本文化を交えて生成される点で天晴!な一冊。」

「候補に上がるまでまったくノーマークでしたが、読み始めてグングンくる確かなキタコレ感。いいなぁこれ、キャラも空間も。定期的にページを開いて訪れたくなります。ああ、これが「粋」ってやつかい。」

「この作者が描く「喜怒哀楽」に色気があって好き。本当によい絵だと思う。与太郎と小夏の話が、さあこれからって時に過去編に突入し、ちょいとつんのめりましたが、若き日の八雲と助六の話がまたよくて、今度は現在に帰って来たくなくなる。おそらくこの作品、真の面白さはまだまだこれからで、今投票すべきかと悩むのですが......どうせもっと面白くなるんだから、細けェことは抜きで!」

「落語とそれに関わる人々の粋な雰囲気に酔えました。」

「いいストーリーマンガは、いつも知らなかった何かを教えてくれる。その「何か」とは情報であり、感情である。僕の好みのマンガは、情報や感情が込められたキャラクターの有り様を土台に「生き様」を切り出していくような作品だ。落語をテーマにした本作は、刑務所に収監されていた元チンピラの「与太郎」が、慰問落語会で一度落語を聞いただけの噺家に押しかけ、弟子入りするところから物語は始まる。物語は徒弟制度という、違う思いを抱く人間同士が家族のように同居する枠組みのなかで展開する。物語もさることながら、本作の素晴らしさは、落語の面白さを情報を伝えるだけでなくワクワクさせてくれること。読むと素直に「落語って楽しそう!」「寄席に行きたい!」という気持ちになる。もちろんマンガとしての面白さも十二分だが、ふだんマンガを読まない方もきっと楽しめるはず。とりわけ落語好きや、小説でも宮部みゆき作品、浅田次郎作品などがお好きな方はぜひどうぞ!」

「か、かわいい!この男の子かわいいよ!ってページをバラララララとめくる速度で主人公に惚れ込んでしまいました。他のどのキャラクターもとても魅力的。1 巻の最後はあったかい涙が出ました。まだ始まったばかりの物語ですが、この先がとても楽しみです。最初、「落語の話か~」などと読まず嫌いをしていたあの頃の私をタコ殴りにしたいです」。

「雲田はるこさんのマンガは、人物がとても魅力的。特にこの作品は八雲師匠に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。だから、与太郎と同じ目線で師匠の落語に夢中になれる。師匠のこれまでの人生が気になってしょうがない...というところで過去編に突入という物語の流れが心憎い。そしてこれを読んだ方はみんな思ったことでしょう。「寄席に行ってみたい!」と。」

「『四月は君の嘘』を読むまでは確実に1位にするつもりでした。ひとつだけ気になったことがあったので2位に。それは『助六の落語シーン』。絵から感じるものすごいスピード感とネームを読みこなすスピード感とのギャップがどうもしっくりこなかったんです...『八雲の落語シーン』はスピードがピッタリくるのですがね。裏を返せば、それだけ雲田さんの魅せる力がものすごいってことの証明になるのですが。このシーンのスピード感のギャップ以外は完ぺきだと思います。う~~~~ん、惜しい!」

「雲田さんの絵が好きです。70年代のおとめちっくまんが風の独特のお洒落感と温かさがなんともいえない。BL 作品も大好きです。胸きゅん設定なんです。それが、ここか、ここなのか、この題材なのか、と驚愕。落語、お好きだったんですね。作家さんの井戸って深いわあ。汲めども尽きぬ、ですね。師匠が色っぽすぎます。思わず、去年の夏は円山応挙の幽霊画を観にいってしまいました。まんがとしてはまだまだ序盤だと思うのですが今後の展開に期待を込めて。」

「「和」の素晴らしさと「人物」の魅力にじわりじわり引き込まれてハマりました。各々の想いがどんな形になって行くのか和の世界の美しさと共に漫画ならではの味わいを楽しんで読みたい作品です。寄席で落語を見たくなりました。」

「2011 年の漫画の傾向がわりと「和」って感じだったので、それを代表する作品として選んでみました。芸事に生きる人の色っぽさって一体なんなんですかね。高座の凛と張りつめる空気、寄席でわく観客、交錯する人々の感情、ここまで軽やかにぎっしりと表現してしまう、雲田せんせいの力量に脱帽。次巻も超楽しみにしております!」

「美味しいイタリアンの漫画や書物を読むとイタリアンを食べに出掛けたくなる。映画でワインを飲むシーンがあるとワインを飲みの出掛けたくたくなる。この漫画は「落語家」の熱を伝えてくれて寄席にいきたくなる。そんな漫画です。そして、実際に寄席へいっちゃいました。今まで敷居が高いと思い込んでいた落語が、お腹から笑えてこんなに庶民に根付いているなんて!小学生から90歳のおじいちゃんまでみんなで笑える空間が楽しくってなりませんでした。この漫画はもっと根深い話しなのですがその中で落語の楽しさがびしびし伝わってくる。 いきたくなる。もっともっと、たくさんの方が読んでもっともっと、この古典芸能に足を運んでもっともっと、みんながすかっとすればいいのに。そんな、気持ちのいい漫画です。」

「スピードが速すぎてもったいない、けど色気が。」

「作品内容(ストーリー)もさることながら、にじみ出る雰囲気が堪らない!落語を上手く漫画表現できているところは素晴らしい!」

「刑務所帰りの男が落語家入門こんな設定のテレビドラマ前に見た事が・・・だから何なんだ・・・そんな事は関係なく「昭和元禄 落語心中」は面白い。この漫画を読んでいくうちに何となく「昭和元禄 落語心中」と言うタイトルが相応いものであり、何となくタイトルの意味が分かってくるように思える。レコード会社 営業/阿部 大介主人公が弟子入りする名人・有楽亭八雲の、品、艶、すごみに参りました。狷介孤高な感じもグー。人によってイメージする落語家は違うかも知れませんが、以前よく聴いていた円生を聴き返したくてたまらなくなりました。」

「落語を題材にした期待の大きい作品。キャラクタ設定が雑な印象があって、気になるが楽しめる。」

「こんなにも惚れこめる仕事(人)に出会えるなんて素敵だなぁと思ったマンガです。まっすぐ落語に向かう姿は見習わなきゃなと思わされました。私も今の仕事最初の気持ちでまっすぐ向き合わなきゃと重ね合わせてみたりしながら読みました」

「個人的には最も好みの作品。まだ2巻までしか出てないので小児は早いかもしれないが、将来の大賞候補作としてつばをつけとく。芸人としての執念と人間としてのエゴがないまぜになった八雲師匠のキャラ造形が秀逸。」

「落語という世界、・時代設定、すべてが楽しめるマンガです。主人公のキャラクターがなぜか気持ちいい。すっと、入り込める一冊です。」

「連載当初から私が推し続けているこのマンガがとうとうランクインしそうな予感。何も考えていないようで、考えていて、でもやっぱり考えてなかったり、そんなサブローが好き。マンガ大賞の一位になるまで投票しつづけるつもりです。」

「非常識なほどに歴史が苦手なわたしがこんなにすんなりと読めてしまい、しかも続きを心待ちにしてしまう、こんな歴史コミックは今までありませんでした。歴史をよくご存じの方にさえも「この先どうなるの?」と思わせてしまうストーリー展開の巧みさにうならされました。」

「歴史上の人物の描き方が斬新かつエンターテイメント爆発で楽しい」。

「高校生が実は織田信長だった!!歴史好きマンガ好きにはたまらない、この人がこの時代の人だったんだ!!様々な人物が入り乱れての歴史合戦。今後の展開を読者それぞれがいろいろ考えられるストーリーになっている。」

「きょえーーー!と、ここまでの巻数で3回ほど、本気でびっくりしました。高校生がタイムスリップしてしまう、という設定はありきたりといえばありきたりなのですが、タイムスリップしたからこういうことだよね、とこちらが甘々で見ている前提をシュッと越えてパチン!と驚かされています。主人公の飄々としてるっぷり、作者さんもそういう人を食った方なのでは、と連想させられてしょうがありません、で、信長の行く末を我々はよく知っているわけで......!さて、この先どうなるの?!本気で気になる!」

「この作品、そんな単純な話じゃないことに、読み進むうちに、ひたひたと気付かされ続けるのです。この先に何が待っているのか......!」

「本当にこのまま、三郎が史実に基づいていくのかを考えると、最後の結末をどうやって迎えるのかが楽しみです。」

「新しい!歴史ものなのにこんなにドキドキするとは。」

「胸のすく主人公というのは、見ていて気持ちいいもので。歴史のアレンジ系の話好きには持ってこい。これも次へ次へと読み進んでしまいます。」

「マンガ大賞 2012 ノミネート作品信長物なんて昔からよくあるよなぁ、桶狭間、楽市楽座に鉄砲 etcetc...。 はい知ってる知ってるなんて思って読んでビックリ ! すっかり集中して今出ている巻まで時間を気にせず一気に読んでしまいまた。 どれも秀逸な作品が多かった中でも主観的にも客観的にも一番嵌った作品になりましたのでこちらにて選出させて頂きました。 ある意味新約信長というのでしょうか ? しっかりと王道のストーリーは外さないながらも、随所に主人公やその周りの人々の作者ならではのオリジナリティもあり、史実もフィクションも一冊でニ粒美味しい作品に仕上がっていると思います。読み進めて行くと協奏曲の意味合いも分ってきて、またこれが良く出来ています。 是非ご覧あれ !」

「史実通りにいくのか、オリジナルなラストを飾るのか、今後の展開が気になる。数ある織田信長関連のマンガの中でもこのぽややんでありつつ、まれにみせるキレ者の信長が一番すきです。」

「非常識なほどに史実を知らないわたしがこんなにすんなりと読めてしまい、しかも続きを心待ちにしてしまう、こんな歴史マンガは今までありませんでした。歴史をよくご存じの方にさえも「この先どうなるの?」と思わせてしまうストーリー展開の巧みさにうならされます。実際に周りにおすすめしてみると「絵柄が苦手」という声をよく聞きました。しかしそこでつまずいては本当にもったいないぐらい引きこまれますし、このちょっと独特な絵柄も絶対に「かっこいい」と思えてくると思います。「歴史マンガが苦手」という方にこそ読んでもらえたら嬉しいです。」

「そうきたか!と言いたくなる設定、展開が魅力的です。たくさんの歴史物を読破してきた猛者も、このアングルから信長を見せられると新鮮な楽しみ方ができるのではないでしょうか。」

「設定そのものに特に目新しさはなく、下手をすれば既視感さえ感じられる内容なのに気がつくとグイグイと引き込まれてしまう。実にマンガらしい、単純明快なストーリーが心地よい。巻数的(2012 年 2 月現在・全 6 巻)にも、今が読み時。まさに「旬」な一冊。」

「実際の歴史にそって進んでいるはずの中に様々な物語、影、想いが絡み歴史上、先はこうなるであろう・・と思うのに、思うのに、そういかない気もしてきてしまう。最近では、すっかり元高校生だったと忘れていた。本当は信長じゃない信長の成長を楽しみにこれからも読み続けたい。」

「今回一番のサプライズ。絵は決してうまくないし、奇想天外歴史ものとしては想像の範囲内だが、「信長もの」の大前提である本能寺の変への周到な目配りと歴史マニアに媚びてないさじ加減が絶妙。」

「不敵で、ふてぶてしくて、ただ「今」を素直に生きる主人公・信長がとにかく魅力的。帯には「織田信長の常識は全てこの漫画が破壊する!」とあるが、そもそも歴史的な常識のない人(私)にとってもシンプルに「こういう物語」としておもしろく読ませるのがすごい。奥方とのやりとりも、子供っぽいようでいて、妙にセクシー!」

「戦国時代にタイムスリップしてしまったサブローは、病弱な織田信長に頼まれ、否応無く信長として生きる事に。歴史にうとく、今どきなサブローの自由な発言と行動は波紋を呼ぶが、その底知れぬ魅力は人を引き付ける。明智光秀、木下藤吉郎など歴史的に有名な人物の正体も含めて、今後の展開に期待。」

「古いんだか新しいんだかさっぱりわからない画風、中学生でも考えつきそうなベタなストーリーなのに、読んだことのない面白さが宿っている。すっとぼけているのだがいざとなると気持ちよくさせてくれるキャラクターは、あだち=高橋ラインのサンデーの伝統かもしれない。」

「選考員コメント・2 次選考タイムスリップものは大好物です!信長書店だけに信長の出てくるマンガは一押しです。」

「信長と入れ替わった高校生のキャラクターが淡々としていて好感が持てる。歴史的な知識がなくても、人間関係がわかりやすく楽しめる。」

「歴史に詳しくなくても楽しく読めちゃうマンガでした。高校生なのに芯がぶれないまっすぐな主人公が好きです。」

「「これがこうだったら面白いよね」というシンプルな発想って、突き詰めずに放り投げちゃうことって、少なくありません。でも、それを突き詰めると、とんでもない名作が生まれる。例えば、「名前を書いたら人が死ぬノート」を想像したことのある人は少なくないでしょう。でも、それを突き詰めて考えて、「デスノート」を生み出せた人は、大場つぐみさんしかいませんでした。「高校生がタイムスリップして、信長と入れ替わっちゃったら」という発想は、今までもあって不思議がありません。が!!」

「この作品、そんな単純な話じゃないことに、読み進むうちに、ひたひたと気付かされ続けるのです。この先に何が待っているのか......!」

「だいぶ巻数がたまってきたので、オススメしやすくなってきたと思う。」

「タイムスリップものはいまやジャンルまんがかもしれません。信長を主人公に、こんなキャラ付けがあったのか、とときめきました。石井あゆみさんのイメージの翼に読者として乗っかれて、たいへん幸福。なにも言わずにたたずむ信長くんの一重の切れ長の瞳が、ほんとうに饒舌です。」

「数ある戦国ものマンガの中でも解釈と設定が面白いと思います。作者の中にちゃんと作品の地図が描かれているのがよくわかる。」

「周りがざわざわ「面白い」って言ってたし、でもまた歴史ものかーと天邪鬼に思ったのも本当で、なんとなく敬遠していたところに他人から薦められました。じゃあ、読むか!と。そして読んだら、ごめんなさい、べらぼうに面白かった。こんな歴史物があるなんて!完全にやられました。読み終わって、にんまりしちゃった。出てくる人たちの魅力にも、すっかり参った。かっこいいのに、無理してなくて。肩の力がふわっと抜けます。不思議。他人から薦められて読むっていいなあと、改めて思わせてくれた作品です。ぜひ。」

「主人公が熱くないのがいい。歴史物と構えなることなく読める。」

「これもむちゃくちゃおもしろかった。タイムスリップ系はいつよんでもテッパンにおもしろい。たぶんドラマ化してもいいんじゃないかなあ」

「タイトルがツボなので勝利。まずは信長という男は、イエズス会から「自分を神だと信じる哀れな人間」と、悲しい評価である事。また大胆なフィクションにより、安土桃山という時代がエンターテインメントとして昇華されている点は、気軽に楽しめる。」

『大東京トイボックス』うめ

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「やっぱり今年も新刊出たら全巻読み返してそのたび元気だか勇気だか焦燥感だか使命感だかよくわからんグツグツ煮えたぎる何かが湧いてきたのだった。震災後、それでも今の仕事、今の場所でやらなあかんことはあるなぁ、なんて。」

「読むとモヤモヤします。そして、なんと行っても熱いの一言です。「魂」という言葉は嘘じゃない。2012年一番熱かったマンガです。7 巻の最後のシーンは、みんな待っていたと思います。」

「この作品に投票するのはもうギリギリなんだよなあ(既刊7巻)と思うと気合が入ってしまいます。こ、今年こそ...。様々な思惑に振り回されるも自身の生き様を貫き通す男達。ゲーム業界と言う舞台があってこそかもしれませんが、ホント今一番続きが気になる作品です。」

「ゲーム業界お仕事マンガだけど、なにげに世相を鋭く反映してたりして、どこか時評的だったりするのが面白いじゃねえかと。」

「7巻の最後の展開にはやられた。めったにマンガで泣かないのに、目から汗が出ました。この作者は描けば描くほど上手くなっていってる。掲載誌の注目度が低すぎるため、陽の目を見ない作品だからこそ推したい。」

「零細ゲーム制作会社を率いる、元カリスマゲームクリエイターが、理想と現実のはざまで苦闘する物語。キャラの人間性や背景まで描き込まれていて、台詞回しも名言の宝庫。物語は前作『東京トイボックス』の続編として描かれているので、できれば前作から読むことをおすすめしたい。」

「ゲーム業界というジャンルで描かれる男と男、男と女、会社と会社、モラルとモラル、エンタメとソーシャルのバランスが見ていてぞくぞくします。ゲーム業界だけではなく、すべての働く人々に読んでほしい、そんなマンガです。」

「大東京トイボックスゲームを作るクリエイターたちを描いたマンガとして知られていますが、実際は魂を込めたモノづくりとはなんなのかを追求しているマンガだと私は思います。最新刊の 7 巻にしてその思想極まれりって感じで以下のようなセリフが登場します。"どの現場にもそこそこプログラムが組める奴はごろごろいる。だがその先にいけるヤツってのは あと一行削ることを決してあきらめないヤツだ。言葉にすると陳腐だがな。魂ってのは案外 そういう小さいところに宿るもんなんだよ"SE の端くれの私の心に刺さる言葉でした。働いている人には多かれ少なかれ心に刺さる言葉じゃないでしょうか?今がまさに読み時の旬のマンガ。モノづくりに携わる人すべてにお勧めのマンガです。」

「ものづくりの現場の熱と葛藤がヒリヒリするくらい伝わってくるマンガ。読むたびに自分自身の仕事の状況や立場によって感情移入するキャラが変わる。何度読み返しても飽きない作品です。」

「ノミネート時にも書きましたが、今一番続きが読みたい作品。今はまったくゲームをやらなくなってしまった分、この作品でゲーム分を補充しています。熱い男達の生き様を見て欲しいです。」

「心を熱く震わせる大人の少年マンガ。零細ゲーム制作会社を率いる、元カリスマゲームクリエイターが、理想と現実のはざまで苦闘していく様を描きながらストーリーは進行していく。前作『東京トイボックス』から引き続き「友情」、「努力」、「勝利」(という少年マンガ的テーマ)は一義的なものではないという、大人に通底するジレンマを表現しながらも、大人である読者の背中を熱く押し、その足を一歩前に踏み出させるエネルギーに満ちている。職業人ならば誰もがドキッとさせられる珠玉の名ゼリフの数々からは作者の思考の深さが伺え、エンターテインメントに昇華された形で盛り込まれた東京都青少年健全育成条例改正問題(非実在青少年問題)ネタなど、随所に織り込まれた情報の送受信感覚の鋭さに圧倒される。マンガを読む人にも読まない人にもおすすめしたい! というわけで、迷いに迷った末に第一位とさせていただきます。」

「モノづくりってのは、トントン拍子で上手くいくようなものじゃないですね。本当に魂削ってます。」

「今年のノミネート作品の中では、完成度随一だと思います。しかも熱い ! のでそれがいい ! 熱いだけじゃないのがお勧めできる理由。楽しいことも辛いことも仕事です。納得の行く仕事、してますか ?」

「ゲーム業界が「たまたま」題材になっただけ、と言っても過言ではない、濃密な人間ドラマ、ゲーム業界のみならずエンタメ業界に身を投じる覚悟、情熱、焦燥、希望、さまざまな感情がページをめくる度に登場し、その熱量は他の漫画を凌駕する!」

「仕事してると理不尽な困難が次から次へと襲い来て、自分を殺してなんとか進めるけど、この作品では、折れるわけにはいかないところで折れない気持ち良さを描いてくれていて、素直に心地いい。こんなふうに生きたい、いやひょっとして生きられるかもと思わせてくれるところが良い。」

「仕事がつらくなったり、わけのわからない焦燥感にかられたとき、前を向く力をくれる一冊。主人公はもちろん、脇を固めるキャラクターたちが、いずれも魅力的で、読む時期や自分のコンディションによって、感情移入する相手が変わるのも面白い。しかも、そこかしこにグッとくるようなセリフが登場する。一冊読み終えるたびに「誰が好きか」という話をしたくてたまらなくなる。いつもはランダムに本棚から引き出しては読むという方法をとっていますが、今回はマンガ大賞のために、久しぶりに頭から通して読みました。心の奥深いところに柔らかい部分をぎゅっとつかまれ揺さぶられたような気分。何回も読んで、あらすじはもう知ってる。でも、何度も何度も繰り返し揺さぶられ、何らか新しい発見に出会えるのが凄い。」

「似た業界の者として、共感できるところ、忘れかけているモノ、いろいろ刺さったので一票。」

「ゲームの制作現場と言う中で、制作現場での葛藤が描かれています。「魂はあっている」「仕様を変更する」この言葉の意味が非常に心に突き刺さるマンガです。「今、一番熱いマンガです。」制作の人々に読んで貰いたい!」

「なんだか仕事がしたくなる、マンガでした。何のために働いているの?って。お金とかじゃなくて違う何かが見え隠れする、社会人ならきっと誰もが人事とは思えなくなるマンガ・・・な気がします!僕は感情移入してしまいました。」

「自分にはこの主人公は子供のころあこがれた光り輝くヒーローに見えます。自分と同じ一介のサラリーマンであるこのマンガの主人公がヒーローたりうるのは、利益や効率を求められがちな現代社会の中でも、理想を捨てずにあきらめず進んでいるからだと思います。妥協や現実という敵と対峙する場面は日々あるのですが、そのそれぞれに真摯に立ち向かって、理想を捨てずに進むことができれば実社会にもヒーローは存在し得るのではないか?そう思わせてくれるマンガです。実際、そのような生き方を貫くのはとても難しいと思うのですが、不可能ではないし、少しづつでも実践することができる。妥協にまみれた心に火をともしてくれるようなマンガでした。しがらみや、現実に負けそうになりながら、日々頑張って働くすべての人にお勧めのマンガです。」

「やっぱり今年も新刊出たら全巻読み返してそのたび元気だか勇気だか焦燥感だか使命感だかよくわからんグツグツ煮えたぎる何かが湧いてきたのだった。震災後、それでも今の仕事、今の場所でやらなあかんことはあるなぁ、なんて。と、一次選考の時に書いたわけですが、まさか本当にノミネートされるとは!4年間推し続けた甲斐がありました!ここで推さずにどうする!今年がラストチャンス。全俺が全力で推します。」

「普通に面白い。登場人物の相関関係もわかりやすく、ファミコン・スーファミ世代にはたまんないんは無いでしょうか。ただ、露出が少ない分、ゲーム業界でも知らない人がいるのが残念。」

「前作の「東京トイボックス」にはまだ、ゲームでも良い物を作れば認められるかもしれない、という期待が漂っていた。魂の存在を声高に主張して、突破していくことで周りも納得し、素人の美女も振り向かせるだけの結果が、ゲームには付いてきていた。それでも、零細ディベロッパーが金に恵まれず、パブリッシャーに振り回され、メガソフトパブリッシャーに粉砕されかかる展開が暗示されていた。「大東京トイボックス」に至って、パブリッシャーですら新しいタイトルを出すのが大変になって、メガソフトパブリッシャーと連携しするしか経営を回せない、厳しい状況が如実になってくる。良いものよりも続編で、あるいはすでにあるフォーマットの上に、キャラだけ変えたものを乗せて突破する。そこにゲームの魂はあるのか? 言うだけ虚しい状況に、それでも立ち向かっていく太陽たちに明日はあるのか? 息苦しさを覚えさせつつ、表現規制の問題まで乗ってさらに混迷を深める展開の、たどり着くべき地平はいったいどこだ? 恐いビジョンしか浮かばないけれど、その先に幸福の地平があると信じて読み続ける。

「同じシステムで、得点数で2位、推薦数でも同率2位となったのは私としては意外なことであった。7人は男性2・女性5となっていたため、女性にはそれほど受けないのではないか?と思っていたからだ。ちなみに推薦数で1位は「鬼灯」で、得点数では5位。売上も好調。ついでに言うと売上で最も良いのは「関くん」なのだが、とく点数では6位だったりする。不思議。」

「ゲーム会社を舞台に、ゲームの開発や制作、販売に関わる人々の情熱を描くマンガ。良いものを創りたい、というまっすぐな気持ちで仕事に向かう登場人物たち。起こりまくる衝突、若さゆえの挫折、...そして成長。チームワーク。まるっきりスポ根です!めちゃめちゃアツいお仕事マンガ、テンション上がること間違いなし!」

「描けば描くほど上手くなっていく作品。特に7巻の展開は感涙もので、確実に一つ上のステージに上がった。とにかく続きが気になる作品。」

「「誰かに薦めたい」という基準に照らし合わせたら、やっぱり外せませんでした。この熱さが、どうしても好きだ!人は他人の熱さに打たれるのです。伝わり、伝わった先で、何かが変わっていく。そこから全てが、始まっていく。そういう生き物なんだと思うし、そういう生き物でありたいと願う。読んで、にっこり笑ってほしいな!」

「ヒリヒリ感がたまりません。ゲーム制作会社のお話ですが、仕事をしている人、していた人、これからする人全てにお勧めします。社会って人間てやっぱりどっか複雑。」

「「魂はあってる」ことを確認して胸を張り、「仕様を一部変更」してでもよいものを追求し、「夢と希望の次は、努力と根性」で、今日も徹夜できるのです。好きなものは裏切れない。がんばる意味を教えてくれる燃えマンガ。」

「この作品は・・・かなり迷いました。一応「マンガ大賞」の選考基準には合致するものの決して新しい作品ではないですし、他に類のない作品でもない。むしろ中で描かれる人間関係や葛藤は他の作品にも見受けられる類のものですし。でも、改めて読み返してみて、やっぱり一気に読ませられる面白さがあったので挙げさせてもらいました。とくに 5 巻、6 巻、7 巻とどんどん面白くなってるような気がするんです。不思議なことに。当作品の面白さを支えているのは多分「大人が暑苦しいことを言っている点」であり、私が面白く感じるのは「魂が合ってる」からかな~。」

「すっと一本柱を通したような、さっと刀を振り下ろしたような......なんというか、そういう真っ直ぐさに貫かれた作品。「真実を描き出すんだ」という著者の強い意志が見えて、読んでいるこちらも燃えてくる。そして、リアルで重い話なのに、ケレン味たっぷりなエンタメ作品になっているのがすごい!」

「限りなくリアルな舞台裏に震撼。サラリーマンでありクリエイターでもある葛藤が細かいディテールの上で熱く燃えたぎるこのゲーム道!愛しりそめし頃に!」

「この作品を読むときは、最低でも一度に5巻まで手に入れて、そこまで一気読みすることをお勧めします。本領発揮が5巻の終わりからとか、もう信じらんなーい! (←にこにこと5巻までを差し出しつつ ) えーと、ゲーム屋さんのお話です。ゲームを作っている人たちの日常のあれやこれや。...だけだと思ったら大間違いですが。物を、作ったことのある人たちなら必ず知っている思い。今も作り続けている人なら、なお、熱く焼けるように、知っているだろう思い。そんなものたちが、今、まさに決戦に向かって収束中です。(2/24現在7巻まで刊行中 ) 戦って、勝って来い。必ず勝って来い。私からのエールはそれだけです。これじゃあただのラブレターですね。まあいいか。いいですか、読むなら絶対5巻まで、読んでくださいね!モノを作ることに関わる人間なら、絶対に分かる。この気持ち。読んで、そして他の人たちにも勧めてください。あなたの『魂』が同じなら!」

「以前、番組のディレクターに、「努力しても聴取率が取れないことはある、でも、努力しなくて数字が取れることは絶対にない」と言われたことがあります。で、努力すること自体が楽しいんだよ、と嘯いてみても、実際には結果がついてこない痩せ我慢には限界があることとか、ラッキーとかアンラッキーはもう腹立たしいほどに理不尽であったりすることとか、ものをつくったことのある大人なら、めちゃくちゃ身にしみているあの感覚が、これでもか、とぎゅっと詰め込まれています。また、最近数巻またいだ伏線が動き始めて、まさにいま、さらにおもしろくなりそうなところ!あー、ハッピーエンドになってほしいなぁ。」

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